DREAMS COME TRUE/DIAMOND 15
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プロデューサー:DREAMS COME TRUE レコーディング:後藤昌司、アル・シュミット、エド・テュートン ミキシング:エド・テュートン
マスタリング:ブラドー・ミラー 録音スタジオ:スターチャイルドスタジオ、キャピトルレコードスタジオ、ソニーミュージックスタジオ
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキングヴォーカル、シンバル(8)、トム(8)、口笛(15)
中村正人:ベース、キーボード(except 6)、プログラミング、バッキングヴォーカル(2〜5,7〜15)、トム(8)、口笛(15)
デヴィッド・スピノザ:エレクトリックギター(2,3,5,7,8,10,11,13,14)、アコースティックギター(10,14)、ギターソロ(10)
デイヴィッド・T・ウォーカー:エレクトリックギター(4,5,7) T・ボーン・ウォーク:エレクトリックギター(12)、アコースティックギター(12)
今泉洋:エレクトリックギター(9)、エレクトリックギターソロ(9)、アコースティックギター(11,15)
グレッグ・アダムス:トランペット(2,4〜7,13)、フリューゲルホルン(2,4〜7,13) 佐々木史郎:フリューゲルホルン(10)
リー・R・ソーンバーグ:トランペット(2,4〜7,13)、フリューゲルホルン(2,4〜7,13) ビル・モブリー:トランペット(3)
トム・スコット:テナー&バリトンサックス(2,4〜6,13)、サックス(7)、サックスソロ(7) デーヴ・ジェンセン:サックス(3)
ニック・レイン:トロンボーン(2,4〜7,13)
大谷幸:ピアノ(1,2,6,7,11,12,14,15)、エレクトリックピアノ(3〜5)
竹内純:ヴァイオリン(12) 深見邦代:ヴァイオリン(12)
ニア・Z:ドラムス(12) パウリーニョ・ダ・コスタ:パーカッション(2,5,13) 松本幸弘:ドラムス(10)、ハイハット&トム(8)
マーセラス・D・ニーリー:ヴォイス(9) 12人のブラジル人:コーラス(8)
人気度 ★★★★☆ お勧め度 ★★★★★ 管理人お気に入り度 ★★★★★
ベスト盤度 「THE SOUL 2」3曲
シングル度 15曲中6曲 作曲者度 吉田2曲、中村6曲(うち1曲は「もちろん中村正人」)、吉田&中村5曲、中村&吉田2曲
トレードカラー・・・薄い青 アルバム略称・・・DI
2001年末に「monkey girl odyssey」発売後、ツアーに出たドリカム。しかしその最中の2002年3月、西川さんが独立、ドリカムはまささんと美和さんの2人となりました。しかし、それに動揺することなくツアーを完璧にこなし、独自のレコード会社を創立した2人は活動を続けていきます。そんなドリカムですが、新しい日本語アルバムが発売されるまでには前作から約3年の月日を待つことになります。その間は、アメリカで様々なアーティストと英語の曲をレコーディングしながら、洋楽のドリカムを極めていったのでした。それが、2002年夏に急遽リリースされた『IT'S ALL ABOUT LOVE』と、2004年初頭にリリースされた英語アルバム「LOVE OVERFLOWS」からのマスターピースです。またアメリカにいる間、アル・シュミットを共同プロデューサーに迎え、デイヴィッド・T・ウォーカー筆頭とした「音楽の巨人たち」と共に美和さんの2枚目のソロ・アルバム「beauty and harmony 2」がレコーディングされ、2003年春にリリースされました。ライヴ活動としては、2003年に行われた4回目となるDWLを特筆すべきでしょう。会場はすべて地方の自然豊かな広い公園やスキー場。子供連れの家族用のスペースも設けられ、大人から子供まで、一日中楽しめるDWLが好評を呼びました。またこれまでの音楽活動の節目として、レコード会社を越えた2つのコンピレーション・アルバム(「DREAMAGE」と「DREAMANIA」)が年をまたいで発売されました。
こうして迎えた2004年は記念すべきドリカム15周年の年でした。この年を最高の一年にしようと考えたドリカムは、ようやく日本語の曲を立て続けにシングルリリースします。それが「やさしいキスをして」「マスカラまつげ/はじまりのla」「OLA! VITORIA!」「ラヴレター」で、リリースされるたびに注目を浴びました。そしてその年を締めくくったのが、このアルバム「DIAMOND 15」。通算12枚目にして約3年ぶりの日本語アルバムです。タイトルは15周年を反映させたもので、曲数もちゃっかり15曲。ジャケットは2人になっても変わらないドリカムの健在さが伝わってきます。初回限定盤は、本のようなハードカヴァー式でおまけとして2004年にリリースされたシングル曲5曲のミュージック・ヴィデオを収録したDVDがついていました。チャートではなぜか2位止まり。「WONDER 3」以降9枚続いてきた日本語オリジナル・アルバムの連続1位の記録がストップしてしまいました。
収録曲中、先行シングルに収録された曲は6曲。いずれも個性的なフィーリングを持っています。それなのに全体が統一されているのは、いずれもほぼ同時期に作られた曲であることや、ロング・ヴァージョンになっていることなどが挙げられます。そしてなんといっても、曲にドリカムらしさが戻ってきたことがいえるでしょう。前作ではドリカムらしいメロディにアグレッシブな味付けをしていましたが、ここでは久々に初期のスタイルを垣間見ることができます。『決戦は金曜日』をもとに作った『朝日の洗礼』はもちろん、『マスカラまつげ』や『HOLIDAY』などはドリカムの得意分野でかかってきた、という感があります。また、「SING OR DIE」以来ひさしぶりにまささんのバッキング・ヴォーカルが聴けることも理由のひとつ。『ラヴレター』『高く上がれ!』など、初期のヴォーカル編成の曲が実に多いです。ただし、初期のテイストが感じられるといっても全く振り出しに戻ったわけではありません。初期の頃と全く異なるのがシンプルさ。前作でも実践していましたが、ここではより深くそれを追求しています。これはアメリカでのセッションで学び取ったことがベースにあります。曲構成のみならず、楽器編成やアレンジもここではいたってシンプルです。そのため、すがすがしさを覚えます。前作と違い、生ストリングスよりブラス・セクションに圧倒的な比重を置いているのも特徴です。また、『どうぞよろしく』『イノセント』といった一部の曲では「SING OR DIE」以来の果敢な挑戦が続いています。演奏には、デヴィッド・スピノザやトム・スコットといったベテランも参加(美和さんのソロからの人脈が多いのに注目)。このように、初期のスタイルを感じさせても、決して後戻りしないドリカムの姿勢が収録曲から読み取れるのです。
待望の日本語アルバムであり、ドリカムが2人になって初の日本語アルバムであり、ドリカム15周年を締めくくったこのアルバムは、先行シングルが好評だったこともあり、ファンの間ですぐ人気になりました。このアルバムは、ドリカムの「過去」と「現在」の双方が交じり合ったアルバムといえるでしょう。「SING OR DIE」以降の洋楽嗜好にドリカムを離れた人も、このアルバムなら好きになるはずです。また初心者にもなじみやすくお勧めです。もちろんヒット曲も多く収録されています。ここ数枚のドリカムのアルバムでは最高といえるでしょう。初回限定盤は手に入れられないかもしれませんが、ぜひ通常盤を買ってみてください。
このアルバムは、私がリアルタイムで買った初めての日本語アルバムです。2003年には2人になったドリカムは以前より勢いが落ちてしまったなぁ、なんて失礼なことを考えていましたが、2004年のシングル快進撃を目の当たりにして「これなら大丈夫!というより以前にも増して元気いい!」と安心しました。発売前は、シングル曲とアルバム曲の釣り合いが取れるか半信半疑でしたが、それぞれ的確な位置に置いてごく自然にみえます。私が持っているのは初回限定盤。通常盤は持っていません。私が初めてアルバムツアーに参加できたのも、このアルバムからです。
さてドリカム15周年が明けて2005年。ドリカムの挑戦はまだまだ続きます。「THE LOVE ROCKS」という、素晴らしいアルバムを出してくれたのですから・・・。