かくされた狂気
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:ベース、プログラミング、キーボード
西川隆宏:キーボード、サウンドデザイン
モーリス・マイケル:ギター
ラウル・ドリヴェイラ:トランペット ジョン・サーケル:トランペット
ニック・ペンテロウ:サックス ピーター・トムス:トロンボーン
マイク・ピラ:バッキング・ヴォーカル、語り
他に、プログラミングされたシンセ音、ドラムス、パーカッション、ホイッスル
ライヴ履歴 1990年、「WONDER 3」 2004年「ウラワン」、『BIG MOUTHの逆襲』とのメドレーで登場
アルバム「WONDER 3」収録曲中、最もまささんの洋楽的アプローチが色濃く表れたファンクナンバーで、あまりにも「作られた」感じがあるためか、ファンからでさえ人気がない上、全体的にインパクトに欠け、恐らくドリカム・ナンバーで一番存在感のない曲だと思われます。さしものドリカムファンでさえも、この曲を何ヶ月も忘れてしまっている人も多いことでしょう(汗)。それくらい存在感がないのです。シングル「さよならを待ってる」のカップリングだったことに驚いてしまうくらいです(シングルヴァージョンはアルバムに収録されているものと同じ)。
歌詞が暗くて恐ろしい感じがするのも、存在感をなくしている理由のひとつかもしれません。サウンドも、全体的に際立った変化がないので終わるまで長く感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、そんな曲にも魅力はあるのです(必死に擁護)。この曲の最大の特徴(!?)はプロデューサーのマイク・ピラの活躍ぶりです。美和さんとの掛け合いのバッキング・ヴォーカルはこの曲の印象を決定付けています。そしてイントロの語り。かっこいいです。彼は主にファンクナンバーで英語の語りを入れることがあります(例:『カ・タ・ガ・キ』『SAYONARA』)。また、この曲の頃から盛んにバッキング・ヴォーカルで参加するようになり、ドリカムの一時代の重要な要素のひとつとなっていったのです。さすがに打ち込みサウンドばかりですが、アウトロのギターがファンキーです。ちなみにタイトルは歌詞には登場しません。途中の歌詞がブックレットでは全部カタカナ表記になっているのが面白いです(『そんなの愛じゃない』でも見られる現象です)。
ライヴでもこの曲の存在の薄さは一目瞭然です、DWLで0回というのは当然と考えても、1990年のアルバムツアー以降1回も演奏されていませんでした。ようやく2003年、マイナーな曲ばかり演奏した「ウラワン」で再登場しますが、この時はアルバム「WONDER 3」代表としてドリ・マニアをうならせたのでした(笑)。この時、アウトロの掛け合いコーラスを半ばふざけた格好で美和さんとまささんが曲が終わっても歌い合っている様子が面白かったです。