いつのまに
|
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:プログラミング
西川隆宏:マニュピレート
斉藤有太:エレクトリック・ピアノ
竹内純:ヴァイオリン、コンサート・マスター 深見邦代:ヴァイオリン
志賀恵子:ヴィオラ 永山利彦:チェロ
他に、プログラミングされたシンセ音、ベース、ドラムス、スクラッチ
ライヴ履歴 2002年「monkey girl odyssey pp-mix」(音源は『朝がまた来る“pp-mix”live version』でイントロのみ聴くことができる)
2002年「monkey girl odyssey arena-mix」、アンコールを除く最後に登場 2002年「monkey girl odyssey winter fantasia」、アンコールで登場
2004年「ウラワン」
2009年「“ドリしてます?”」、『なんて恋したんだろ』『みつばち』『24/7 -TWENTY FOUR/SEVEN-』『マスカラまつげ』『やさしいキスをして』『空を読む』『何度でも』とのメドレーで登場(シングル「生きてゆくのです」に音源を収録)
2001年7月18日にシングルリリースされた曲。TVドラマ「救命病棟24時」の第2弾の主題歌に起用されました。ちなみに同ドラマの第1弾の主題歌は同じくドリカムの『朝がまた来る』(1999年)。第3弾の主題歌もドリカムの『何度でも』(2005年)となっています。その後同年に発売されたアルバム「monkey girl odyssey」にも収録されました。アルバムヴァージョンは冒頭にストリングスの短い演奏が加えられていますが、これは「パッへルベルのカノン」をアレンジしたものだそうです。知名度も高く、ドリカムの2001年の代表曲といえるでしょう。ベスト盤「THE SOUL 2」にも収録されています。
この曲は、「救命病棟24時」の監督が求めた「詩の世界は『朝がまた来る』で、サウンドはもうすこしほっとできるようなサウンド」というイメージをもとに作られました。その結果、サウンドは落ち着いた空気が流れています。生ストリングスが全体的にフィーチャーされていて、これが特に印象的です。この曲のアレンジについてまささんは「すごく自然なアレンジを目指した」「(ずる賢いアレンジをしたいという)欲をかかなかった」と語っています。それほどピュアな気持ちで作られたアレンジなのですが、ゆったりしたサウンドに対しビートはスクラッチを交えたアグレッシブなもので一筋縄とはいきません。また変拍子があり複雑です。まささんや美和さんは「メロディに持って行かれ」て無の状態でアレンジをしたのですが、結果的にはドリカムらしいメロディとアグレッシブなビートが混ざり合う、この時代のドリカム・サウンドに特徴的な曲に仕上がりました。
歌詞は、『朝がまた来る』の世界をいったん美和さんの頭の中から消し去ってから紡ぎ上げたのですが、『朝がまた来る』と似ているようで少し違う、という絶妙なものになりました。どちらも「雨」を題材にし、「生きる」ことを歌っているのですが、主人公の気持ちは若干異なっています(これについては『朝がまた来る』のページを参照)。歌詞は真摯な雰囲気を持っています。これを美和さんのヴォーカルはやさしく、サビでは力強く歌います。最後の「叫ぶ声も失って」を伸ばす部分が感動的で聴き所。このようなシリアスな雰囲気を、歌詞の一部では韻を踏んでいて和らげています。
この曲はドラマの主題歌になったことなどから一般的にもファンの間でも人気の曲です。そのためライヴで演奏されることが多いのですが、なぜかDWLでは未登場。アルバムツアーのうち最初の「pp-mix」では、「救命病棟24時」の第1弾主題歌だった『朝がまた来る』と続けて演奏され、詞の世界が似ている2曲同士が印象的でした。この時の『朝がまた来る』の演奏が「the Monster」の限定版に収録されていますが、この曲もイントロだけ聴くことができます。2004年の「ウラワン」では、まささんの希望により演奏されましたが、この時は後述する英語版『BEFORE NOW』のアレンジでした。2009年ツアーでの演奏は、シングル「生きてゆくのです」で聴くことができます。
この曲にはミュージック・ヴィデオがあり、DVD「DCT CLIPS V1」で見ることができます。監督は後に美和さんと結婚する末田健さんで、この作品が末田監督とドリカムとの初仕事となりました。フラフープを練習する少年という日常的な風景に、ドリカムのシーンを織り交ぜたものです。一部ではまささんがベース、西川さんがキーボードを弾いている様子が確認できます。水飲み場の蓋を開けると現れるターンテーブルを演奏するファンキーなおじいさんが面白いです。DVDをコメントモードにすると、ドリカム3人と末田監督による和気あいあいとしたトークを聴くことができます。
2001年に発売されたこの曲のシングルには、ピアノ・ヴァージョンも収録されました。こちらはより真摯で、美和さんの魂の声を聴くことができます。また、2004年の英語アルバム「LOVE OVERFLOWS」には、この曲の英語版である『BEFORE NOW』が収録されました。アレンジも変わっていて、シンプルな感じになっています。
私もこの曲は好きです。でも、アレンジでいったら英語版のシンプルなアレンジの方が好きですね。オリジナルはあのビートが少し不自然に聴こえなくもないので・・・(それでもまささんは「無」になっていたそうですけど)。歌詞はつかめそうでつかめない難解なものですね。でも味わい深いし韻を踏んでいて不思議な感じ。DWLで演奏されていないのが不思議です。今度はいつ演奏されるのかな・・・?