夢の続き
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル
デヴィッド・スピノザ:エレクトリック・ギター ウィル・リー:ベース
ランディー・ブレッカー:トランペット マイケル・ブレッカー:サックス
ボブ・ジェームズ:ピアノ、ローズ・ピアノ オマー・ハキム:ドラムス ラルフ・マクドナルド:パーカッション
ライヴ履歴 2003年「“とつぜんのちっちゃい” tour of beauty & harmony 2」
美和さんがソロで発表した曲。暗い雰囲気のマイナー調の曲で、リズムはジャズなのにどこかレゲエのようにも聞こえます。かなり変拍子を多用しています。イントロ・つなぎ・アウトロのブラス・セクションのメロディが印象的。間奏ではマイケル・ブレッカーがサックス・ソロを聴かせます。間奏では他にも、飛び跳ねるようなベースや、美和さんに答えるかのような愉快なギターがあります。オマー・ハキムは、変拍子を難なくこなしたドラミングを披露しています。
歌詞は、美和さんの詞作では最も堅苦しい感じがします。使われている単語には「淑やかに」「誘い(いざない)」「久遠」など現在では使わない昔の日本語が多く登場します。また、韻をたくさん踏んでいて、その語呂合わせのため余計難解になっています。そのため歌詞の全体的な意味を捕らえるのは至難の業ですが、恐らく苦境の人の見る夢についてだと思われます(推測に過ぎませんが)。そんな歌詞のおかげで、曲自体もどこか和風な響きに聴こえてしまいます。
美和さんのヴォーカルは、歌詞の影響か真剣で淡々とした感じです。サビではせつない感じを滲ませています。またジャズ系の曲では毎度ですが、ここでもスキャットを披露しています。間奏のギターとのやりとりが面白いです。アウトロでは主旋律をスキャットで歌っています。
私は最初聴く前に歌詞カードを見たのですが、瞬時に「異色だ!」と思いました。そしてレゲエ風味もある曲を聴いてますます面白いと感じました。それ以来かなり好きなナンバーになっています。美和さんはこういう古風・和風な歌詞も似合いますね。『誓い』『月光』なども堅い表現が多いですが、その真骨頂といえるでしょう。曲では間奏の展開が楽しいですね。ベースにのせてブーンと跳んでみたりとか(笑)。