吉田美和/beauty and harmony 2

 1.theme of beauty and harmony 2
 2.涙の万華鏡
 3.どうしてこんなに
 4.お願いします
 5.夢の続き
 6.あなたのかわいい人
 7.the lessons
 8.おとなじゃん!
 9.告白
10.theme of beauty and harmony 2 for strings
 
発売年月日:2003年5月6日
DCT records
DCTR-1002(限定盤)・DCTR-1003(通常盤)
全体収録時間:39'26"
初回限定盤:スペシャルパッケージ仕様
チャート最高位:4位
「beauty and harmony 2」

 プロデューサー:吉田美和、アル・シュミット

 レコーディング:アル・シュミット、エド・テュートン   ミキシング:アル・シュミット   マスタリング:ブラドー・ミラー

 録音スタジオ:キャピトル・レコード、アバタースタジオ、エレクトリック・レディスタジオ、ソニー・ミュージックスタジオ

 演奏者  吉田美和:ヴォーカル、バッキングヴォーカル(except 10)

        デイヴィッド・T・ウォーカー:エレキ・ギター(4,6,8,9)   デヴィッド・スピノザ:エレキ・ギター(2,3,5,7)、アコースティック・ギター(7)

        チャック・レイニー:ベース(4,6,8,9)   ウィル・リー:ベース(2,3,5,7)

        グレッグ・アダムス:フリューゲルホルン、トランペット(4,6,8,9)   ランディー・ブレッカー:トランペット(3,5,7)

        エリック・マリエンサル:サックス(ベース、テナー&アルト)、フルート(4,6,8,9)   マイケル・ブレッカー:テナー・サックス(3,5,7)

        ジョー・サンプル:ピアノ、ローズ・ピアノ(4,6,8,9)   ボブ・ジェームズ:ピアノ、ローズ・ピアノ(2,3,5,7)

        ハーヴィー・メイソン:ドラムス(4,6,8,9)   オマー・ハキム:ドラムス(2,3,5,7)

        パウリーニョ・ダ・コスタ:パーカッション(4,6,8,9)   ラルフ・マクドナルド:パーカッション(2,3,5,7)

        エレナ・ベアール他8名:ヴァイオリン(2,7,9,10)   ヴィンセント・ライオンティ、マキシン・ロアック:ヴィオラ(2,7,9,10)

        リチャード・ロッカー、ジーン・ラブランク:チェロ(2,7,9,10)

 人気度 ★★★☆☆  お勧め度 ★★★★☆  管理人お気に入り度 ★★★★☆

 シングル度 10曲中2曲  作曲者度 吉田10曲  トレードカラー・・・  アルバム略称・・・BH2


 1995年の「beauty and harmony」から約8年、本人38歳の誕生日にリリースされた吉田美和のセカンド・ソロアルバム。タイトルを見て一目瞭然、前作の続編として位置づけられています。このアルバムの発売元は、ドリカム自らが設立したレコード会社DCT records。2002年から約2年間、ドリカムがインディーズ活動をしていたための結果です。初回限定盤は、スペシャル・パッケージ仕様。宝石箱のような紫のおしゃれなケースにCDとスペシャル・ブックレットが入っているもので、なんと美和さん本人の監修により制作されました。初回限定盤は当初5万枚限定でしたが、人気がよかったため2003年末に1万枚が再プレスされました。一方、今でも容易に手に入れられる通常盤の方も、初回限定盤ほどではないですがデジパック仕様となっています。

 第1弾と同じく、録音はアメリカで行われました。今回も名プロデューサーのアル・シュミット(美和さん通称「アルおじさん」)が全面協力、共同プロデュースをしています。美和さんとアルおじさんは第1弾以降も親交を深めていたようです。ソロのためドリカムのまささんは不参加。そして、今回もジャズ・フュージョン界の巨匠たちが勢ぞろい。総勢14人の豪華な顔ぶれは、ジャズの図鑑を見ているかのようです。誰もが当時のミュージック・シーンを演奏で彩ってきたベテランです。ジェイ・ワインディングが不参加のため今回は“ALL STARS”は組まれませんでしたが、デイヴィッド・T・ウォーカーやハーヴィー・メイソン、チャック・レイニーはじめ前作に参加した人が6名います。エリック・マリエンサルはツアーメンバーでした。さらに今回は、弟のマイケルとブレッカー・ブラザーズで人気を博したランディー・ブレッカーなど偉大な7名が美和さんと初顔合わせ。後にドリカムのアルバム「DIAMOND 15」に参加するデヴィッド・スピノザやパウリーニョ・ダ・コスタがいるのにも注目。今回も魅力的な性格の美和さんとはみんなすぐ打ち解けたようで、いいムードのセッションだったようです。ボブ・ジェームズをして「僕の40年のキャリアのうちで、最もエキサイティングなレコーディングだった!こんなことは初めてだ!!」と言わしめたほどです。

 今回収録された曲は10曲。すべて美和さん作曲です。うち前回と同じスタイルのアカペラのテーマ曲が1曲、そのストリングス・アレンジが1曲。実質的には8曲です。前回はアルバム全体を通して同じ演奏者でしたが、今回は収録曲を2分して2つのグループに演奏者を分けています。うち『お願いします』『あなたのかわいい人』『おとなじゃん!』『告白』にはデイヴィッド・T・ウォーカーやチャック・レイニーなどが、『涙の万華鏡』『どうしてこんなに』『夢の続き』『the lessons』にはデヴィッド・スピノザやブレッカー兄弟などが参加。ジャズ・フュージョン通の人でないとなかなか分かりにくいですが、聞き比べてみると面白いかもしれません。演奏は、フュージョン畑が多いせいか今回は「1」のような露骨なジャズ・スタイルはありません。逆に、ドリカム(つまり、普段の美和さんの作風)らしさが感じられる準ポップ風に仕上がっています。ただし、「1」が当時発表されたドリカムの「DELICIOUS」の影響を少なからず受けていたのに対し、このアルバムはドリカムがアルバム制作を停滞させていた時期に作られたので、近辺のドリカムのアルバム(「monkey girl odyssey」「DIAMOND 15」)のいずれとも作風が異なり独特の光を放っています。

 第1弾ではシングル発売はありませんでしたが、今回はアルバムと同時発売でシングル「涙の万華鏡」がリリースされました。ただし、収録されているのはアルバムとは違うヴァージョン。また、アルバム発売後には小さなアルバムツアーが行われました。美和さんいわく「最初は全く考えてなかったんですが、レコーディングをしている間に急にやりたくなって。曲たちを空気に触れさせたいなって」。ツアーにはデヴィッド・T・ウォーカー、チャック・レイニー、オマー・ハキムと、デイビット・ベノワ(彼もフュージョン界で有名)が参加。

 このアルバムは、前回の和気あいあいとしたセッションの空気とジャズ・フュージョンの巨匠たちの織り成す見事な演奏はそのままに、よりポップ風路線・美和さんの元来の持ち味に近づけた感があります。そのため、ジャズが苦手・・・という方でも「1」に比べると聴きやすいことでしょう。また、曲数が少ないせいか前作よりもより丁寧に作られている気がします。もちろん、美和さんのヴォーカルも必聴。ジャズ・スタイル、お茶目なヴォーカル、ハスキーなヴォーカルなど、曲に応じて様々なカラーを見せています。全体的に深く低い感じのものが多めです。それに合わせて、曲も夜のきらびやかな街のネオンを思わせるような(!?)感じ。特に、『涙の万華鏡』と『告白』は美和さんのソロの代表曲として必聴です。感動で涙があふれること間違いなしの一大傑作です。それも、サウンド・クリエーターまささんの手を借りずに仕上げたのですから高く評価されるべきです。これも、美和さんとアル・シュミットの仲良いコラボレートの賜物でしょう。個人的には、「1」よりお勧めできると思っています。

 私は、このアルバムはリアルタイムで買いました。当時のドリカムはなかなか新作が出なかったので、ソロにしろ「ドリカム分」を補給するのには格好の材料でした。私が買ったのは通常盤。初回限定盤もおしゃれでよかったのですが、置く場所や持ち運びを考えると・・・(笑)。いつか初回限定盤の方もゲットしたいです(手遅れか・・・?)。ちなみに「1」より先に聴いてしまいました。そのため、こちらの方がお気に入りです。ドリカムとも本格ジャズとも違う、独特な雰囲気が好きですね。特に『夢の続き』『the lessons』『告白』の3曲は。皆さんも、ぜひ買って聴いてみてください!おしゃれな初回限定盤、今では入手困難ですが見つけたら即購入!美和さんのソロはこのアルバムが現在最新ですが、第3弾も聴いてみたいですね。

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