たんぽぽの堤防
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演奏者 吉田美和：ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人：シンセベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル、パーカッション＆一部ドラムス・プログラミング（as キング）
西川隆宏：マニュピレート
デイヴィッド・Ｔ・ウォーカー：ギター ポール・ダン：ギター、ギターソロ
ラウル・ドリヴェイラ：トランペット マーティン・ドローヴァー：トランペット
ニック・ペンテロウ：サックス ピーター・トムス：トロンボーン
ジェス・ベイリー：ピアノ ジェフ・ダン：ドラムス
他に、プログラミングされたシンセ音
ライヴ履歴 1998年「SING OR DIE」「ドリカムの夕べ」 2003年、ＤＷＬ、『晴れたらいいね』『a little waltz』『時間旅行』とのメドレーで登場
アルバム「SING OR DIE」収録曲の中では、珍しく従来のドリカムのスタイルの曲。バンド・サウンドでタイトな演奏が印象的です。ブラス・セクションが明るい雰囲気を作り出しメインとなっていますが、他の楽器も印象的です。ギターはポール・ダンとデイヴィッド・Ｔ・ウォーカーの2人。前者は間奏のギターソロなどハードな演奏、後者は節で聴くことのできるやさしい演奏を担当しています。『愛するこころ』に似た対比です。ドラムスはこの曲のタイトさを作り出すのに大きく貢献しています。ピアノも入っており、後半音が減った部分でよく聴こえます。勢いあるイントロから圧倒されますが、エンディングはスパッと終わり次の曲がすぐ始まります。まさに息つく所を知らない構成です。
バッキング・ヴォーカルにはまささんが参加しています。「SING OR DIE」の後、しばらくドリカムの曲から男性ヴォーカルが姿を消すため、この曲でのまささんの存在はかえって新鮮な印象を受けます。また西川さん抜きなので、「DIAMOND 15」の収録曲に似た雰囲気になっています。歌詞は美和さんと弟2人の子供の頃の思い出を歌ったもので、「たんぽぽの堤防」は故郷・北海道の利別川の堤防のこと。「ジジかババかワカモノか」という部分は北海道に伝わるたんぽぽを使った遊びだそうです。子供の頃を思い出してか、美和さんの歌声も終始楽しそうです。
ライヴでは2003年、DWLで演奏されました。この年のDWLは地方の自然豊かな広々とした公園を会場に、大人も子供も一緒に楽しめるライヴを目指したものでしたが、自然に囲まれた子供の頃を歌ったこの歌は、まさにその趣旨に合ったものでした。DVDでは会場の公園で遊ぶ子供たちの映像を演奏に重ねていて印象的です。
「SING OR DIE」収録曲の大半が2004年の企画盤「DREAMANIA」に収録されたのに対し、この曲はベスト盤に収録されていません。そのため知られない曲なのですが、「隠れた名曲」と言える曲だと思います。技巧的で一筋縄ではいかないアレンジの曲が多い「SING OR DIE」の中では、シンプルで親しみが持てるかと思います。なお、英語版が「SING OR DIE -WORLDWIDE VERSION-」に収録されています。
この曲、私は大好きな方です。特にタイトなドラムビートと楽しげなバッキング・ヴォーカルが好きですね。どこか『高く上がれ！』に似た感じがします。この曲以外でもそうですが、ドリカムの曲を通じて北海道の自然や遊びなどを知ることができ、美和さんの故郷への想いが伝わってきます。北海道にまた行く機会があったら、堤防もチェックしてみたいと思います（2007年にDWLのため北海道旅行した際には足を運べませんでしたので・・・）。