DREAMS COME TRUE/DREAMANIA -smooth groove collection-
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プロデューサー:DREAMS COME TRUE、マイク・ピラ(1-2,1-4,2-1,2-2,2-11)
レコーディング:マイク・ピラ、ローランド・ヘリントン、ブライアン・スパーバー、後藤昌司、ミヤハラ・ヒロタカ、アンディ・ハーマンズ
ミキシング:マイク・ピラ、ローランド・ヘリントン、ブライアン・スパーバー、後藤昌司 リマスタリング:ブラドー・ミラー
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ズールー合唱隊
中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル
西川隆宏:キーボード、サウンドデザイン、マニュピレート、バッキング・ヴォーカル、「特別」アシスタント
ポール・ダン:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター デイヴィッド・T・ウォーカー:ギター
高田二郎:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター 佐々木康彦:ギター 逆井オサム:ギター
ハイラム・ブロック:ギター 吉田遊介:アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット マーティン・ドローヴァー:トランペット
ニック・ペンテロウ:サックス ピーター・トムス:トロンボーン
佐々木史郎:トランペット 有沢健夫:トランペット 飯尾通利:トランペット
山本一:サックス 瀧川浩水:サックス 竹上良成:サックス 野村裕幸:トロンボーン 河合わかば:トロンボーン
ジョン・オーウェス:トランペット ジム・ハインズ:トランペット
アンディ・スナイツァー:サックス マイケル・デイヴィス:トロンボーン、バス・トロンボーン
大谷幸:ピアノ、エレクトリック・ピアノ、キーボード ジェス・ベイリー:ピアノ 斉藤有太:エレクトリック・ピアノ
濱田尚哉:ドラムス ジェフ・ダン:ドラムス 岸田容男:ドラムス ロメロ・ルバンボ:スパニッシュ・ギター
サンドラ・パーク:ヴァイオリン、コンサート・マスター シャロン・ヤマダ:ヴァイオリン
カレン・ドレフュス:ヴィオラ アラン・ステファンスキー:チェロ
竹内純:ヴァイオリン、コンサート・マスター 深見邦代:ヴァイオリン
志賀恵子:ヴィオラ 永山利彦:チェロ ポール・ジョンソン:ビブラホン
明石敏子:プロダクション・アシスト
マイク・ピラ:バッキング・ヴォーカル ロビン・クラーク:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
フォンジー・ソーントン:バッキング・ヴォーカル タワサ・アジー:バッキング・ヴォーカル
ユッスー・ンドゥール:ヴォーカル・ソロ シキシャ:ズールー合唱隊
浦嶋りんこ:ヴォーカル(!?)
人気度 ★★☆☆☆ お勧め度 ★★☆☆☆ 管理人お気に入り度 ★★☆☆☆
アルバム度 「DREAMS COME TRUE」0曲、「LOVE GOES ON・・・」1曲、「WONDER 3」0曲、「MILLION KISSES」1曲、「The Swinging Star」1曲
「MAGIC」1曲、「DELICIOUS」0曲、「LOVE UNLIMITED∞」1曲、「SING OR DIE」6曲、「the Monster」6曲
「monkey girl odyssey」6曲、FUNK THE PEANUTS1曲
シングル度 24曲中16曲(ファンピーは除外) 作曲者度 吉田5曲、中村8曲、吉田&中村8曲、中村&吉田3曲
ドリカムデビュー15周年を記念して、ヴァージン・レコードから2004年1月に発売された2枚組の企画盤。その1ヶ月前にエピックが発売したバラード・ベスト「DREAMAGE」とは同じ趣旨でリリースされました。「DREAMAGE」がバラード・ベストであれば、こちらはダンス・ナンバー・ベスト。グルーヴィーで心地よい曲が24曲収録されています。もちろん全曲リマスタリングされています。
このアルバムと「DREAMAGE」の制作にあたっては、エピックとヴァージンが双方から曲を出し合っていますが、このアルバムでは選曲の比率が「DREAMAGE」に比べると圧倒的にヴァージンに偏っています。24曲中、エピック時代の曲はたったの5曲。いずれもシングル発売されたヒット曲です。残りがヴァージン時代の曲なのですが、その期間は1997年から2001年までのたったの5年間であり、その間にアルバムは3枚しか発売されていません。そのため、この3枚に選曲の比重が置かれています。それぞれ6曲ずつを収録していますが、「SING OR DIE」にいたっては収録曲の半数が収録されています。このような偏りが見られたのは、ヴァージンが自分の所有する曲を詰め込みたかったから、といえそうです。
タイトルの「DREAMANIA(ドリマニア)」は、その名の通り「ドリカムのマニア」を意味する造語で、昔から使われていました。タイトルに影響されてか、このアルバムの収録曲にはマニアックなアルバムナンバーが多いです(実際にはヴァージン時代の曲に偏ったせいですけど・・・)。しかし、ヒット曲ももちろん収録。特に、2000年のベスト盤「The SOUL」になぜか未収録だった『Eyes to me』と『go for it!』の2つの大ヒット曲を収録。また、『ROMANCE』『PEACE!』『そうだよ』といったシングルの佳曲や、2000年以降のシングル曲も「The SOUL」では味わえません。そして、ドリカムがプロデュースした謎の女性ヴォーカルユニット「FUNK THE PEANUTS」の1999年の曲『you go girl!』をボーナス・トラックとして収録。オリジナルシングルは現在廃盤なので、レア音源です。
「DREAMAGE」は、作曲・作詩・ヴォーカルの面から考えて「美和さんにスポットを当てたアルバム」といえますが、このアルバムは「まささんにスポットを当てたアルバム」といえるでしょう。ヴァージン移籍後の曲には、アメリカを意識して洋楽風に仕上げたダンサブルでグルーヴィーなリズムを持った曲が多いですが、その大半にまささんが作曲にかかわっています。また、彼のアレンジャーとしての才能が思う存分発揮されているのもこの時代の曲です。そのため、ヴァージン時代の曲を集めたこのアルバムは、必然的にまささん色が濃いアルバムになりました。異色のダンス・アルバム「the Monster」を始め、斬新なアイデアによる曲の数々を楽しむことができます。
ブックレットのイラストは、ジャン・フィリップ・デローム。フランスのイラストレーターで、数多くの雑誌の表紙を描いてきました。このアルバムでは、カップルとその犬の様子を描いたほほえましいイラストを提供。曲に雰囲気の合った感じに仕上がっています(『みつばち』のページのイラストは絶対意図的だと思いますが・・・)。初回限定版には、スペシャル・パッケージがついています。
このアルバムは、正直に言うとあまりお勧めできません。なぜなら、選曲に偏りが見られるからです。ヴァージン時代の曲を集めてダンサブルに仕上げようという考えは分からなくもないですが、もうちょっとエピック時代の曲の比率を上げてほしかったです。「The SOUL」にかぶらない曲だけでも『WHEREVER YOU ARE』とか『あなたに会いたくて』などたくさん見当たるのに・・・。これでは、レコード会社の意図が見え見えです・・・。また、ヴァージン時代のドリカムの人気が衰えた理由のひとつに、アメリカを意識した曲作りということが挙げられますが(それが悪いと言っているわけではありません)、ここではそれが凝縮されてしまっているので、初期ドリカムを連想して聴くと裏切られます。「SING OR DIE」や「the Monster」に抵抗感のある人は特にだめです。ましてや、ベスト盤と勘違いして聴くのは絶対に避けましょう!!ボーナス・トラック以外にレアな曲もなく、3枚アルバムを買えばほぼカヴァーできてしまうので、このアルバムを買うことは得策とはいえません。
しかし、企画盤と考えて聴けば面白いコンピレーション・アルバムですし、「The SOUL」「DREAMAGE」と一緒に揃えればほぼ名曲・人気曲は手に入れたことになります(むろん、それだけでドリカムは語りつくせませんが・・・)。ダンサブルな曲が好きな方には最高の一枚と言えるでしょう。まささんファンも必携(笑)。ドリカムが、1997年以降どのような姿勢で音楽作りをしていったかを考える上では、最適なアルバムといえます。
私はこのアルバムはリアルタイムで買いました。しかし、正直な所あまり聴くアルバムではありません。「DREAMAGE」は聴くのに・・・。私もヴァージン時代の曲に少なからず抵抗感を覚えているからかも・・・(汗)。でも、曲順の中には個人的に目を見張るものがありました。個人的に同じ雰囲気を抱いていた『誘惑』『みつばち』『make me your own』とか(これについては曲解説を参照してください)。DISC-2の冒頭6曲がヒットシングルなのも面白いですね。しかし、やはりヴァージン時代に偏っているのは不自然ですし、「SING OR DIE」「the Monster」「monkey girl odyssey」の価値を下げてしまったような・・・。いくらなんでも『ごめんねDJ』と『そんなの愛じゃない』はやりすぎでしょう。『夢で逢ってるから』も、そんなにダンサブルじゃないのに・・・。一番好きな曲『好きだけじゃだめなんだ』は未収録でよかった!!