DREAMS COME TRUE/MILLION KISSES
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プロデューサー:マイク・ピラ、DREAMS COME TRUE レコーディング:マイク・ピラ、後藤昌司 ミキシング:マイク・ピラ
マスタリング:ティム・ヤング 録音スタジオ:ヒット・ファクトリー、一口坂スタジオ、マリンスタジオ、音響ハウス
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキングヴォーカル、口笛(7)
中村正人:ベース、プログラミング、キーボード、バッキングヴォーカル(except 10)、口笛(7)
西川隆宏:キーボード、サウンドデザイン、バッキングヴォーカル(except 10)、口笛(7)
モーリス・マイケル:ギター(3〜10,12) 佐々木康彦:ギター(2,11)
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット(4〜9,12) マーティン・ドローヴァー:トランペット(4〜9,12)
有沢健夫:トランペット(11) 飯尾通利:トランペット(11)
ニック・ペンテロウ:サックス(4〜10,12) 竹上良成:サックス(11)
ピーター・トムス:トロンボーン(4〜9,12) フランク:バッキングヴォーカル(1,12)
シルヴィア・メイソン・ジェームズ:バッキングヴォーカル(1,12) グウェン・ダプリー:バッキングヴォーカル(1,12)
マイク・ピラ:バッキングヴォーカル(7,11)、友達(2)、スパイA(5)、口笛(7)
ピート・フリス:スパイB(5) ヤンチ:バッキングヴォーカル(7) ハリケーン・ボーイズ&ガールズ:バッキングヴォーカル(11)
人気度 ★★★★☆ お勧め度 ★★★★★ 管理人お気に入り度 ★★★★★
ベスト盤度 「BEST OF DCT」2曲、「7月7日、晴れ」1曲、「The SOUL」3曲、「DREAMAGE」2曲、「DREAMANIA」1曲
シングル度 12曲中4曲 作曲者度 吉田6曲、中村6曲 トレードカラー・・・カメリア アルバム略称・・・MK
アルバム「WONDER 3」リリース後のドリカムは着実に成功に向かって前進していきます。1990年末にはNHKの紅白歌合戦に初出場を果たしました。そして翌年1991年の4月にリリースされたシングル「Eyes to me」がオリコンチャートで1位を獲得する大ヒット、ドリカムは国民的な人気を得るようになります。さらに6月には初のアリーナ・ツアー「史上最強の移動遊園地 ドリカムワンダーランド'91」が開催され、全6公演で6万人を動員します。このドリカムワンダーランド(DWL)は、この後4年ごとに、ファンからのリクエストを基にした選曲で行われることとなります。ちょうどその頃アルバム「WONDER 3」が見事ミリオンセラーを達成。デビューから2年4ヶ月でのミリオンセラーは、当時のオリコンの最短記録を塗り替えました。
このように日本中でドリカム人気が高まる中発売されたこのフォース・アルバム「MILLION KISSES」。アルバムタイトルは3曲目『Goodbye,Darlin'』のバッキング・ヴォーカルから取られました(「WONDER 3」を買ってくれた100万人の人への感謝の念も同時に込めてある)。前作に引き続きチャートで最高1位を記録。この後ドリカムの日本語オリジナルアルバムは、2001年まで相次いで1位を獲得します。ジャケットにはタイトルやアーティスト名が書いてないのが新鮮です。髪を染めたまささんが見慣れない感じがしますが(苦笑)。帯には「きらめく宝石がぎっしりつまった玉手箱のようです」とあります。まさにその通りで、このアルバムは、ドリカムの全アルバムの中でもきわめて完成度が高くきらびやかなアルバムです。
まず収録曲の特徴を見てみましょう。なんといっても曲がバラエティ豊かで個性的になっています。『Eyes to me』のような典型的なドリカム・ポップから、バラードの『未来予想図』、ソウルフルな『銀河への船』、これぞまささんといったリフロックの『この恋はハードボイルド』や、それまでのドリカムのイメージをひっくり返すような大人っぽい『忘れないで』『4月の雨』、さらには陽気なシャッフル『あなたにサラダ』まで、1曲1曲がそれぞれ輝いていて本当に宝石箱のようです。またハッピーな曲が多いのも特徴で、それがアルバム全体に華やかさを出しています。そして『Eyes to me』はもちろん『未来予想図』『薬指の決心』『銀河への船』と名曲ぞろい。前アルバムとは『STELLA OF DREAMS COME TRUE』に『笑顔の行方』の一部が登場することでリンクされています。
それと同時に、サウンドやヴォーカル面も多彩になっています。サウンドは相変わらずプログラミングが多いですが、それまでの不自然な感じをここでは打ち消しています。そしてヴォーカル面。これまではそのほとんどをドリカム3人が担当していましたが、ここでは10人ほどが参加した『Eyes to me』を筆頭に『あなたにサラダ』『銀河への船』などでゲストがコーラスで参加するケースが増えています。陽気なものからゴスペル風まで、TPOに合わせたコーラスの割り振りをしています。ことに、共同プロデューサーのマイク・ピラの参加が目立ちます。『Eyes to me』『あなたにサラダ』でのコーラスはもちろん、スパイの会話(『この恋はハードボイルド』)や友達(『彼は友達』)など台詞系もこなし曲のイメージを膨らます大きな役目を果たしています。この後1996年までマイク・ピラはドリカムになくてはならない存在になってゆきますが、その彼の貢献が大きく開花したアルバムです。
そして、ブックレットなどのアートワークが美しいことが魅力です。ドリカムのアルバムでは一番凝ったつくりのブックレットです。まず紙の質から違います。触ってみてください。安っぽいやつじゃあないですよ、これは(笑)。そしてきれいで大きなカラー写真。3人の楽しい雰囲気が伝わってきます。さらに凝っているのは、収録曲を色分け、フォント分けしていることです!!色は収録順に青緑・モーヴ・紫・セピア・青・水色・緑・茶色・オレンジ・薄紫・灰色・藍色に、フォントはそれぞれ『STELLA OF DREAMS COME TRUE』『愛しのハピィデイズ』『未来予想図』『銀河への船』、『彼は友達』『この恋はハードボイルド』『あなたにサラダ』、『Goodbye Darlin'』『4月の雨』『Eyes to me』、『薬指の決心』『忘れないで』と4種類に分けられていて、曲それぞれのイメージに合った色・フォントを使っています。またCDケースには手紙を模してタイトルを書くなどオシャレな面も。CDレーベルはシンプルに白と、これもきれいです。思わず大切にしたくなってしまうCD・ブックレットのアートワーク。あなたも見てみてください。絶対感動しますよ!!
私はこのアルバムは実はドリカムファンになってかなり後の方、10枚目に買いました。私が当時「The SOUL」に収録されていた『未来予想図』を食わず嫌いしていたためでしたが、買って聴いてみてもうびっくり!!すぐはまりました。さらに、アートワークに感動しました!それ以来このアルバムは、ドリカムで一番大好きなアルバムです!!星10個あげても足りない気分です。(ちなみにリリースされた日は私の7歳の誕生日でもあります)大好きな曲は「全部!」ですが、あえて絞るとすれば『Goodbye,Darlin'』『未来予想図』『忘れないで』ですね。最初の7曲でハッピーになって(『Goodbye,Darlin'』では泣いて)、『未来予想図』〜『4月の雨』で涙を流して、『Eyes to me』で最高にハッピーになって、『銀河への船』で感動する・・・。この最高に大好きなアルバムを作ってくれたドリカムに感謝です!トレードカラーには女の子らしいカメリア(ピンク)を選びました。そしてこのアルバムを私は帯になぞらえて通称「玉手箱アルバム」と呼んでいます。
ここからはマニアックな話ですが、このアルバムから変わったことがいくつかあります。まず、トランペットにマーティン・ドローヴァーを起用したこと。これにより以後'99年まで続く「DYNAMITES UK」が揃ったことになります。続いて、サックスのニック・ペンテロウのクレジット表記が「NICK PENTELOW」になったこと。それ以前はなぜか「NICK PENTALOW」でした。ドリカムファンの皆さんは気づいてました?(笑)そして最後に、エピックのロゴが変わったこと。現在もこれが使われています。他にもマニアックですが、このアルバムには曲間に「マイナス何秒」で表示される空白部分が初めて登場します。『薬指の決心』と『あなたにサラダ』、『あなたにサラダ』と『未来予想図』の間です。
ドリカムのオリジナルアルバムでは指折りに演奏時間の長いアルバムですが、捨て曲一切なし!!初心者でも簡単になじめる、はまれるアルバムです!!ベスト盤「The SOUL」にはなぜか大ヒット曲『Eyes to me』が収録されていないので、そのためにもこのアルバムは絶対最初の方に買いましょうね!!!