未来予想図〜VERSION '07〜

演奏時間:5'27"
収録アルバム:シングル「ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜わたしたちの未来予想図〜」カップリング(2曲目)
作曲・作詩:吉田美和  編曲:中村正人
プロデューサー:DREAMS COME TRUE  レコーディング:後藤昌司、岡村弦  ミキシング:エド・テュートン
演奏者  吉田美和:ヴォーカル  中村正人:ベース、バッキング・ヴォーカル
              武藤良明:エレクトリック・ギター  佐藤博:ピアノ、ローズ・ピアノ  松本幸弘:ドラムス  
              篠崎正嗣グループ:ストリングス  エリック・ミヤシロ:トランペット   木幡光邦:トランペット
              竹野昌邦:サックス  近藤和彦:サックス  山城純子:トロンボーン  片岡雄三:トロンボーン
              フレッド・シモンズ:トロンボーン  ミナミ・ヒロシ:ホルン  丸山勉:ホルン
              ナカジマ・ヒロユキ:ホルン  旭孝:フルート  石橋雅一:オーボエ
ライヴ履歴 なし
参照:『未来予想図』

 2007年10月に公開された映画「未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」のために録音された、『未来予想図』のリメイク・ヴァージョン。映画の主題歌として先行発売されたシングル「ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜わたしたちの未来予想図〜」のカップリングに収録されました。オリジナル・アルバムへの収録はなし。

 映画「未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」は、文字通りドリカムの『未来予想図』シリーズを題材にしたストーリー。ドリカムは、映画用にシリーズ続編にあたる『ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜わたしたちの未来予想図〜』を提供しましたが、その中で既発表の『未来予想図』『未来予想図II』をリメイクすることとなりました。まささんは、リメイクという行為に抵抗感を示していたようですが、「元祖」であるオリジナル(1991年録音)は越えられないけど、「本家」としてなら別ヴァージョンを作ってもいい、という気持ちになったそうです。オリジナルを改めて聴いた時にも、その凄みに改めて圧倒され、そのプレッシャーの中で作られました。しかし、その不安も杞憂に終わり、美和さんの録り直した歌にまささんは大いに説得されたそうです。

 リメイクですが、構成や演奏アレンジは基本的にはオリジナルと同じ。これは、「ファンの思い入れや期待を裏切らないため」とのこと。ただし、オリジナルはドラムスなどプログラミングが目立ったサウンドを、ここではすべて生楽器で生演奏しています。そのため、アコースティック感はこちらの方が大きいです。ストリングスやブラス・セクションも豪華メンバーで生演奏されています。ピアノやブラス・セクションが目立つため、どこかジャジーな演奏になっているのも面白いです。後半の繰り返し前の展開がリアレンジされていて印象的。シンセ類もオリジナルよりは少なめ。ストリングスとブラス・セクションのアレンジは、ドリカムのセッションやライヴでおなじみの大谷幸さん。また、美和さんのヴォーカルも、まささんの指示で「オリジナルどおりに」歌われています。ライヴでエモーショナルなアドリブを入れる美和さんにはちょっと抵抗があったようですが(苦笑)、これもファンを裏切らないため。オリジナルの録音から16年も経っているので、美和さんの円熟味を帯びた歌い方に時代の流れと美和さんの成長ぶりを感じます。若々しいオリジナルに遜色しない熱唱です。ちょっとオリジナルにはないアドリブを入れているのも、余裕を感じさせます。

 リメイクというと、何かとオリジナルの雰囲気を壊してしまうのでは、という不安が付きまといますが、今回の『未来予想図』シリーズに関しては、オリジナルのニュアンスを残しつつ、生演奏で好感の持てるアレンジになっていて、いいと思います。オリジナルももちろん最高ですが、こっちも現在の等身大のドリカムらしくて。エンディングのバッキング・ヴォーカルが残っていたのが個人的に満足です。しかも美和さんのアドリブも絡めるなんてぜいたくです!

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