スキスキスー
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:プログラミング
西川隆宏:マニュピレート
斉藤有太:エレクトリック・ピアノ
竹内純:ヴァイオリン、コンサート・マスター 深見邦代:ヴァイオリン
志賀恵子:ヴィオラ 永山利彦:チェロ
他に、プログラミングされたシンセ音、ドラムス
ライヴ履歴 2002年「monkey girl odyssey pp-mix」「monkey girl odyssey arena-mix」「monkey girl odyssey winter fantasia」
2010年「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」
この時期のドリカムナンバーとしては珍しい、実験的アレンジが全面に出た曲。2001年7月にリリースされたシングル「いつのまに」のカップリングとなりました。ドリカムのシングルのカップリングに新曲が登場するのはひさしぶりのことでした。その年のアルバム「monkey girl odyssey」にも収録されましたが、こちらはシングルヴァージョンよりもアウトロが長くなっています。このサイトでは文字化けの関係で表記できませんが、実際はタイトルの後には白抜きのハートマークがついています。
この曲のアレンジは元々AOR風にする予定だったそうですが、意見交換の末テンポを変えてテクノ風に仕上げられました。まささんいわく「エレクトロ・ドリテクノって感じ。ドリエレクトロテクノ・・・ドリYMOって感じ」。テクノポップということで思いきりエレクトリック・サウンドになっていますが、間奏で生ストリングスを取り入れているのに注目。まささんは「これにはドリが面白がって楽しんでやってるテイストを入れた良さがあると思ったんですよ。インストでももしかしたらいけるけど、歌としてちゃんと楽しめてポップでって、それがドリの良いところだと思う」と語っていますが、こうした所が結果的にドリカムらしい曲にさせているのでしょう。
歌詞では美和さんの遊び心が爆発しています。好きでたまらない恋心を歌ったもので、「好き」と「キス」を重ねた「スキスキスー」の繰り返しが印象的です。韻も言葉遊びのように多く踏んでいて、リズミカルです。歌詞カードでは歌詞に絵文字をフィーチャーしていて見ていて楽しいです。美和さんのヴォーカル&バッキング・ヴォーカルも楽しい雰囲気がします。アレンジ同様、楽しんで作ったということがよく伝わってきます。
シングル「いつのまに」には、リミックス・ヴァージョンも収録されています。こちらはより機械的な雰囲気を帯びています。
ライヴでは、アルバム発売直後の2002年の一連のツアーと、2010年の「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」ツアーで取り上げられています。後者はマニアックな曲ばかりが演奏されたツアーなので、いかにこの曲がマニアックかが分かります(苦笑)。観客の「イキイキ!メーター」がMAXまで上げられた頃に登場し、会場はますます熱気を帯びました。
個人的にはあまりインパクトのない曲なのですが、ドリカムの遊び心の面を知りたいならこの曲ですね。まずアレンジに、次に歌詞に思わず笑ってしまうこと間違いなし(苦笑)。美和さんの存在感が強い曲ともいえるでしょう。2004年のファンクラブ会員限定のライヴ「ウラワン」では、新曲『マスカラまつげ』を演奏する前のMCでまささんが「初めてタイトルを聴いた時またこんな歌かと思った」と言った後、いかにも皮肉的に「あなたに会えてしゃ〜わせ〜」とこの曲の冒頭の一節を歌う場面がありましたが、それほどこの曲が美和さんらしい異色の曲なんだな、と思わせます。