SNOW DANCE
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:プログラミング
西川隆宏:マニュピレート
ロメロ・ルバンボ:スパニッシュ・ギター
他に、プログラミングされたシンセ音、ベース、ストリングス、ドラムス、パーカッション、手拍子
ライヴ履歴 1999年、DWL「冬の夢」、アンコールに登場 2000年「DCT garden.com COUNTDOWN PARTY」
2001年「DCT garden.com Off-Site Meeting 2001」&2002年「monkey girl odyssey pp-mix」、最初に登場
2002年「monkey girl odyssey arena-mix」「monkey girl odyssey winter fantasia」
2005年「DIAMOND 15」、『LAT.43°N〜forty-three degrees north latitude〜』『WINTER SONG』とのメドレーで登場
2008年「WINTER FANTASIA 2008」 2009年「WINTER FANTASIA 2009」
1999年のクリスマス・イヴにシングル発売されたウィンター・ナンバー。ドリカム自身が出演したDDIグループのCMソングに起用されました。その約2年後の2001年12月にはアルバム「monkey girl odyssey」に再収録されました。よって同アルバムの収録曲では一番古くレコーディング・発表された曲となります。シングルではフェイドアウトしていますが、アルバムヴァージョンはフェイドアウトせずギターをメインとしたインスト部を聴くことができます。ベスト盤「THE SOUL 2」にも収録されています。
この曲がレコーディングされたのは当然1999年であり、他の「monkey girl odyssey」収録曲とは時代がかけ離れています。そのため、音作りはどちらかといえば前作「the Monster」(1999年)に近いものがあるかもしれません。ほとんどがプログラミングによるサウンドという所も似たものがあります。アレンジにはフラメンコを思わせるラテン風のテイストが感じられます。『愛してる 愛してた』でもフィーチャーされたスパニッシュ・ギターがその代表でしょう。今回のギタリストはブラジルを中心に活躍するロメロ・ルバンボ。アルバムヴァージョンのアウトロは必聴です。他にもドラムスや手拍子などもラテン風味を出しています。それを若干和らげているのがシンセストリングスで、こちらは「冬」のイメージを出しています。
歌詞は先に述べたように冬を題材にした曲で、会えなくなって久しい恋人に、街に降る雪になって会いたい・・・という内容です。歌詞の世界では「1900年代最後の夏」が過ぎ冬になるのですが、これはこの曲がリリースされた1999年に当たりまさにタイムリー。「天球儀」とは宇宙の恒星や星座の位置を球に記した地球儀の一種(!?)。ちなみにこの曲のタイトルは歌詞には全く登場しません。一部で韻を踏んでいて、1年後に作られる『24/7 -TWENTY FOUR/SEVEN-』での実験的な導入を予期させます。美和さんによるヴォーカルとバッキング・ヴォーカルのハーモニーが悲しげで美しいです。間奏後は曲が転調しますが、それに合わせて美和さんの歌い方も力強くなります。
この曲にはミュージック・ヴィデオがあり、DVD「DCT CLIPS V1」に収録されています。撮影場所は東京・渋谷区の代官山。美和さんがウォークマンで曲を聴きながら歩きながら歌います(音声はスタジオ版)。シーンはノーカットということで美和さんは歩く速さに気をつけたんでしょうね。まささんと西川さん、そして監督の田中さんが通行人になりすましてちょっとだけ出てくるのが面白いです。他にも田中監督の教え子(後輩)たちが多数エキストラ参加しています。元々雪の日に撮影するはずだったのですが(撮影日は10月18日)見事晴れてしまい当初は撮影した映像に雪を合成する予定だったそうです。しかし、そうしなかったことでノーカットで撮った雰囲気がより伝わってくるごく自然なミュージック・ヴィデオになりました。
この曲はライヴでは演奏される機会が多いです。初登場は1999年のDWL「冬の夢」で、まだ発売前のこの曲が披露されました。西川さんはアコースティック・ギターを弾いています。美和さんとパフォーマーのダンスも印象的。それから2002年まですべてのコンサート・ツアーで演奏されました。2005年のツアーにはメドレーで演奏され、ここでも美和さんと佐々木史郎さん(トランペット)のダンスが登場。ウィンター・ナンバーであることから、2008年・2009年の「WINTER FANTASIA」で演奏されるなど、冬に行われるツアーでは何かと出番が期待できそうです。
1999年に発売されたこの曲のシングルには、この曲の別ヴァージョンが2つ収録されています。それぞれアカペラ・ヴァージョンとアコースティック・ヴァージョンで、この曲の持つ魅力を違った角度から堪能できます。うち前者は、キャンペーンソングに選ばれたりベスト盤に収録されたりと触れる機会が多いと思います。
私は「monkey girl odyssey」まではリアルタイムでないので、この曲が1999年の曲だと知って驚きました。だって、アルバムで全然浮いていないんですから。この曲の持つアコースティックな、土のような匂いが『いつのまに』とか『今日この佳き日』とかとマッチしているのです。歌詞はブックレットではスラッシュで一句ずつ切られて表記されていて詩のような感じを出していますね。ミュージック・ヴィデオの舞台となった代官山は、実は私の実家から近く自転車で行ける距離なのですが、暇があったら美和さんと同じルートでこの曲を口ずさみながら歩いてみたいです(笑)。オリジナルヴァージョンも好きですが、2つの別ヴァージョンもそれぞれ味がありますね。