THIS IS IT! YOU'RE THE ONE! I KNEW IT!
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル
デイヴィッド・T・ウォーカー:エレクトリック・ギター T・ボーン・ウォーク:アコースティック・ギター
大谷幸:ピアノ ニア・Z:ドラムス
他に、プログラミングされたシンセ音、ブラス・セクション
ライヴ履歴 2004年「ウラワン」、『ONE YESTERDAY』とのメドレーで登場
ファンの間で大人気の永遠の名曲、『うれしい!たのしい!大好き!』の英語版。2004年の英語アルバム「LOVE OVERFLOWS」に収録されました。オリジナルはデビューしたばかりの1989年に発表されていますから、15年経っての英語版です。
このヴァージョンは、ブックレットに英語で「私たちの“マエストロ”、バリー・ホワイトにこの曲を捧げます」と書いてあるように、バリー・ホワイトに捧げられています。ホワイトは'70年代に活躍したヴォーカリストで、2003年に亡くなりました。彼の音楽にいろいろなことを教わったまささんはその訃報を知り衝撃を受けたと言います。そこでホワイトと親交のあったデイヴィッド・T・ウォーカーと一緒にこの曲の録音に当たった時、この曲を捧げることに決めました。ちょうど『うれしい!〜』もホワイトを意識したアレンジがされていたこともあり、「何かに仕組まれているような感じだった」と美和さん。そのアイデアを聞いたデイヴィッドじいさんは大変うれしがったそうです。
このような経緯もあり、この曲のアレンジはバリー・ホワイトを意識してあります。デイヴィッドじいさんの弾くギターフレーズはホワイトの代表曲『愛のテーマ』にそっくりなんだそうです。日本語版は元気いっぱいでしたが、こちらは落ち着いた感じに仕上がっていてテンポも落とされています。また間奏や、エンディング以外のバッキング・ヴォーカルをカットするなどアレンジも違っています。日本語版でボンゴ・ソロになっていた部分はドラムソロで再現。レコーディングは比較的少人数で行われています。
歌詞は日本語版とだいたい同じ内容です。それなのに、全編で韻を踏んでいてそれが少しも不自然でないのに驚きです。これもロン・セクスミスとジェフ・コプランの補作詩における貢献が大きいでしょう。韻を踏んでいる部分の音が気持ちいいです。また、「大好き」が似た語感の「I knew it」になっているのにも注目。
この曲はリリース前の2004年1月から、ホンダオデッセイのCMソングに起用されていました。ただでさえ「永遠の名曲」なのに、その英語版ということで当初からかなりの注目を浴びていました。同CMソング第1弾だった『LOVE LOVE LOVE -English Version-』も同じようにファンからの注目が大きく、問い合わせが殺到したほどでした。どんなに時が経とうと名曲は名曲、ということをよく証明しています。ライヴでは、2004年のファンクラブ会員限定ツアー「ウラワン」で演奏されています。最後には『うれしい!〜』の歌詞が突如現れ、お決まりの「大好き!」も当然ながらありました。
ファンの間で大人気の『うれしい!〜』の英語版だけあってベスト盤に収録されていてもおかしくないですが、残念ながら2009年の「THE SOUL 2」には未収録に終わってしまいました。しかし、その翌年に発売されたドリカムのリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」にアルバムのラストを飾る形でフル収録されています。やはり欠かすことのできない永遠の名曲ということで収録されたものと思いますが、「リミックス・アルバム」という趣旨からは少し外れてしまっている感があるのが残念です・・・(汗)。「LOVE OVERFLOWS」で聴くことができるのと全く同じ音源だし・・・。せめて少しはリミックスしてほしかった、と個人的には思います。
この英語版と同時期に、『うれしい!〜』の15周年記念ヴァージョンもリリースされていますが、こちらもゆったりとした感じで間奏をカットしているのがこの英語版と共通していて印象的です。この2つのヴァージョンの登場は、往年のファンの皆さんにとってはうれしい出来事ではなかったでしょうか?私もうれしかったですね。私が感動したのは歌詞です。それまでのドリカムの英語の曲は韻の踏んでいないものが多くてどこかぎこちない感があったのですが、内容を変えないでよくあれだけ韻を踏めたと感心してしまいました。美和さん成長した!と思わせる作詩でした。テンポも構成も違うのに、演奏時間が日本語版とほとんど同じ長さというのが興味深いです。この英語の歌詞を日本語版のテンポで歌うと大変になりそうです。