DREAMS COME TRUE/GREATEST HITS "THE SOUL 2"
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プロデューサー:DREAMS COME TRUE
レコーディング:岡村弦、エド・テュートン、後藤昌司、ミヤハラ・ヒロタカ、アンディ・ハーマンズ、ローランド・ヘリントン、ブライアン・スパーバー
ミキシング:エド・テュートン(後述曲以外)、後藤昌司(1,14)、ローランド・ヘリントン(5,7,10)
リマスタリング:ブラドー・ミラー
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ベル、手拍子、シンバル
中村正人:ベース、シンセベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル、キーボード、手拍子、ウィンド・チャイム
西川隆宏:マニュピレート
今泉洋:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター 武藤良明:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
デイヴィッド・T・ウォーカー:エレクトリック・ギター デヴィッド・スピノザ:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
吉田遊介:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター T・ボーン・ウォーク:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
アダム・ロジャース:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター コン・ツヨシ:エレクトリック・ギター
ロメロ・ルバンボ:スパニッシュ・ギター
佐々木史郎:トランペット ビル・モブリー:トランペット 小林太:トランペット
グレッグ・アダムス:トランペット バリー・ダニリアン:トランペット エリック・ミヤシロ:トランペット 木幡光邦:トランペット
山本一:サックス デーヴ・ジェンセン:サックス 吉田治:テナー・サックス、バリトン・サックス
デーヴ・マン:テナー・サックス、バリトン・サックス 竹野昌邦:サックス 近藤和彦:サックス
河合わかば:トロンボーン 中路英明:トロンボーン 山城純子:トロンボーン 片岡雄三:トロンボーン
フレッド・シモンズ:トロンボーン オジー・メレンデス:テナー・トロンボーン
ミナミ・ヒロシ:ホルン 丸山勉:ホルン ナカジマ・ヒロユキ:ホルン 旭孝:フルート 石橋雅一:オーボエ
大谷幸:ピアノ、エレクトリック・ピアノ、ハープシコード
斉藤有太:エレクトリック・ピアノ 上杉洋史:エレクトリック・ピアノ、キーボード、ドラムス・プログラミング
佐藤博:ピアノ ダグ・ペティ:ピアノ、ローズ・ピアノ、シンセサイザー
竹内純:ヴァイオリン、コンサート・マスター 深見邦代:ヴァイオリン 志賀恵子:ヴィオラ 永山利彦:チェロ
篠崎正嗣グループ:ストリングス
松本幸弘:ドラムス、タンバリン、シンバル ニア・Z:ドラムス、トム
パウリーニョ・ダ・コスタ:パーカッション バシリ・ジョンソン:パーカッション
マーセラス・D・ニーリー:MC Full Of Harmony:バッキング・ヴォーカル ラララ・ガールズ:バッキング・ヴォーカル
ヴァネッサ・トーマス:バッキング・ヴォーカル ジェニファー・カー:バッキング・ヴォーカル
スクリーミング・ハンド・クラッパーズ:手拍子 クラノ・ミツオ:大阪弁スーパーバイザー
人気度 ★★★★★ お勧め度 ★★★★★ 管理人お気に入り度 ★★★★★
アルバム度 「monkey girl odyssey」3曲、「DIAMOND 15」3曲、「THE LOVE ROCKS」4曲、「AND I LOVE YOU」4曲
「LOVE OVERFLOWS」1曲、シングルのみ2曲
シングル度17曲中15曲(うちカップリング3曲) 作曲者度 吉田4曲、中村5曲、吉田&中村8曲
2009年3月21日、ドリカムのデビュー20周年当日に発売されたベスト盤。編集盤としてはドリカム非公式の「BEST OF DREAMS COME TRUE」と、レコード会社による企画盤「DREAMAGE」「DREAMANIA」もありますが、純粋な公式ベスト盤としては2000年の「GREATEST HITS The SOUL」に続くドリカム2枚目のベスト盤です。タイトルから分かるように、「The SOUL」の続編として銘打たれています。今回も、収録曲はファンからの投票で選ばれており、上位17曲が1枚に収録されています。その反面、前回と大きく異なる点が1つあります。このアルバムは、単体での発売がされていないのです。というのも、このベスト盤は同日発売のニュー・アルバム「DO YOU DREAMS COME TRUE?」の初回限定盤のみのボーナス・ディスクという形で企画されたものであり、「20周年だからベスト盤ついてる!」のキャッチコピーの通り、いわばアルバムを買ってくれたファンへのおまけとして世に出たのです。なお、「DO YOU DREAMS COME TRUE?」の初回限定盤は2種類存在し、DVD「WINTER FANTASIA 2008」がボーナス・ディスクのものには、このベスト盤は収録されていません。また通常盤にも、当然収録されていません。そのため、ベスト盤と言えども将来的にレアになる希少価値の高い1枚なのです。
前回の「The SOUL」は、デビューの1989年から1999年の「the Monster」まで、10年間のキャリアから選曲されていましたが、その続編ということで、このアルバムの収録曲はそれ以降の、つまり「monkey girl odyssey」(2001年)から、「AND I LOVE YOU」(2007年)までのキャリアから満遍なく選ばれています。このベスト盤発売時点での最新アルバム「DO YOU DREAMS COME TRUE?」収録曲は本編との重複になるので当然収録されていません。厳密には収録曲中最古の『SNOW DANCE』が1999年冬に発売されているので、本編CD「DO YOU DREAMS COME TRUE?」と合わせれば、このアルバムでは1999年から2009年までの約10年のドリカムナンバーを聴くことができるのです。収録範囲の期間中には何度かレーベルを移籍しているドリカムですが(Virgin/DCT→インディーズ→ユニバーサル・ミュージック系列)、どの時代の曲も収録されています。
収録曲のオリジナル・アルバムの分布は上記の通りですが、4枚の日本語アルバムから各3,4曲収録されていて、偏りがありません。17曲中3曲はオリジナル・アルバム未収録の曲で、いずれも過去のドリカムナンバーのニュー・ヴァージョンです(原曲は3曲とも「The SOUL」に収録されている)。『LOVE LOVE LOVE -ENGLISH VERSION-』は英語アルバム「LOVE OVERFLOWS」より。そして、『未来予想図II〜VERSION '07〜』と『WINTER SONG〜DANCING SNOWFLAKES VERSION〜』はシングルのカップリングのみで発表されていた曲で、今回がアルバム初収録。人気投票の結果は全部は公表されませんでしたが、1位は『何度でも』が見事獲得。このベスト盤では栄えあるトップバッターの位置を担うことになりました。収録曲を作曲者別に見ると、美和さんとまささんの共作が8曲と最も多く、「The SOUL」以上に「吉田&中村」のタッグが強調されています。これは、2人の共作が以前よりも増えたことが背景にあるでしょう。
前回の「The SOUL」は、シングル曲のみならずいわゆるアルバムナンバーも多く収録されていましたが、今回は面白いことに、収録曲のほとんどがシングルナンバーです。いわゆるA面に当たる曲は全収録曲中の実に12曲にも上ります。それ以外の曲は、前述の日本語アルバム未収録曲を除けば『空を読む』と『PROUD OF YOU』の2曲しかありません(さらに純粋なアルバムナンバーは後者のみ)。ライトなファンから相当なマニアまで多くのファン層を抱えるドリカムにしては恐ろしすぎるほど順当な結果です。そのため、前作に比べると「シングル・ヒット集」の要素が強くなっています。シングル曲でも、『24/7 -TWENTY FOUR/SEVEN-』や『ラヴレター』、『IT'S ALL ABOUT LOVE』などが未収録なのはちょっと意外な所。一方で、『カノン』『高く上がれ!』『めまい』『アピール』といったアルバムナンバーの名曲が未収録に終わってしまったのは残念な点です。
「The SOUL」では、シングル発売された曲はすべてアルバムヴァージョンを採用していましたが、ここでは曲によって収録しているヴァージョンが異なります。多くの曲(7曲)はシングルヴァージョンが採用されており、「The SOUL」とは違ってアルバムヴァージョンはアルバムでのお楽しみ、といった趣となっています。一方、『何度でも』と『空を読む』はアルバムヴァージョンを収録。共にドリカム自身思い入れの強い曲ですが、こちらの方が完成度が高かったという判断からでしょうか。そして、『JET!!!』はイントロがシングルヴァージョンと同じで、間奏とアウトロがアルバムヴァージョンと同じという、このベスト盤独自のエディット・ヴァージョンを収録。また、『未来予想図II〜VERSION '07〜』はシングルに収録されたものより、若干フェイドアウトが早くなっています。ブックレットに「収録楽曲の長さは GREATEST HITS"THE SOUL 2"ヴァージョンです。」と書かれているように、「The SOUL」とは違ってここでしか聴けないヴァージョン違いもあるのです。
ブックレットは、「The SOUL」に比べると非常に質素な仕上がり。白を基調としたジャケットと共に、シックな雰囲気で統一されています。写真もジャケット・裏ジャケットのみ。そのジャケットでは美和さんとまささんが「THE SOUL 2」の文字をかたどったブロックを持っています。ベスト盤・企画盤で恒例のディスコグラフィは今回はついておらず、代わりに各曲の演奏者クレジットのページに収録アルバム・シングルがジャケット写真入りで紹介されています。「monkey girl odyssey」からの楽曲には、当時のメンバー・西川さんのクレジットも載っていますが、なぜか一部欠落している箇所があります・・・。
このベスト盤は、「The SOUL」後のドリカムの10年間を知るにはまさにうってつけの1枚です。収録曲のほとんどがヒット・シングルというだけでも豪華ですし、さらに脇を固めるアルバムナンバーや過去曲のニュー・ヴァージョンと、捨て曲いっさいなし!ファンの人気投票で選ばれただけあって、各曲に対する評価は確かなものです。ファンの間で人気の楽曲が勢ぞろいです。唯一、「The SOUL」に比べて純粋なアルバムナンバーが少ないため、アルバムの深い魅力が分かりづらいのが難点ですが(汗)、それはぜひ各アルバムを買ってお確かめください。ちょっと物足りないけれど、2枚組にしてしまうとオリジナル・アルバムの存在意義がなくなってしまうので、アルバム枚数の比率から考えてちょうどいい分量だと思います。マニア的には、ここでしか聴けないヴァージョンが2曲あるので全ヴァージョンコンプリートにも欠かせません(苦笑)。
このアルバムで、ドリカムは決して過去のグループではない、現在進行形のヒットメイカーだということがよ〜く分かります。単体での発売がなく、初回限定盤のみのボーナス・ディスクのため今後入手が困難になりますが、なくなってしまうその前に、ぜひ手にしてください!本編のアルバム「DO YOU DREAMS COME TRUE?」、そしてベスト盤第1弾「The SOUL」と合わせれば、1989年から2009年までのドリカムの20年間の活動のおおよそがつかめますよ!初心者の方、「とりあえずドリカムを聴きたい!」という方、そしてしばらくドリカムを聴いていなかったあなた。入門編としてお勧めです!まさに全曲よりドリみドリ。そして好きになったら、オリジナルアルバムに手をつけていってください!アルバムではまささんの才能が炸裂していますよ!(笑)
公式ベスト盤としては、個人的にはこれが最初のリアルタイム発売だったため、アルバムの発売情報が流れると跳んで喜びました。同時に「ちょっとタイミング的に早い気も・・・?」と思いましたが(汗)、思えば「The SOUL」から約10年なんですよね。前回も10年スパンの選曲なので、ちょうどきりがよいかな、と思えてきました。1人3曲選べる人気投票にも当然参加しました!ちなみに、私がリクエストしたのは『好きだけじゃだめなんだ』『ONE YESTERDAY』『ていうか』。うち『好きだめ』が見事当選したのは本当にうれしかったですね!できれば後者2曲も健闘してほしかったですが・・・。結果は、あまりにも順当すぎて逆に言葉になりませんでした(苦笑)。もうちょっと波乱を期待したのに。でも、最高水準の選曲であることは間違いないですね!マニアックなヴァージョン違いも登場したし(笑)。のっけから12曲目までシングル・ヒットのオンパレードというのも圧倒される感じで面白いし。単体発売がないのがもったいないくらい素敵なベスト盤だと思います。今度は・・・30周年くらいに「THE SOUL 3」なんか期待していますよ、美和さん、まささん!