今日だけは

演奏時間:4'55"(ALBUM VERSION)
               4'30"(SINGLE VERSION)
収録アルバム:「AND I LOVE YOU」9曲目(ALBUM VERSION)
                     シングル「もしも雪なら/今日だけは」(SINGLE VERSION)
ミュージック・ヴィデオ:「AND I LOVE YOU」初回限定盤付属DVDに収録
作曲:中村正人・吉田美和  作詩:吉田美和  編曲:中村正人
プロデューサー:DREAMS COME TRUE
レコーディング:後藤昌司  ミキシング:エド・テュートン
有名度 ★★★☆☆
人気度 ★★★☆☆
管理人お気に入り度 ★★★★★
このサイトでの略称・・・AI−9

 演奏者  吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル

        中村正人:ベース、プログラミング

        武藤良明:エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター

        大谷幸:ピアノ、エレクトリック・ピアノ

        松本幸弘:ハイハット&シンバル

        他に、プログラミングされたシンセ音、シンセブラス、シンセギター、ドラムス、パーカッション

 ライヴ履歴 2006年「THE LOVE ROCKS」、アンコールで登場(ホール公演のみ)


 「THE LOVE ROCKS」ツアー(2006年)の前半戦・アリーナ公演中に書いた曲。2006年11月に『もしも雪なら』との両A面シングルで発売されました。ただし、当初はこの曲がメインサイドとなる予定でした。『はじまりのla』『JET!!!』に続き、ロッテのガーナチョコレートのCMソングに起用されました。その後、翌年のアルバム「AND I LOVE YOU」に収録されますが、シングルではエンディングがフェイドアウトするのに対し、アルバムではフェイドアウトせずしっかり終わっています。

 曲は、ピアノのグリッサンドで始まります。演奏はドリカムでおなじみの大谷幸さん。そのグリッサンドに導かれるように、軽快なリズムにのせて流れるような心地よい演奏が印象的です。プログラミングのドラムスを使っている辺りはダンサブルにも聴こえますが、全体的にはシンプルな音作りです。リズムや演奏は、どこかかつての『サンキュ.』に似た感じでもあります。シンセストリングスの透明感が、「DELICIOUS」の頃を思わせるからかもしれません。

 美和さんのヴォーカルも、終始落ち着いた雰囲気で歌われており、曲の心地よさにぴったりです。バッキング・ヴォーカルはすべて美和さんによるもので、中でもサビでのハーモニー・ヴォーカルが耳に残ります。サビの最後で聴かれる高音のコーラスがちょっと感動的です。コーラスのアレンジも、考えてみると『サンキュ.』に似ているかもしれません・・・。

 歌詞は、ラヴソングが中心のドリカムにしては珍しく、姉妹の関係について歌ったもの。これはまささんの要望があったとか。姉が(恐らく)結婚することになり別れ別れになってしまう時の寂しい気持ちを、妹の視点で歌ったものです。子供の頃いたずらをしたことなどをお互い白状しながら昔を思い出しつつ、別れ際に和やかな雰囲気になっている様子が描かれます。結婚といううれしい出来事なのに、寂しさから思わず泣いてしまう妹の姿に心を打たれます。最後に歌われる「そしてここへ帰らないんだもう一緒には」に、明日からは離れ離れになってしまうことが上手に表現されています。そんな歌詞から、この曲は姉妹・兄弟・友達などすべての「永遠のなかよし」に贈る曲だ、とドリカムは言います。

 この曲にはミュージック・ヴィデオがあり、現在は「AND I LOVE YOU」の初回限定盤付属DVDで見ることができます。ヴィデオの内容は歌詞に基づいたストーリーになっており、歌詞の通り結婚して離れてゆく姉と、それを見送る妹が結婚式当日に昔の思い出を振り返るという、感動的なもの。長澤まさみさんと浅見れいなさんがこの姉妹を演じています(ちなみにロッテのCMにも登場した)。母親役には市毛良枝さん。そして、このストーリーと並行する形で様々な「なかよし」たちの映像が挟まれますが、これはドリカムのミュージック・ヴィデオとしては初めて一般から募集したエキストラ。姉妹・兄弟・友達などたくさんの「なかよし」たちが応募し、結果的に13組が出演するに至りました。「なかよし」たちの写真を美和さんとまささん(この2人は名字をもじって「なか」「よし」のシャツを着ている)が並べてゆくのですが、並び終えた後の様子は壮観です。一般参加のエキストラの登場もあり、話題を呼んだ作品となりました。ちなみに、使用されている音源はアルバム・ヴァージョン。

 ライヴでは、公式発表前のこの曲が「THE LOVE ROCKS」ツアーの後半戦・ホール公演(7月〜9月)で早速演奏されていました。アンコールでの登場で、誰もが予想していなかった新曲のお披露目に会場は熱気に包まれました(ちなみに、私はアリーナ公演での参戦のため見ることができず・・・)。しかし、公式発表後はなぜか演奏されず、2007年のDWLでも取り上げられていません。

 この曲は、個人的には「AND I LOVE YOU」でも一番好きな曲です。アップテンポでもなくバラードでもなく、ほどよいテンポが心地よく「ドリカムらしいなぁ」と思えるからです。あと、歌詞はラヴソングではないもののじーんときてしまいます。特に後半になるにつれて・・・。ミュージック・ヴィデオも歌詞の世界を見事に再現していてこれまたじーんときますね。私はエキストラに応募しようとは一度も思ったことはありませんでしたが(苦笑)。『もしも雪なら』同様(いや、それ以上に)ライヴで取り上げられなく、あまりフィーチャーされていないのが残念ですね・・・。で、この曲が『サンキュ.』に似ていると思った方、他にどのくらいいるのだろうか・・・?

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