IT'S ALL ABOUT LOVE
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル
中村正人:ベース、プログラミング
マーク・ハドソン:エレクトリック・ギター、バッキング・ヴォーカル ブライアン・スパーバー:エレクトリック・ギター
デモン・リー:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、バッキング・ヴォーカル、キーボード&ドラムス・プログラミング
他に、プログラミングされたシンセ音、ピアノ、ドラムス
ライヴ履歴 2002年「monkey girl odyssey arena-mix」、アンコールで登場 2002年「monkey girl odyssey winter fantasia」
2001年に起きたNYでの同時多発テロを受けて制作された英語の曲。初めて公に出たのは2002年7月より放送されていた爽健美茶のCMで、『a little waltz』に次いでこの曲が使用されました。また、同時期のドリカムのライヴでもアンコールで演奏されていました。突然の「新曲」の登場にファンからは問い合わせが殺到、急遽シングルリリースされました。ちなみに、この曲はドリカムが2人になってから初めての新曲となりました。その後2004年の英語アルバム「LOVE OVERFLOWS」にも収録されています(ヴァージョンはシングルと同じ)。
共同プロデューサーはマーク・ハドソン。彼はドリカムと同じく自分の信念を曲げない人で、レコーディング中はドリカムと意見の相違が絶えなかったそうです。「LOVE OVERFLOWS」の初回限定盤に付属しているインタビューDVDでは、この時の興味深いエピソードが紹介されています。美和さんやまささんが気分を害したこともたびたびあったそうです。しかし、譲歩してマークの意見を取り入れることでしっかりとしたプロデュースがされたことも事実で、切磋琢磨されながら質の高いアレンジが完成しました。曲はアコースティックとエレクトリックが混ざり合ったようなアレンジです。サウンドの要となるギターはマーク・ハドソンやブライアン・スパーバー(エンジニア)も演奏しています。プログラミングによるピアノも印象的です。
注目すべき点は歌詞でしょう。1997年の『愛するこころ』でもそうでしたが、同時多発テロを受けたこともあってか、ここでは「恋愛」ではなく「普遍的な愛」が歌われています。「すべては他でもなく、やっぱり愛なんだ」という意味のタイトルから分かるように、「愛」の大切さを歌っています。この歌詞は英語が分からない人でもちゃんと味わっていただきたいです。シングルでは英語詞の他に、美和さん本人が訳した日本語訳が書いてありますが、こちらで味わってもぐっときます。ドリカムがデビューの頃から続けてきた「愛」を歌で伝えてゆくことの極みといえるでしょう。なお、作詩した美和さんは「ドリはやっぱり、社会的なメッセージを唄おうとしているバンドじゃないし」と語っていて、あくまでも普通のラヴソング重視であるドリカムの姿勢が伝わってきます。そんな歌詞を歌う美和さんのヴォーカルは力強く訴えかけるかのようです。またハーモニーが印象的ですが、これはマーク・ハドソンが多重録音したものだとか。ドリカム側は不満だったようです(苦笑)。
この曲にはミュージック・クリップがありますが、未ソフト化です。以前は公式サイト「DCT garden.com」の「DCT-TV」で見ることができましたが・・・。そのため、私は内容を未確認です。
ライヴではCMでオンエアされた頃に始まったツアーで演奏され、ファンの間で話題となりました。また、日本訳詞ができた後はステージ上でまささんが朗読したそうです。しかし、シングル曲にもかかわらずなぜかDWLでは演奏されたことがありません。
シングルには、この曲のアコースティック・ヴァージョンも収録されています。こちらはドラムスとエレキ・ギターがない分、シンプルで味わい深く仕上がっています。また、2010年のリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」には、第1節のみのショート・ヴァージョンが収録されています(ちなみに、このアルバムに採用された22曲中最古参の曲)。内容はオリジナルとほぼ同じですが、イントロが前曲の『サヨナラメーター/タメイキカウンター』のリズムに乗っかっていて面白いことになっています(笑)。恐らく、「DREAM CATCHER」で一番ニヤリとするパートかもしれません。
私はこの曲は最初はCMで聴きましたが、あまりよく聞き取れなかったせいで最初は『Don't You Say・・・』(の冒頭の部分)かと思っていました・・・(苦笑)。この曲が初めてリアルタイムで買ったシングルでしたが、西川さんの独立にショックを受けていた当時の私にとって美和さんとまささんしかいないこの曲は寂しく感じられました(汗)。きっかけは同時多発テロですが、それを抜きにしても十分意味を成す曲・詞作です(“I saw it falling down”の箇所はテロが意識されているとは思いますけど・・・)。「恋から愛まで」ラヴソングだけを歌い続けたドリカムらしい愛が込められています。「LOVE OVERFLOWS」に収録されたのは不意打ちでした。だってリリースから3年も空いていましたから。