PEACE !
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:シンセベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル、ドラムス&パーカッション・プログラミング(as キング)
西川隆宏:マニュピレート
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット マーティン・ドローヴァー:トランペット
ニック・ペンテロウ:サックス ピーター・トムス:トロンボーン
ジェス・ベイリー:ピアノ 相原コージ:マンガ(「SING OR DIE」・シングルのみ)
他に、プログラミングされたシンセ音、ドラムス
ライヴ履歴 1998年「SING OR DIE」「ドリカムの夕べ」 2010年「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」
アルバム「SING OR DIE」の先行シングルとして、1997年10月22日に『MARRY ME?』との両A面で発売された曲。アルバムがドリカムのヴァージン移籍後初のアルバムだったのに対し、このシングルはヴァージン移籍後初のシングルとなり、注目を集めました。当時のドリカムの大きな目標であった「アメリカ進出」のための大きな一歩であり、ドリカムの並々ならぬ意気込みが感じられます。シングルヴァージョンとアルバムヴァージョンは同じ。
この曲はそれまでのドリカムの曲とは全く違った印象があります。それは、アメリカを意識したサウンドにあると考えられます。この曲はいわゆる「ドリファンク」に入る曲で、それまでにもこの種の曲はあったのですが、それらよりももっとリズム、グルーヴを意識した仕上がりとなっています。サウンドの大半がプログラミングされた人工的なもので、まささんの弾くベースまでもがシンセベースです。さらに、ギタリストのクレジットがないことから、珍しくノン・ギターの曲だと思われます。全体的に重低音を強調し重い感じを出しています。ブラス・セクションはもちろん、ピアノも意外と曲のイメージにマッチしています。
歌詞はラヴソングではなく、新たな出発点に立ったドリカムの決意表明とも取れるような曲で、元気出して行こう!と何事にもくじけずに前進する姿勢を歌っています。美和さんらしい面白さをいっぱい詰めた歌詞で、間奏では漢字4文字のことわざがいっぱい登場します。エンディングの「ムニャムニャムニャ・・・」が唐突で面白い終わり方です。美和さんのヴォーカルはクールに、時にパワフルに歌っています。バッキング・ヴォーカルにはまささんも参加していますが、いかにもファンクやヒップホップっぽく凝っています。そして注目すべき点はブックレットのこの曲の歌詞に描いてある小さなマンガ。第1節の「頬に指」を描いたものですが、実はこのイラストを描いたのは漫画家の相原コージさん。代表作は、「コージ苑」「かってにシロクマ」など。この曲のユーモラスさを象徴的に示しています。ちなみに、後の企画盤「DREAMANIA」では、このイラストはカットされています。ですので見たいなら「SING OR DIE」を買いましょう。なお、シングルとアルバムではイラストが違っているので注目!(アルバムの方は眼鏡の男性、シングルの方は初期西川さんに似た男性)
ドリカムが大きな決意とともにリリースしたこの曲ですが、他の「SING OR DIE」収録曲がそうなように、あまり人気がありません。シングルリリースされた曲のうち、最も人気のない曲のひとつかもしれません(汗)。この手の曲になるとファンの間で好き嫌いが分かれてしまいます。そのせいか、ライヴでもほとんど演奏されていません。発表当時の1998年を除いては、2010年の「ドリ×ポカリ〜イキイキ!〜」ツアーで演奏されたのみです。この時は間奏部分でMCのマーセラス・D・ニーリーが大活躍でした。
さて、「SING OR DIE」を聴いた人なら分かりますが、実はアルバムの隠しトラックとしてこの曲の英語版が収録されています。ラストの『月光』が終わって30秒ほどしてから流れます。この英語版(タイトルは同じく『PEACE!』)は、後に「SING OR DIE」の英語版アルバムにも収録されています。この時代の英語版の曲は日本語版に比べると違和感があるものが多いのですが、この曲は英語版の方が自然な感じがします。ですので英語版も聴いてみましょう。ただし、2002年の「SING OR DIE」の限定版には隠しトラックがないので注意。
私もあまりこの曲が好きではないです(苦笑)。でも、ドリカムらしいユーモラスさと、決意の固さはよく伝わってきます。やる気満々ですね。この曲はやはり英語詞の方が似合っている気がします。アメリカを意識した曲だからでしょう。盛り上がる曲なので、ライヴではドリファンクコーナーで積極的に演奏してほしいですね。まささんの曲だからだめかな・・・?(笑)