DREAMS COME TRUE/DREAMS COME TRUE
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プロデューサー:マイク・ピラ、DREAMS COME TRUE レコーディング&ミキシング:マイク・ピラ
マスタリング:クインシー・タナカ 録音スタジオ:パワープラントスタジオ、ゼロスタジオ
演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキングヴォーカル
中村正人:ベース(2〜11)、プログラミング、バッキングヴォーカル(2〜9)
西川隆宏:キーボード(2〜11)、バッキングヴォーカル(2〜9)
ピート・グレニスター:ギター(2〜11)
ニック・ペンテロウ:サックス(3〜11)
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット(3〜9)
パワー・プラント・クルーズ:バッキングヴォーカル(2)
人気度 ★★☆☆☆ お勧め度 ★★★☆☆ 管理人お気に入り度 ★★★★☆
ベスト盤度 「BEST OF DCT」2曲、「7月7日、晴れ」0曲、「The SOUL」1曲、「DREAMAGE」1曲、「DREAMANIA」0曲
シングル曲 11曲中4曲 作曲者度 吉田9曲、中村1曲 トレードカラー・・・黄色+オリーブ アルバム略称・・・DCT
2004年3月21日、舞浜の東京ベイNKホールでドリカムのファンクラブ限定ライヴ「ウラワン」の最終公演(ちなみに私も行きました)が行われましたが、この日美和さんもまささんも特別な思いを胸にしていました。というのも、この日からちょうど15年前、DREAMS COME TRUEは記念すべきデビューを果たしたのです。1989年3月21日、シングル「あなたに会いたくて」と、このアルバム「DREAMS COME TRUE」が発売されたのです。
というわけで、このアルバム「DREAMS COME TRUE」は、いまやJ-POPの大御所とも言われるドリカムのデビューアルバムです。デビューアルバムなせいか、タイトルもずばり「DREAMS COME TRUE」です。ジャケットではメリーゴーランドに乗るドリカムの楽しげな姿が見られ、当時からファンだった人たち(うらやましい!)にとっては懐かしいのではないでしょうか。チャートでは27位を記録、デビューアルバムとしてはそこそこの成績でした。
曲目を見てみましょう。デビュー曲『あなたに会いたくて』が収録されていて、まさにドリカムサウンドの原点といえます。曲は11曲中9曲が美和さん作曲と、近年では考えられないほど美和さんの曲の率が高いです。反面まささんの作曲した曲は『カ・タ・ガ・キ』だけです。残る1曲は『Hi,How're You Doin'?』という一番短いドリカムナンバー(笑)で、CDのレーベル面にはタイトルの記載があるものの目だった記述はありません。ボーナストラック的な意図があったのでしょうか。収録曲で目立つのが力強いナンバーで、後の「ドリ・ファンク」の原型となるものも含まれています。またこれから恒例となる次アルバムへのリンクは、『うれしはずかし朝帰り』に『APPROACH』の一節が使われる、といった形で早くも登場しています。
デビューアルバムということで、低予算で作られたと考えられます(演奏者の少なさや、素朴なブックレットなど)。録音は主にロンドンのパワープラントスタジオ(のちにファンクラブの名称の由来となる)で行われました。プロデュースはマイク・ピラ。ここから1996年までドリカムを強力にサポートする人物となります。また、ラウル・ドリヴェイラとニック・ペンテロウはその後もドリカム・ファミリーとして定着します。
このアルバムは、次アルバム「LOVE GOES ON・・・」が名曲だらけなのに対し、非常に存在の薄い曲で占められています。曲も辛口に言えば似通ったものが多く、まだまだ「名曲」と呼べる曲はまばらです。また、当時はドラムス・ピアノなどもプログラミングしたものを使っていたので全体的に機械的でめりはりがなく、プログラミング主体の'80年代サウンドが苦手な人には鼻につくアレンジかもしれません。事実、ドリカムのアルバムの中でもマイナーな存在です。まぁ、最初は誰だって試行錯誤しながら始めるのですから・・・。
しかし、このアルバムから唯一ベスト盤「The SOUL」に選定された『悲しいKiss』は初期の名バラードですし、シングルカットされなかった『STILL』はファンの間では高い人気を誇ります。また、このアルバムは曲調は明るくても歌詞が悲しい・せつないラヴソングといったものが多く(美和さんが意図的にそういう選曲をしたそうです)、歌詞を味わいながら悲しさ・せつなさに浸りたい時には非常に適しています。特に、『IT'S TOO LATE』〜『悲しいKiss』〜『STILL』の流れは感動的です。そして何よりも、若さに満ち溢れた美和さんのヴォーカルが生き生きしています。
私は、このアルバムを比較的遅くオリジナルアルバムでは8枚目に買いました。このアルバムを買ったときのちょっとしたエピソードがあります。CDケースには当時の税率での金額3,008円と書いてあります。私はそれが現在の値段と勘違いして店に行って「ぎりぎり買えるぞ!」と思いレジに持っていったら、それが自分の勘違いに気づき、慌てて財布を覗いたらぎりぎり足りなくて買えなかった・・・という思い出です(汗)。このアルバムでは『悲しいKiss』『STILL』『Don't You Say・・・』が好きですね。全体的に好きなアルバムで、個人的にはかなり上位に位置します。
皆さんも、元気いっぱいのリズムとせつなく悲しい歌詞に浸りながら、ドリカムの原点に触れてみてはいかがでしょうか。