大阪LOVER
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:シンセベース、プログラミング
武藤良明:エレクトリック・ギター
クラノ・ミツオ:大阪弁スーパーバイザー
他に、プログラミングされたシンセ音、ピアノ、ストリングス、管楽器、マレット、ドラムス、パーカッション
ライヴ履歴 2007年、DWLで登場(「ご当地LOVER」のため会場ごとに歌詞に違いあり)
2009年「“ドリしてます?”」、アンコールで登場(神戸公演を除く)
DWLが開催された2007年初のシングルとして発売された曲。作曲は美和さんで、書かれた後しばらく寝かされていましたが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの新しいジェットコースター・アトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」のBGMのオファーがあった際、この曲がタイアップソングとして選ばれました。当時のドリカムは「夢よ、みんな、かなってしまえ!」をキーワードにファンの夢を次々とかなえていましたが、「DREAMS COME TRUEと一緒に空を飛びたい!」という夢をかなえるべく実現したタイアップでした。ジェットコースターでは実際にドリカムの演奏によるこの曲を聴くことができますが、シングルで発売されたものとは若干歌詞の異なる別ヴァージョンです。
曲はドリカムに典型的な、軽快でダンサブルなポップナンバーです。美和さんが「ストレート」と表現する勢いあふれるポップ感は、初期ドリカムもほうふつさせます。どこかディスコ・ポップを思わせるリズムにのせて、ほとんどの楽器がプログラミングによるものです。しかしながら、無機質さは感じさせないのが聴きやすいです。サビの覚えやすいメロディはさすがドリカム!といったところ。
歌詞は、遠距離恋愛を題材にしたもの。これも、「遠距離恋愛をしている人のために歌ってほしい」というファンからのリクエストに答えたものでした。舞台はユニバーサル・スタジオ・ジャパンのある大阪。大阪にいる恋人と遠距離恋愛する主人公を描いたものです。歌詞には「新大阪駅」「万博公園の太陽の塔」「御堂筋」「通天閣」と大阪の名所がいろいろ登場します。以前ドリカムは『東京ATLAS』というご当地ソングを書いていますが、これはその大阪版といってよいでしょう。美和さんは所々で大阪弁も交えて歌っています(DCT recordsの関西支社のスタッフから大阪弁の指導を受けている)。大阪でたまにしか会えない恋人との距離感にもどかしさを感じる主人公の気持ちがコミカルに歌われています。大阪弁も入ると余計滑稽に聞こえてきますね。なお、この曲が後にアルバム「AND I LOVE YOU」に収録される際は、「ALBUM EDITION」としてエンディングにちょっとした「オチ」がついています。また、ブックレットに記載されている歌詞も1つ付け加えられています。ベスト盤「THE SOUL 2」にはシングルヴァージョンを収録。
この曲のミュージック・ヴィデオも制作され、現在は「AND I LOVE YOU」の初回限定盤付属DVDで見ることができます。監督はセキ★リュウジさん。内容は、シングルジャケットの映像化といった所で、2人のカップルが2匹の犬と散歩する中、辺りに様々な「カップル」がいる様子を映していて、「すべての恋に、DREAMS COME TRUEがおきますように。」というキャッチフレーズにぴったりです。2人のカップルはジャケット同様顔が映っていないのですが、若山友海さんと奥田江美さんが演じています。そこにドリカムがTVの中で歌ったり自転車に乗って横を通り過ぎたりするちょい役で出てくるのですが、これが見ていて面白いです。中でもマンホールから顔を出すまささんは笑えます(笑)。まささんはこのヴィデオではキーボードを演奏しています(懸命に画面に映ろうと体を動かしているのが面白い!)。
ライヴでは、その年開催されたDWLで早速取り上げられました。大阪の「ご当地ソング」ですが、札幌・福岡・名古屋公演では会場ごとに歌詞を変えて「ご当地LOVER」が歌われるという粋な計らいがされました。『東京ATLAS』の時もそうでしたが、ご当地の名所に変えられた歌詞にファンは喜んだのでした。2009年の「“ドリしてます?”」ツアーではアンコールで演奏されましたが、順延の末最終日に回された神戸公演のみ、新曲『その先へ』に替えられました。
2010年のリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」にはリミックス・ヴァージョンが収録されています。
この曲は、近年のドリカムナンバーでも指折りに軽快でダンサブルな曲だと思います。『JET!!!』により疾走感をつけた感じですね。あまりご当地ソングを出さないドリカムですが、今回の登場に大阪のファンの皆さんは大変うれしかったのでしょうね。北海道出身の美和さんが書いた大阪弁の歌詞・・・というのも面白い組み合わせでしょう。USJのアトラクションのBGMは公式発表版と歌詞が異なるということで、現地でしか聴けないレア音源ですね。でも、いざ乗っても恐怖のあまり歌詞の違いに気づかず・・・という人も多いようですね(笑)。