a little waltz
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:ベース、プログラミング
西川隆宏:キーボード、マニュピレート、バッキング・ヴォーカル
ニール・テイラー:ギター
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット マーティン・ドローヴァー:トランペット
ニック・ペンテロウ:サックス ピーター・トムス:トロンボーン
スケイラ・カンガ:ハープ 濱田尚哉:ドラムス
他に、プログラミングされたシンセ音
ライヴ履歴 1994年「MAGIC JOURNEY」 1999年、DWL「夏の夢」で登場
2003年、DWL、『たんぽぽの堤防』『晴れたらいいね』『時間旅行』とのメドレーで登場
美和さん作曲によるタイトルどおり「小さなワルツ」。この当時のドリカムの曲としては珍しく演奏時間が3分台の短い曲です。1993年に発表された後、1996年の映画「7月7日、晴れ」で使用され同名のサントラに収録、2003年のバラード・ベスト「DREAMAGE」にも収録されました。また、2002年には新曲『IT'S ALL ABOUT LOVE』とともに爽健美茶のCMに使用され再注目されます。そのほか、2003年のゲームソフト「牧場物語 Oh!ワンダフルライフ」の主題歌にもなっています。2000年のベスト盤「The SOUL」には収録されていませんが、ファンに人気の高いナンバーです。
サウンドのほとんどが生楽器です。この頃からドリカムは生楽器を段階的に取り入れるようになります。加えてアコースティックな楽器を多く使い、ギターもアコースティックを使用しています。ハープは前作「The Swinging Star」のセッションから参加しているスケイラ・カンガが演奏しています。ドラムスは序盤とアウトロはティンパニとタンバリン、それ以外はスネアで演奏されています。後半のブラス・セクションを交えた盛り上がりが効果的です。唯一プログラミングのシンセストリングスが流れるような感じを出しています。
バッキング・ヴォーカルは、まささんが不参加で美和さんと西川さんという、この曲だけで見られる珍しい組み合わせになっています。この曲の頃からだんだん西川さんがバッキング・ヴォーカルに参加する比率が減ってくるので、この曲でのまささんを差し置いた活躍はなんだかうれしいです。美和さんのヴォーカルはいつもながらですが、後半の追っかけコーラスによるハーモニーがきれいです。歌詞は、四季折々の景色を歌いながら「あなた」と一緒に歩いて行こう、といったラヴ・バラードで、あたかも詩のようです。『FANTASIA #1』『誓い』などのラヴ・バラードにもつながる美しい詞作です。
ライヴでもよく取り上げられています。アルバムツアー「MAGIC JOURNEY」では、この曲のラストに本来はない"If everything is..."という歌詞が歌われましたが、これはアルバム「MAGIC」のブックレットの最初のページにも記載されています。さらに、それをもとに『WEATHER FORECAST』という曲が作られ、アルバム「DELICIOUS」の冒頭を飾りました。このことが、「MAGIC」と「DELICIOUS」の2つのアルバム間のリンクになっています。DWLでは2度登場、うち'99年「夏の夢」では美和さんがスネア、まささんが大太鼓、西川さんがアコーディオンという演奏で、スネアの周りにはカエルの置物もあったりとかわいらしいものでした。'03年のDWLではメドレーで演奏されましたが、私が静岡公演に行った時には美和さんはこの曲の歌詞を一部間違えてしまっていました(どんまい、美和さん!)。
タイトルの表記は、正式には明朝体のようなフォントにイタリックというもので、ベスト盤でもそうなっています。その表記の方が曲の雰囲気に合うんでしょうね。この曲は元よりファンの間で人気でしたが、CMソングになって、ちょうどいいタイミングで「DREAMAGE」に収録されて、これからますます人気が高くなることでしょう。
私はドリカムを知る以前この曲全体を通しでどこかで聴いたことがあったようで、そのためアルバム「MAGIC」を初めて聴いたときには驚きました。「ランニングシャツ」とか「稲穂」といった歌詞まで覚えていたくらいでした。ドリカムを知らない人も、私のようにタイトルは知らなくても曲は知っている・・・という状態かもしれませんね。