DREAMS COME TRUE/LOVE UNLIMITED∞

 1.LOVE UNLIMITED
 2.SWEET REVENGE
 3.誓い
 4.ROMANCE 〜∞ VERSION
 5.嵐が来る 〜ALBUM VERSION
 6.思い出は胸に秘めたまま
 7.モンキーガール 豪華客船の旅
 8.家へ帰ろ
 9.7月7日、晴れ
10.どうやって忘れよう?
11.LOVE LOVE LOVE
12.しあわせなからだ
 
発売年月日:1996年4月1日
EPIC/SONY RECORDS  ESZB 1
全体収録時間:46'04"
エクストラ・トラックとしてWindows対応のプログラムを収録
チャート最高位:1位
「LOVE UNLIMITED∞」

 プロデューサー:マイク・ピラ、DREAMS COME TRUE  レコーディング:マイク・ピラ、後藤昌司、ダナ・ジョン・チャペル(9)

 ミキシング:マイク・ピラ  マスタリング:グレッグ・カルビ

 録音スタジオ:エアスタジオ、ウィットフィールドストリートレコーディングスタジオ、一口坂スタジオ、スターチャイルドスタジオ、ウッドストック軽井沢レコーディングスタジオ、エレクトリック・レディスタジオ

 演奏者  吉田美和:ヴォーカル、バッキングヴォーカル、手拍子(5)、マーチングドラム(11)、フィンガースナップ(11)、オルガン(12)

        中村正人:ベース(except 1)、プログラミング、バッキングヴォーカル(except 1,7,9,12)、手拍子(5)

        西川隆宏:マニュピレート、バッキングヴォーカル(except 1,7,9,12)、手拍子(5)、マーチングドラム(11)、フィンガースナップ(11)

        ポール・ダン:エレキ・ギター(2,5〜7,9,11,12)、アコースティック・ギター(3,10〜12)

        高田二郎:アコースティック・ギター(4,8)、エレキ・ギター(8)   デイヴィッド・T・ウォーカー:エレキ・ギター(9)

        ラウル・ドリヴェイラ:トランペット(2,3,6,10)   マーティン・ドローヴァー:トランペット(2,3,6,10)

        有沢健夫:トランペット(4,5,8)   山本一:サックス(4,5,8)

        ニック・ペンテロウ:サックス(2,3,6,10)   ピーター・トムス:トロンボーン(2,3,6,10)

        大谷幸:ピアノ(3,6,11,12)、エレクトリック・ピアノ(2〜6,8)、手拍子(5)、チェンバロ(11)   ジェイ・ワインディング:ピアノ(9)

        濱田尚哉:ドラムス(3〜6,8)、手拍子(5)、パーカッション(10)、マーチングドラム(11)、ループドラム(12)

        スケイラ・カンガ:ハープ(3,6,9)   ボブ・ホワイト:イリアン・パイプス(11)

        ジョン・ポスマン:フィンガースナップ(11)   ジョン・ベイリー:バッキングヴォーカル(10)

        マイク・ピラ:バッキングヴォーカル(3〜5,8,10,11)   ザ・モンキー・クラッパーズ:手拍子(7)

 人気度 ★★☆☆☆  お勧め度 ★★☆☆☆  管理人お気に入り度 ★★★★☆

 ベスト盤度 「BEST OF DCT」2曲、「7月7日、晴れ」1曲、「The SOUL」2曲、「DREAMAGE」2曲、「DREAMANIA」1曲

 シングル度 12曲中4曲 作曲者度 吉田3曲、中村6曲、吉田&中村2曲、西川&中村1曲 トレードカラー・・・  アルバム略称・・・LU


 1995年3月にアルバム「DELICIOUS」をリリースしたドリカムは、7月のシングル「LOVE LOVE LOVE」を大ヒットさせました。これと同じ日には、ドリカムがプロデュースを行った謎の女性ヴォーカルグループFUNK THE PEANUTS(通称:ファンピー)がデビューしました。その直後に開催された2度目となるDWLには、出来立ての「LOVE LOVE LOVE」と生まれたてのファンピーのパフォーマンスが披露され、大好評のうちに終わりました。さらに年末には、ジャズ界の巨匠ミュージシャンを集めて制作した美和さん初のソロ・アルバム「beauty and harmony」がリリースされました。そのほか、ドラマや映画のサントラを手がけるなど、ドリカム以外の活動も見られるようになっていきました。

 そんな中制作されたこの8枚目のアルバム「LOVE UNLIMITED∞」は、1996年4月に、過去のドリカムの曲を多数収録した映画のサントラ「7月7日、晴れ」と同時発売されました。CDは、エクストラ・トラックとしてWindows対応のパソコンに入れると、『LOVE LOVE LOVE』『ROMANCE』のミュージック・ヴィデオを観賞できたり、これまでのアルバムの収録曲を15秒ほど視聴できるようになっています。アルバムジャケットはそれまでのドリカムのイメージを覆すような重厚なもの。美和さんの表情もいつもと違った感じに見えます。アルバムタイトルが「愛に限界、なし」を意味するので、無限大を意味する「メビウスの輪(∞)」がブックレットやCDのレーベル面といったアートワークに施されています。ちなみに美和さんの髪型もこれを真似たもの。ブックレットのページはほとんど黒塗りと重厚ですが、3曲の歌詞の部分と演奏者のクレジットの部分だけなぜかピンク。前作とは、タイトルソングが『サンキュ.』のコーラスをイメージして書かれたことでリンクしています。

 アルバムジャケットがそれまでのドリカムとは違うように、収録曲もそれまでの曲とはだいぶ違った印象を持ちます。前作「DELICIOUS」の作風はほんの少し感じられるだけで、タイトルの通り力強く、壮大な雰囲気の曲が増えています。タイトル曲を始め『ROMANCE』『7月7日、晴れ』などがその例として含まれます。『LOVE LOVE LOVE』『誓い』などのバラードには古風(!?)なアレンジを施してあります。リズムで見ると、『SWEET REVENGE』『ROMANCE』『嵐が来る』『家へ帰ろ』『しあわせなからだ』とクールなヒップホップ系の曲が多い中、レゲエ風のユニークな『どうやって忘れよう?』やシンプルなアレンジのモンキーガール第2弾『モンキーガール 豪華客船の旅』といった曲も目立ちます。このように、それまでのキャッチーなドリカムサウンドをここではほとんど否定して、新たな音楽を模索するドリカムの姿を浮き彫りにしています。ミュージシャンに関してはそれまでのギタリスト、モーリス・マイケルを外す代わりに、「beauty and harmony」で共演した巨匠デイヴィッド・T・ウォーカーを招くなど、新たなサウンド作りを目指す姿勢が見て取れます。歌詞も「恋」を歌ってきたそれまでの軽いタッチのラヴソングから、『LOVE LOVE LOVE』『ROMANCE』『誓い』など、「愛」を壮大に歌うものへと変化していることが分かりますが、この変化は徐々にはっきりとしていきます。曲は相変わらずまささんの作曲したものが多いですが、美和さんも負けずと3曲を発表。さらに西川さんが補作曲した曲も1曲収録されています。

 このアルバムは、ヒット曲を除けば有名でない曲が多数を占めることと、先述のように壮大でクールな印象が強いため、ファンの間ではあまり人気のないアルバムです。しかし、後年英語化され話題となった『しあわせなからだ』や、クールなドリファンク『SWEET REVENGE』のような佳曲はこのアルバムでしか味わえません。アルバムの演奏時間は短くあっという間ですが、よく聴いてみると心に残る曲がたくさん見つかることでしょう。ヒップホップ系の曲が好きな方にはお勧めと言えるかもしれません。もちろん、名曲『LOVE LOVE LOVE』も収録ですよ!

 実はこのアルバム、私がドリカムと出会った記念すべきアルバムなのです。その昔、何度も何度も繰り返して聴いていました。親の持っていたこのアルバムがある日流れていたのに興味を持ったのが、私がドリカムを知ったきっかけで、車の中でこのアルバムがかかっていたのを今でも思い出します。特に『家へ帰ろ』は一番印象に残った曲で、今でもとても思い入れの深い曲です。もちろん他の曲も同様です。『LOVE LOVE LOVE』とか、聴くと懐かしさを感じます。このアルバムの収録曲は、人気のないせいかそれまでDWLで演奏された曲が少なかったのですが、2003年に『SWEET REVENGE』『嵐が来る』『どうやって忘れよう?』の3曲がDWL初登場を果たした時はとてもうれしかったです。2004年の「ウラワン」では『家へ帰ろ』も聴けましたし・・・。

 このアルバムのリリースの翌年、ドリカムは全米進出と新たな音楽の模索のためにVirgin Records Americaに移籍してしまうので、結局このアルバムがエピックでの最後のアルバムとなってしまいました。またデビュー以来共同プロデューサーとして共に働いてきたマイク・ピラ最後のプロデュースアルバムにもなってしまいました。さらには、このアルバム以降マニュピレートでしかクレジットされなくなる西川さんのバッキング・ヴォーカルを聴くことができる最後のアルバムにもなってしまいました。あくまでも推測ですが、全米進出に意欲的だった美和さん・まささんと、消極的だった西川さんとの間にギャップが生じた瞬間だったのかもしれません。いずれにせよ、この後ドリカムナンバーでの西川さんの存在は非常に薄くなります。そしてドリカムのサウンドは大きな変貌を遂げるのでした。

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