DREAMS COME TRUE/そうだよ

 1.そうだよ
 2.誘惑
 
発売年月日:1996年11月25日
EPIC/SONY RECORDS  ESCB 1750
全体収録時間:9'27"
CD形状:マキシシングル
エクストラ・トラックとしてミュージック・ヴィデオを2種類収録
チャート最高位:4位
 
プロデューサー:マイク・ピラ、DREAMS COME TRUE
レコーディング:マイク・ピラ、後藤昌司  ミキシング:マイク・ピラ
「そうだよ」

 演奏者  吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル

        中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル

        西川隆宏:マニュピレート、バッキング・ヴォーカル(2)

        高田二郎:アコースティック・ギター   ポール・ダン:エレクトリック・ギター(2)

        ラウル・ドリヴェイラ:トランペット(2)   マーティン・ドローヴァー:トランペット(2)

        ニック・ペンテロウ:サックス(2)   ピーター・トムス:トロンボーン(2)

        大谷幸:キーボード   岸田容男:ドラムス(1)   マイク・ピラ:バッキング・ヴォーカル(2)

 作曲者度 中村1曲、吉田1曲


 ドリカム20枚目のシングルにしてエピックでの最後のシングル。さらに、マイク・ピラ最後のプロデュース作品でもあります。このシングルの翌年、ドリカムはヴァージン・レコードに移籍してしまうからです。収録曲2曲はヴァージンでのファースト・アルバム「SING OR DIE」に収録されています。ただし、アルバムでのミキシングがローランド・ヘリントンなのに対し、シングルではマイク・ピラがミキシング。このため2曲ともシングルとアルバムではアレンジが違います。

 ドリカムがヴァージンへ移籍した理由は、「米国進出」でした。そのため、この時期からドリカムサウンドは大きく変貌を遂げ、よりアメリカ人好みの洋楽風サウンドになっていきます。その傾向が、既にこのシングルでも見え隠れしています。明らかに初期のドリカムサウンドとは違っています。そしてそれは同じところに立ち止まらないドリカムらしい挑戦だったのです。しかし、それに抵抗感を示すファンが多かったことも事実で、このシングルは4位と伸び悩みました(まささんが「『そうだよ』は賛否両論だった」と後にコメントするほど)これ以降、ドリカムはチャートで苦戦を強いられます(アルバムはそれでも相次いで1位を獲得)。

 『そうだよ』は、それまでの元気はつらつのポップとは正反対の、物悲しさ漂うバラード。メロディも格段に複雑になり、新たなことに挑戦する姿勢が見えてきます。ファンの間でもあまり人気のない曲ですが、声量抜群のソウルフルな美和さんは健在。シングルヴァージョンはアルバムのものよりもアコースティック感があります。カップリングの『誘惑』は、以降しばしば登場するクールで「大人」の感じが漂う妖しいナンバー。詞作面でも「乙女心」を歌った頃から進化していることに気づかされます。こちらもシングルとアルバムでは違うミックスが収録されています。

 このシングルはマキシシングルですが、PCに入れるとミュージック・ヴィデオを鑑賞できるつくりになっています。ミュージック・ヴィデオは『モンキーガール 豪華客船の旅』と『SWEET REVENGE』の2種類。なぜかアルバム「LOVE UNLIMITED∞」収録曲(しかもかなりマイナー)が選ばれています。いずれもこのシングルでしか見ることのできない映像です。また、シングルの2曲も画像つきで聴くことができます。

 現在、このシングルは入手困難。しかし、中古店などではわりと手に入れやすいです。2曲ともシングルヴァージョンはここでしか聴くことができないので注目。ミュージック・ヴィデオつきですしね。このシングルはドリカムの転換点となったわけですが、昔からのファンにとっては(少なくとも当時は)ショックだったんでしょうね・・・。私はいつも進化するドリカムを応援したいのですが、このシングル以降多くの人がファンをやめてしまったことを考えると悲しいです・・・。それにしても、レコード会社が違うためにシングルとアルバムではがらりと雰囲気が変わるのは不思議です。

前シングルへ

次シングルへ

ディスコグラフィへ