flowers
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:プログラミング
西川隆宏:マニュピレート
ハイラム・ブロック:ギター
ジョン・オーウェス:トランペット ジム・ハインズ:トランペット
アンディ・スナイツァー:サックス マイケル・デイヴィス:トロンボーン、バストロンボーン
サンドラ・パーク:ヴァイオリン、コンサート・マスター シャロン・ヤマダ:ヴァイオリン
カレン・ドレフュス:ヴィオラ アラン・ステファンスキー:チェロ
他に、プログラミングされたシンセ音、ベース、ピアノ、ドラムス
ライヴ履歴 2002年「monkey girl odyssey pp-mix」「monkey girl odyssey arena-mix」「monkey girl odyssey winter fantasia」
2010年「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」
オープニングテーマに続いて始まるアルバム「monkey girl odyssey」の実質的なファースト・ナンバー。同アルバムの「サウンドの初期への回帰」という現象に当てはまらない珍しい曲で、ヒップホップのリズムを強調した音作りは前作「the Monster」に似たものがあります。勢いのある構成のめまぐるしさと、ダンサブルなドラムビートが印象的ですが、注目したいのがストリングス。それまではまささんのこだわりから生ストリングスの導入を避けてきたドリカムですが、この時期になって初めて数曲でフィーチャーしています。この曲では生ストリングスはドラマチックな効果をもたらしていて、音に厚みと温もりを加えています。エンディングの力強いブラス・セクションも聴き所です。
サウンド以上に注目されるのが歌詞です。「必ずアルバムのブックレットの最後にメッセージが入ってるでしょ。前回だと“あなたの花は 息づいている”うんぬんっていう。今回の『flowers』はそこから来ているんです。」とまささんが語るように、この曲の歌詞は前作「the Monster」のブックレットに書かれたメッセージから発展させてできました。これが「the Monster」と「monkey girl odyssey」とのリンクになっています。この経緯から、この曲の歌詞はラヴソングではなく、ちょっとしたメッセージソングになっています。愛を育てることを花を育てることに例え、その難しさを歌っているのですが、これについて美和さんは「(アルバムの)核ではないけれど、私たちの主張みたいなものかな。曲順にしても。やっぱり幕の開け方って大事じゃないですか」と語っています。一部は韻を踏んでいてリズミカルです。節はすべて美和さんのダブル・トラックによるもので、高音と低音を使い分けています。間奏以降に入るバッキング・ヴォーカルが印象的です。なお、「monkey girl odyssey」のブックレットの最後のページにも「a flower」というメッセージがあり、この曲をほうふつさせるのですが、このメッセージは次のアルバム「DIAMOND 15」とはリンクしていません。
この曲は、2004年の企画盤「DREAMANIA」に収録されています。これは不確実なのですが、『my monkey girl〜opening theme〜』とはくっついていないため恐らくわずかに違う(前曲の音がかぶっていない)ヴァージョンが収録されていると思われます。また、この曲の英語版が2004年の英語アルバム「LOVE OVERFLOWS」に収録されました。こちらはテンポが速く、よりアメリカを意識した仕上がりになっています。
ライヴでは、2002年の一連のアルバムツアーと、2010年の「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」ツアーで演奏されています。うち後者ではダンサブルさが増した英語版に近いアレンジでした。
個人的にはあまりインパクトがないのですが、間奏は好きですね。ドリカムは「MAGIC」以降ブックレットにメッセージを書いていますが、そのほとんどが次アルバムにリンクしていますね。こういった遊び感覚がドリカムらしいです。ちなみに「monkey girl odyssey」のブックレットにはもう1つ「隠し玉」があるそうなんですが、いまだに解明できていません・・・。アルバムヴァージョンと「DREAMANIA」ヴァージョンの違いは、何べんも聴き比べているのですがよく分かりません・・・(汗)。オープニングテーマの信号音が約1秒間かぶっているようにも聴こえるのですが・・・マニアックな話ですね。あと、第2節の「深いな」がアルバムの歌詞カードでは非常に見づらく、長い間「来いな」(!?)だと思っていました・・・(汗)。まぁこの曲をあまり聴いていなかった証拠でもあるのですが(苦笑)。