朝日の洗礼
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:ベース、キーボード、プログラミング、バッキング・ヴォーカル
デヴィッド・スピノザ:エレクトリック・ギター
グレッグ・アダムス:トランペット、フリューゲルホルン リー・R・ソーンバーグ:トランペット、フリューゲルホルン
トム・スコット:テナー&バリトン・サックス ニック・レイン:トロンボーン
大谷幸:ピアノ パウリーニョ・ダ・コスタ:パーカッション
他に、プログラミングされたシンセ音、ドラムス
ライヴ履歴 2005年「DIAMOND 15」、最初に登場
アルバム「DIAMOND 15」の実質的な冒頭を飾る、1992年のドリカムの大ヒットナンバー『決戦は金曜日』の続編として作られた曲。作曲は『決金』と同じくまささんで、クレジットでは「もちろん中村正人」と記述されています。まささんは「ひさしぶりに'70年代ソウルを作ってみたかった」と発言しています。仮タイトルはずばり「決金2004」。初めから『決戦は金曜日』を意識して書かれた曲だったのです。
曲は印象的なコーラスから始まります。イントロのピアノや伸ばしたバッキング・ヴォーカルは『決戦は金曜日』を思い出させます。ブラス・セクションが中心なのも『決金』と同じ。ただ、演奏者は当時の面子とは全く異なります。『決金』をモチーフにしたことで、当然ながら今では懐かしい初期ドリカムの匂いが感じ取れます。しかしあの頃と全く同じではなく、構成・アレンジがシンプルになっていることに注目したいです。歌詞も、『決戦は金曜日』の続編になっています。前編では意中の人に「決戦」を仕掛けていた主人公、この曲では既に恋人になっています。しかしそこまで辿り着くにはいろいろ紆余曲折があったみたいです。
この曲は、2005年10月に発売された携帯電話「Vodafone 803T」のCMソングになりました。ちなみに、そのイメージキャラクターはドリカム本人。
ライヴでも演奏されていますが、アルバムツアーではもちろん『決戦は金曜日』と一緒に演奏されました。これは予想通りでしたね(笑)。また、当時のライヴでは「LIVE 8」含めしばしば演奏されていました。
この曲は2010年のリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」にも収録されていますが、オリジナルとほぼ同じ音源です。「ほぼ」というのは若干違いがあるということで、実はイントロのコーラス(「とぅるとぅるとぅるとぅるあ〜」)のキーが微妙に変えられている上に、テンポもスローになっています。これは、アルバムでの前曲『a little prayer』から自然につなげるための措置。『FLOWERS -ENGLISH VERSION-』から4曲息もつかせぬ展開で進むメドレーは、こうしたキーチェンジによって最大限効果的に聞こえるのです。まぁ、この曲に関してはそれだけの違いで後はオリジナルと全く同じなのですが(汗)。
個人的には、この曲は「DIAMOND 15」収録曲の中で一番好きな曲です。なんといっても、懐かしいです。私は『決金』はリアルタイムではないのですが、当時からファンだった人にとってみれば感慨深いものがあるのでしょうね。あとまささんも言っていますが、この曲を聴くと自然と気持ちが高ぶってきます。元気になるというか・・・。アルバムの出だしとしてはぴったりだと思います。どうでもいいことですが、CDのトラックでは次曲『マスカラまつげ』の歌いだしの息を吸う音もこの曲と同じトラックに入ってしまっています。つまり、曲間がないということです。ドリカムそしてマスタリングを行ったブラドー・ミラーが決めた息をつかせぬ構成は、このアルバムに絶妙なコンセプト感を生み出しています。