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演奏者 吉田美和:ヴォーカル
デイヴィッド・T・ウォーカー:エレクトリック・ギター チャック・レイニー:ベース
グレッグ・アダムス:フリューゲルホルン、トランペット エリック・マリエンサル:サックス(ベース、テナー&アルト)、フルート
ジョー・サンプル:ピアノ、ローズ・ピアノ ハーヴィー・メイソン:ドラムス
パウリーニョ・ダ・コスタ:パーカッション
ライヴ履歴 2003年「“とつぜんのちっちゃい” tour of beauty & harmony 2」
美和さんのソロアルバム「beauty and harmony 2」の収録曲のうち、最もジャズっぽい曲。作風は前作の「beauty and harmony」に近いものがあります。スローでムーディーなリズムですが、間奏ではテンポが上がり、ジャム・セッションのような開放的な演奏を堪能できます。歌の部分より、インストの部分が印象的な曲なのです。グレッグ・アダムスとエリック・マリエンサルによるブラス・セクションがいかにもオールド・ジャズの雰囲気を出しています。エレクトリック・ピアノ(ジョー・サンプル)やパーカッション(パウリーニョ・ダ・コスタ)にも注目。間奏でのデイヴィッド・T・ウォーカーのギターソロが愉快です。
歌詞は、恋人にかまってもらいたくて拗ねている主人公のかわいらしい姿を描いたもので、この手の詞作は美和さんの得意分野です。さんざん「〜して」の口調で甘えて、最後に小声で(それでも自信たっぷりに)「お願いします」と丁寧になるのが面白いです。歌の部分では美和さんは深く伸びやかなヴォーカルを聴かせますが、間奏では開放感あるスキャットを披露しています。
この曲は、前作「beauty and harmony」の『冷えたくちびる』に構成が似ていますね。こちらの方が歌の部分と間奏のギャップが少なめですけど。「2」の方はどちらかといえばフュージョン系の曲が多く、こういう完全ジャズスタイルの曲は珍しいです。間奏ではジャズとだけあって各自フリーな演奏を聴かせますが、それぞれの楽器に耳を澄ませてみると面白いでしょう。間奏から戻る部分や、エンディングで聴こえる鈴のような音がきれいですね。