よろこびのうた
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ズールー合唱隊(as ミワンガ)
中村正人:ベース、プログラミング、パーカッション&一部ドラムス・プログラミング(as キング)
西川隆宏:マニュピレート
デイヴィッド・T・ウォーカー:エレキ・ギター ポール・ダン:エレキ・ギター、アコースティック・ギター
ジェス・ベイリー:ピアノ ジェフ・ダン:ドラムス
ユッスー・ンドゥール:バッキング・ヴォーカル、ヴォーカル・ソロ
シキシャ(ジュリア・マシュニワ、ルーディ・セーラム、ピニス・ソウル):バッキング・ヴォーカル、ズールー合唱隊
他に、プログラミングされたシンセ音、パーカッション
ライヴ履歴 1998年「SING OR DIE」 1998年「ドリカムの夕べ」、最初に登場
1999年、DWL「冬の夢」、『go on,baby !』『さよならを待ってる』『みつばち』とのメドレーで登場
2003年、DWL、『あはは』『ひさしぶりのI Miss You』『うれしはずかし朝帰り』『なんて恋したんだろ』とのメドレーで登場
2010年、「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」、最初に登場
ドリカムとしては異色のアフリカの民族音楽風なソウルフルなナンバー。シングル発売はなかったものの、ファンの間でとても人気の高い一曲です。そのため、2000年のベスト盤「The SOUL」や2004年の企画盤「DREAMANIA」にも収録されました。うち後者ではアルバムの冒頭に見事収録されています。
リズムやサウンドからして異色です。リズムは力強いアフリカ色の強いもので、ドラムスがそれを印象付けています。ピアノが魂を呼ぶような厳かな雰囲気を出しています。ギターは当時のおなじみ、ポール・ダンとデイヴィッドじいさんの2人で、やはり前者がハード、後者がソフトな演奏を担当しています。ポールは、隠し味となるアコースティック・ギターも演奏しています。エンディングはドラムスからボンゴに変わり、この辺もアフリカ色を出しています。
さらにヴォーカルもアフリカ風です。その中で印象が強いのがアフリカ風のバッキング・ヴォーカル。作曲した美和さんはこの曲に「大地のイメージ」を感じていたそうで、そのために集められたシンガーも本場アフリカ人です。サビの印象的なバッキング・ヴォーカルを歌うのはズールー(南アフリカの原住民)の女性3人によるグループ、シキシャ(と美和さん)。この部分のコーラスはズールー語で「太陽のように笑う赤ちゃん」という意味です。間奏のソロヴォーカルはセネガル出身のポップ・シンガー、ユッスー・ンドゥール。ソニー・ミュージック所属で、CMソングでもおなじみの人です。このように、現地の人が歌ったバッキング・ヴォーカルに盛り上げられた美和さんのヴォーカルは、まさに魂の底から歌っています。とても力強いです。歌詞は少なめですが、生まれてきたばかりの赤ちゃんに祝福を与えよう、というその名の通り「よろこびのうた」です。それまでのラヴソングとは明らかに違う、より大きなスケールで「愛」を歌った内容です。
このように心を震わせるソウルフルなサウンド・ヴォーカルであることと、子供を持つファンたちの共感を得たおかげか、アルバムナンバーだった所から大変人気の曲になったわけですが、ライヴではDWLでよく演奏されます。うち'99年DWL「冬の夢」では、アフリカ色の強い演出が印象的でした。ピーター・トムス(トロンボーン)の吹くほら貝みたいな楽器の音色で始まり、アフリカの民族衣装を着たドリカムが登場。曲の中盤になると3人は箱に入れられ、その箱は吊り上げられ呪文をかけられると爆発します。しかし、そこには3人の姿はなく・・・と思いきや、違う服を着たドリカムが会場の別の場所から姿を現すというイリュージョン仕掛けの演出で、観客を沸き立たせました。バッキング・ヴォーカル担当の浦嶋りんこさんがアフリカ風の呪文みたいなものを唱えていて、ここでもパワフル・ヴォーカルが発揮されていました。ちなみにイリュージョン後は英語版の『SONG OF JOY』の歌詞が歌われていました。'03年DWLでもメドレーに組み込まれての登場。しかし、なぜか'07年のDWLには演奏されず・・・。その代わりなのか、'10年に「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」ツアーでトップバッターとして復活。マニアックな選曲が注目を浴びた同ツアーでは珍しい人気ナンバーでの幕開けにファンは歓喜したのでした。
先述のように、1998年にはこの曲の英語版の『SONG OF JOY』が発売されました。こちらはJALラスベガス・キャンペーンのCMソングに起用されたほか、ミュージック・ヴィデオも作られました(「DCT CLIPS V1」に収録)。さらにまささんがその英語版をダンス・アレンジでリミックスしたものが2001年のシングル「24/7 -TWENTY FOUR/SEVEN-」に収録されました。日本語版も完成度が高いですが、英語版もいいできです。
このようにファンにとても人気なのですが、私はドリマニアなのでそれほど好き!といった曲ではないです(苦笑)。どちらかといえば、私は英語版の方が好きです。どちらのヴァージョンも、ズールー語のバッキング・ヴォーカルを一緒に歌いたくなってしまいます(何と言っているかよく聞き取れませんが)。'99年DWLでのイリュージョンはぜひリアルで見てみたかったです。あれは一体どうやったらできるのか、謎ですね・・・。