DREAMS COME TRUE/SING OR DIE -WORLDWIDE VERSION-
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プロデューサー:DREAMS COME TRUE レコーディング:ローランド・ヘリントン、後藤昌司、ブライアン・スパーバー、マイク・ピラ(8,11)
ミキシング:ローランド・ヘリントン(2〜9,12)、ブライアン・スパーバー(1,10,11) マスタリング:ブラドー・ミラー
録音スタジオ:エアスタジオ、スターチャイルドスタジオ、エレクトリック・レディスタジオ
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキングヴォーカル、心臓の鼓動(1)、ケロケロヴォイスパッド(5)、ズールー合唱隊(10)
キング・マサ(=中村正人):ベース(except 1,4,6,7,11)、プログラミング、バッキングヴォーカル(except 1〜3,8,10,12)、シンセベース(4,6,7,11)、ケロケロベース(5)、音の編集(1)、島の音(1)
西川隆宏:レコーディング・アシスト
デイヴィッド・T・ウォーカー:ギター(2,3,6,9,10,12)、ギターソロ(9)
ポール・ダン:ギター(2,3,6,8〜12)、アコースティック・ギター(10)、ギターソロ(6) 高田二郎:アコースティック・ギター(8,11)
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット(2,4,6,8,9,12) マーティン・ドローヴァー:トランペット(2,4,6,8,9,12)
ニック・ペンテロウ:サックス(2,4,6,8,9,12) ピーター・トムス:トロンボーン(2,4,6,8,10,12)
大谷幸:キーボード(8,11) ジェス・ベイリー:ピアノ(2〜4,6,9,10,12)、ハモンドオルガン(2)
ジェフ・ダン:ドラムス(2,3,6,9,10,12) 岸田容男:ドラムス(11)
ユッスー・ンドゥール:バッキングヴォーカル(10)、ヴォーカルソロ(10) シキシャ:バッキングヴォーカル、ズールー合唱隊(10)
キング・マサ(=中村正人):ドラムス&パーカッション・プログラミング(except 1)
人気度 ★☆☆☆☆ お勧め度 ★☆☆☆☆ 管理人お気に入り度 ★☆☆☆☆ 作曲者度 吉田5曲、中村6曲、吉田&中村1曲
1997年発表のアルバム「SING OR DIE」の英語版アルバム。ドリカム初めての英語アルバムでもあります。それまでも『WHEREVER YOU ARE』『ETERNITY』『WINTER SONG』と、英語の曲をシングルで発表してきたドリカムですが、1997年にヴァージン・レコードに移籍した頃からアメリカでのデビューを目指すべく英語の曲のみで構成されたアルバムの制作を考えるようになります。「SING OR DIE」はアメリカの流行音楽を意識した曲が多く、アメリカ上陸を図っていたことを伺わせますが、そのアルバムの全曲を英訳しようと考えたのです。
こうして全曲の歌詞が美和さんの手により英訳化され、ヴォーカルの再レコーディングが行われました。演奏は一部がリアレンジ・リミックスされた以外はすべて日本語版と同じものが使われています。そのため、このアルバムでクレジットされているミュージシャンが再度レコーディングに集結したわけではありません。また、それによりプロデューサーやエンジニアも同じ顔ぶれ。一部の曲のレコーディングがエピック時代のプロデューサー、マイク・ピラの手によるものなのも同じです。
このような作業を経て完成したアルバムは、日本語版発売の約1年後の1998年7月にリリースされました。まず16日には日本で先行発売されました。日本盤にはボーナス・トラックとしてまささんによるリミックス・ヴァージョンが2曲収録されています。また、初回限定盤にはピクチャー・ブックレットがついていました。続いて28日は全米でリリース。NYのタワーレコード・トランプタワー店ではアルバム週間セールスで1位を記録するなど、ドリカムのアメリカ進出は成功に終わりました。また、全曲をセットリストに入れたドリカム初のアメリカ・ショーケース・ツアーがリリースを前後して全6都市で行われました。
全米でも注目を集めたこの英語アルバムですが、辛口に言うとあまりいいできとは思えません。そもそも、日本語と英語だと一文に使う音の数が全く違うわけであり、そのためメロディに無理やり英詩を押し込めている感がぬぐえないのです(『YES,I DID』など)。日本語版と同じベーシック・トラックを使っているので余計そう感じられます。また、ロンドンなどでレコーディングを行い、数々の外国人ミュージシャンと会話をしてきたであろう美和さんでさえ、このアルバムでの英語の技量は「最高」とはいえません(私が言うのもなんですが・・・)。残念ながら、美和さんそしてまささんがこれらの課題を克服できるのは、2004年の「LOVE OVERFLOWS」を待たねばなりませんでした。全米で行われたショーケース・ツアーも、いろいろな課題が残ったそうです。
以上、辛口一方でしたが、言語に関係なく歌に込められた魂を歌い上げる美和さんの歌唱力はもちろん健在、言葉の意味が分からなくとも圧倒されてしまいます。また、元々アメリカを意識したサウンドなので、かえって英語詞の方が曲に似合っているケースもあります(『PEACE!』がその例)。特に、ミュージック・ヴィデオも作られた『SONG OF JOY』は、原曲『よろこびのうた』に負けぬほどのものがあり必聴です。日本語アルバムを聴いてから聴くと新たな発見があっていいと思いますよ。
私は当然ながら日本語版を買った後にこの英語版を買いました。持っているのはボーナス・トラックつきの通常盤。実は、日本盤でさえブックレットはお粗末なつくりで、特に歌詞は全然読めません!アートワークなのでしょうが、行と行が重なっている箇所があったり、文字が小さかったり、大変読みにくい・・・。おかげで半分聞き取りで覚えるしかありません。ちなみに、アメリカ進出を積極的に計画していたのは美和さんとまささんだったようで、西川さんは取り残された感があってそこが少し寂しいですね・・・。