きみにしか聞こえない

演奏時間:4'00"
収録アルバム:「AND I LOVE YOU」8曲目
                     「THE SOUL 2」2曲目
                     シングル「きみにしか聞こえない」
ミュージック・ヴィデオ:「AND I LOVE YOU」初回限定盤付属DVDに収録
作曲:吉田美和・中村正人  作詩:吉田美和  編曲:中村正人
プロデューサー:DREAMS COME TRUE
レコーディング:後藤昌司  ミキシング:エド・テュートン
有名度 ★★★★☆
人気度 ★★★★☆
管理人お気に入り度 ★★★☆☆
このサイトでの略称・・・AI−8

 演奏者  吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル

        中村正人:アコースティック・ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル

        武藤良明:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター

        大谷幸:ピアノ、ハープシコード(チェンバロ)

        松本幸弘:ドラムス、シンバル

        他に、プログラミングされたシンセ音、ストリングス、一部ドラムス、パーカッション

 ライヴ履歴 2007年、DWL、アンコールで登場


 2007年6月16日に公開された映画「きみにしか聞こえない」の主題歌としてドリカムが書き下ろしたバラード。映画は乙一さん原作のライトノベル「きみにしか聞こえない CALLING YOU」を元にしたもので、若い男女がおもちゃの携帯電話を通じて話し合い、つながってゆく、時空を越えた恋を描いています。美和さんは主題歌のオファーが来る前に原作を読んでいたとか。そしてこの映画で、まささんは音楽監督を担当しています。まささんが大谷幸さんと手がけた音楽は、オリジナル・サウンドトラックとして発売されました。そして主題歌であるこの曲の方は、『今日だけは』などと同時期の2006年夏に録音された後しばらく寝かされ、映画公開3日前の2007年6月13日にシングル発売されました。その後、同年末のアルバム「AND I LOVE YOU」にも収録されていますが、シングルとアルバムは同じヴァージョンが収録されています。ベスト盤「THE SOUL 2」にも収録。

 この曲に関してまささんは、映画に登場する耳の不自由な青年を、かつてまささんが音楽を監修したドラマ「愛していると言ってくれ」に登場する耳の不自由な登場人物とリンク性があると考えたそうです。そこでこの曲は、「愛していると言ってくれ」の主題歌だったドリカムの『LOVE LOVE LOVE』の第2弾とするべく、『LOVE LOVE LOVE』に似たアレンジが施されました。曲構成を見ると、Aメロが3回あり、サビを通ってAメロに戻り、Bメロで終わるという流れは『LOVE LOVE LOVE』と同じです。シンプルなメロディを機軸に、穏やかに始まる出だしが徐々にエモーショナルな展開となり、最後のBメロで大きく盛り上がる・・・という構成も『LOVE LOVE LOVE』を思わせます。しかし、単なる二番煎じに終わらないのがドリカムの非凡な才能の見せ所。しっかり別曲として完成しています。バロック風のアレンジがされたバラードの『LOVE LOVE LOVE』に対し、こちらはより跳ねたリズムを持ったあくまでポップ・ソングの枠に入っている点に違いがあるのかもしれません。

 曲の中心を担うのはピアノで、イントロなしに始まる冒頭は美和さんのヴォーカルのバックでソロ演奏です。演奏は大谷幸さん。盛り上がった後のアウトロに入る静かなソロも印象的。大谷さんがもう1つ演奏している楽器がチェンバロで、これは『LOVE LOVE LOVE』のサウンドを大きく意識したと思われます。ただし、『LOVE LOVE LOVE』ほどメインになっていないのがシンプルで聴きやすいです。この他も全体的に生楽器を重視したシンプルでアコースティックな音作りですが、サントラを作る上でまささんが意識したというシンセも一部入っています。跳ねたリズムが心地よいドラミングも耳に残ります。

 歌詞は映画の内容に合わせて、愛する人に届き、愛する人と出会うきっかけとなった「声」を題材にしています。そして、どんなことがあっても自分の声は誰かに届き、それに誰かが答えてくれている・・・という気持ちにさせてくれる感動的なラヴソングです。美和さんがせつなげに歌うヴォーカルがそんな詞作にぴったりです。前半では英語詞のバッキング・ヴォーカルが印象的。そしてやはり感動的なのが、最後のBメロの盛り上がる部分。美和さん・まささんによる印象的なコーラスをバックに、美和さんがアドリブで渾身のヴォーカルを披露します。『LOVE LOVE LOVE』以上にソウルフルな感じが出ています。

 この曲はミュージック・ヴィデオが制作されました。ヴィデオでは美和さん・まささんの他に映画「きみにしか聞こえない」で主演した鳴海璃子さんと小出恵介さんも登場します。メインのシーンでは、白い衣装を着た4人が白いシーツの元でたたずむ様子が映されます。まささんはベースを演奏。ちなみに、この衣装とシーツは帯などでつながっているため、休憩中はいろいろ大変だったようです。ヴィデオはこのメインの映像の他に映画本編のシーンを交えた「MOVIE version」と、ヴィデオ用に新たに撮影されたオリジナル・ストーリーを交えた「ANOTHER DAY version」の2ヴァージョン存在し、うち後者の「ANOTHER DAY version」は「AND I LOVE YOU」の初回限定盤付属DVDに収録されています。

 ライヴでは、発売直後に行われたDWLで早速演奏されました。当時の最新シングルとだけあって、この曲に対するファンの反響も大きなものでした。

 2007年のドリカムは、この曲と『ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜わたしたちの未来予想図〜』で映画の主題歌を立て続けに担当していますが、映画の感動を呼び起こすような名バラードですね。『LOVE LOVE LOVE』を意識しているのはお聴きになればすぐ分かりますが、あまり酷似しないで、シンプルで芯の通ったメロディを生み出しているのがまた素晴らしいです。個人的には跳ねた感じのリズムがお気に入りです(大好きな『好きだけじゃだめなんだ』もほうふつさせるし)。そして圧巻はやはりエンディングでしょう!『LOVE LOVE LOVE』よりあっさり目ですが、本当に感動的です。そこでの美和さんのヴォーカルは、本人が「再現不能」と言っていたほど(笑)の心揺さぶるアドリブですね。

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