ポール・マッカートニー シングル一覧

PART 2(1980〜1986)

 (赤字はアルバム未収録曲、青字はアルバム未収録ヴァージョン)

[アルバム未収録曲については「ポール・マッカートニー アルバム未収録曲・ヴァージョン一覧」もご参照ください。]

 

Paul McCartney

Coming Up/Coming Up(Live at Glasgow)Lunch Box/Odd Sox

Parlophone R6035(7") 1980年4月11日発売(英国)  英国2位・米国1位

ポール・マッカートニー'80年代最初のシングル。久々のソロ・アルバムとして話題を集めた『McCartneyII』からの先行シングルで、A面は『McCartneyII』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です。B面2曲はいずれもウイングスによる演奏であり、裏ジャケットにも「Paul McCartney & Wings」と表記されています。A面の「Coming Up」がポール単独録音のスタジオ・ヴァージョンなのに対し、B面に収録された「Coming Up」は1979年冬のウイングス全英ツアーでのライヴ音源です(現在は『All The Best!』『Wingspan』の米国版と、2011年にヒア・ミュージックより再発売された『McCartneyII』にのみ収録、ただしどちらも演奏後のMCがカットされている。このシングルの音源は厳密には未CD化)。「Lunch Box/Odd Sox」は1975年『Venus And Mars』セッションのアウトテイクで、現在は『Venus And Mars』のボーナス・トラック[1993年・2014年]に収録されています。このシングルは世界中で大ヒットを記録してポールの健在ぶりを示しましたが、米国ではレコード会社の「リスナーは生のポールを聴きたいんだ」という(勝手な)見解により、本来B面のライヴ・ヴァージョンをA面扱いに。これにはポールも猛反対したそうですが、皮肉にも全米1位を獲得し、ポールのソロ・ヴァージョンをA面にした英国よりも好成績を収めています。

Paul McCartney

Waterfalls/Check My Machine

Parlophone R6037(7") 1980年6月13日発売(英国)  英国9位・米国106位

『McCartneyII』からのシングルカット。A面は『McCartneyII』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です(現在は『McCartneyII』のボーナス・トラック[1993年・2011年]に収録)。「Waterfalls」の歌詞をイメージしたジャケットが美しい仕上がりです。英国では最高9位と余裕のTOP 10入りを果たしたのに対し、米国では何と106位という見るも無残な結果に終わっています・・・(汗)。ポール節たっぷりのバラードゆえに非常に謎が残ります。蛇足ですが、ポールのシングルでこれほどにもA面とB面の作風に落差が生じている例は他にないと思います!まるでビートルズのラスト・シングル「Let It Be」(B面が「You Know My Name(Look Up The Number)」)のような取り合わせです・・・。

Paul McCartney

Temporary Secretary/Secret Friend

Parlophone 12R6039(12") 1980年9月15日発売(英国)  英国-位・米国未発売

『McCartneyII』からのシングルカット第2弾。これもA面は『McCartneyII』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です(現在は『McCartneyII』のボーナス・トラック[1993年・2011年]に収録)。ポールにとって2度目の12インチシングルですが(7インチは未発売)、実は英国のみでの発売で、しかも25,000枚限定という超レアなシングルなのです!現在入手するのは極めて困難なコレクター・アイテムと言えるでしょう。そのおかげで、B面の「Secret Friend」は『McCartneyII』のボーナス・トラックになるまでは、ほとんどのポール・ファンにとって幻の1曲でした。それにしても、ジャケットのイラストは「Temporary Secretary」の世界観をよく表していて滑稽ですよね(笑)。

Paul McCartney & Stevie Wonder

Ebony And Ivory/Rainclouds

Parlophone R6054(7") 1982年3月29日発売(英国)  英国1位米国1位

言わずと知れた大ヒット・シングル。『Tug Of War』からの先行シングルで、A面は『Tug Of War』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です(現在は『Tug Of War』のボーナス・トラック[2015年]に収録)。A面の「Ebony And Ivory」はスティービー・ワンダーとのデュエットで、裏ジャケットには「additional vocals by Stevie Wonder」とクレジットされています。B面の「Rainclouds」はポールとデニー・レイン最後の共作で、こちらにはスティービーは不参加です。一大スター同士の夢の共演が大きな話題を呼び、シングルは全英・全米1位を獲得。ビートルズ解散後ポールが初めてシングルで英米双方のチャートの頂点に立った瞬間となりました。1982年ビルボード年間チャートでも4位を記録しています。日本でも、オリコンの洋楽チャートで1位になるなど、世界中で大ヒットしました。


Paul McCartney & Stevie Wonder

Ebony And Ivory/RaincloudsEbony And Ivory(Solo Version)

Parlophone 12R6054(12") 1982年3月29日発売(英国)  英国1位米国1位

7インチと同じ日には、12インチも発売されています。こちらは、B面に「Rainclouds」に加えて「Ebony And Ivory」のソロ・ヴァージョンが収録されています。全編でポールがヴォーカルを取るヴァージョンです(現在は2015年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『Tug Of War』に収録)。ジャケットは7インチと微妙に異なるデザインで、タイトル・ロゴが小さめに配置されています。

Paul McCartney

Take It Away(Single Edit)I'll Give You A Ring

Parlophone R6056(7") 1982年6月21日発売(英国)  英国15位・米国10位

『Tug Of War』からのシングルカット。A面は『Tug Of War』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です(現在は『Tug Of War』のボーナス・トラック[2015年]に収録)。A面の「Take It Away」はイントロが前曲とクロスフェードしないシングル・ヴァージョンです(現在はベスト盤『Wingspan』に収録)。B面の「I'll Give You A Ring」は『Tug Of War』セッションで取り上げられた曲ですが、元々はポールが10代の時に書いていたもの。「Take It Away」に元ビートルズのリンゴ・スターがゲスト参加した話題性も手伝い、米国ではTOP 10入りしました。


Paul McCartney

Take It Away(Single Edit)

I'll Give You A RingDress Me Up As A Robber(Not Crossfaded)

Parlophone 12R6056(12") 1982年7月5日発売(英国)  英国15位・米国10位

7インチに続いて、12インチも発売されています。ジャケットは7インチと同じ。12インチには、B面に「I'll Give You A Ring」に加えて『Tug Of War』収録曲の「Dress Me Up As A Robber」が収録されています。「Dress Me Up As A Robber」はイントロに前曲の残響音がかぶらない微妙なヴァージョン違い。たったそれだけの違いですが(苦笑)、未CD化音源です。日本では、この12インチのみが発売されました。

Paul McCartney

Tug Of War(Single Version)Get It(Not Crossfaded)

Parlophone R6057(7") 1982年9月20日発売(英国)  英国53位・米国53位

『Tug Of War』からのシングルカット第2弾。A面・B面共に『Tug Of War』収録曲ですが、2曲ともアルバムとは微妙にヴァージョンが異なります。「Tug Of War」は冒頭の綱引きのSEがカットされ、エンディングが次曲と切り離されてクロスフェードしません(現在はベスト盤『Wingspan』に収録)。カール・パーキンスとの共演「Get It」も、エンディングが次曲とクロスフェードしません(こちらは未CD化)。名曲にもかかわらず、残念ながらセールス的には不調でした。英国・米国共に最高53位というのはある意味すごい偶然ですが(苦笑)。

Paul McCartney & Michael Jackson

Say Say Say/Ode To A Koala Bear

Parlophone R6062(7") 1983年10月3日発売(英国)  英国2位・米国1位

『Thriller』の大ヒットで時の人だったマイケル・ジャクソンとの共作・共演シングル。前年にマイケル側で発売された共演シングル「The Girl Is Mine」(英国2位・米国8位)に続いて多いに注目を集め、予想通り世界中のチャートを席巻する大ヒットになりました。英国では惜しくも2位止まりでしたが、米国では6週連続1位の偉業を達成!1984年ビルボード年間チャートでも3位を記録しています。その夢の共演が実現したA面「Say Say Say」は『Pipes Of Peace』収録曲で、B面の「Ode To A Koala Bear」はマイケルが参加していないアルバム未収録曲です(現在は『Pipes Of Peace』のボーナス・トラック[2015年]に収録)。オーストラリア盤のみ、別ミックスの「Ode To A Koala Bear」が収録されているという逸話もあります。そして、ポールとマイケルが仲良くお手手つないでいるジャケットは・・・(苦笑)。


Paul McCartney & Michael Jackson

Say Say Say(remix)Say Say Say(Instrumental)Ode To A Koala Bear

Parlophone 12R6062(12") 1983年10月3日発売(英国)  英国2位・米国1位

7インチと同じ日には、12インチも発売されています。この頃からポールの12インチ乱発が始まります・・・。ジャケットは7インチと同じ。12インチは、A面をJohn "Jellybean" Benitezのリミックスによるロング・ヴァージョンに差し替え、B面に「Ode To A Koala Bear」に加えて「Say Say Say」のインスト・ヴァージョンを収録しています。いかにも'80年代ダンス・ミュージックといった世界が繰り広げられる2種類の「Say Say Say」は未CD化です。

Pipes Of Peace


So Bad

Paul McCartney

Pipes Of Peace(Single Version)/So Bad

Parlophone R6064(7") 1983年12月5日発売(英国)  英国1位・米国未発売

『Pipes Of Peace』からのシングルカット。A面・B面共に『Pipes Of Peace』収録曲ですが、「Pipes Of Peace」は冒頭のSEがカットされたシングル・ヴァージョンです(『All The Best!』などのベスト盤にも収録)。愛と平和の大切さを歌い上げた完成度の高い詞作と、戦場でのイギリス兵とドイツ兵との心温まるストーリーを描いたプロモ・ヴィデオが多くの感動を呼び、全英2週連続1位を達成しました。ポールにとってはビートルズ解散後3度目の全英No.1となりましたが、残念ながら現時点ではこれがソロ・アーティストとして最後のNo.1ヒットとなっています・・・。米国・日本では「So Bad」をA面にした後述の形態で発売されたため、「Pipes Of Peace」がヒット・チャートを賑わせることはありませんでした。


Paul McCartney

So Bad/Pipes Of Peace(Single Version)

Columbia 39149(7") 1983年12月5日発売(米国)  英国未発売・米国23位

「Pipes Of Peace」が英国で大ヒットしている中、米国や日本ではなぜかA・B面を逆にしてシングル発売されました。ジャケットは「Pipes Of Peace」と同じ写真・デザインを使用。「So Bad」も、リンゴ・スターやエリック・スチュワートが参加した美しいバラードなのですが、結果は23位止まりと伸び悩みました。

R6080(7")


12R6080(12")

Paul McCartney

No More Lonely Nights(Ballad Single Version)

No More Lonely Nights(Playout Version Single Version)

Parlophone R6080(7") 1984年9月24日発売(英国)  英国2位・米国6位

ポールが自ら主演・脚本・音楽を手がけた映画「ヤァ!ブロード・ストリート」のサントラ『Give My Regards To Broad Street』からの先行シングル。A面は主題歌「No More Lonely Nights」の「バラード編」、B面はエンドロールで使用された同曲の「プレイアウト編」です。A面・B面共にサントラ収録曲ですが、2曲ともアルバムとは微妙にヴァージョンが異なります。「バラード編」はイントロがカットされています(『All The Best!』などのベスト盤にも収録)。「プレイアウト編」は、冒頭のスローなパートがカットされ、中盤が1節分短くなっています(ベスト盤『Wingspan』に同様の編集を施したものが収録されているが、出だしのキーボード1音が入っていないため、このシングルの音源は厳密には未CD化)。映画は散々な結果に終わりましたが(汗)サントラは比較的好意的に受け止められ、このシングルも全英2位・全米6位を記録するヒットに。そしてこれが、現時点では英国・米国双方でTOP 10入りを果たした最後のシングルです・・・。


Paul McCartney

No More Lonely Nights(Extended Version)/Silly Love Songs/

No More Lonely Nights(Ballad Single Version)

Parlophone 12R6080(12") 1984年9月24日発売(英国)  英国2位・米国6位

12インチの発売がすっかり習慣化したポールですが、「No More Lonely Nights」は様々な形態の乱発状態を招いた最初のシングルとなりました(苦笑)。7インチと同じ日に発売された12インチは、A面をジョージ・マーティンのリミックスによる「プレイアウト編」のロング・ヴァージョン(Extended Version)に差し替え、B面に「バラード編」を持ってきた上で、さらにサントラ収録曲の「Silly Love Songs」(ウイングス・ナンバーの再演ヴァージョン)を収録しています。'80年代の香りたっぷりの「Extended Version」は、現在は『Give My Regards To Broad Street』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています。この12インチは10月8日にピクチャー・ディスクも出ています(12RP6080)。


Paul McCartney

No More Lonely Nights(Ballad Single Version)

No More Lonely Nights(Special Dance Mix)

Parlophone R6080(7") 1984年10月29日発売(英国)  英国2位・米国6位

ここで厄介なことが起きます。アーサー・ベイカーが手がけた「プレイアウト編」のリミックスを気に入ったポールは、急遽このヴァージョンの公式発表を決定。“最初の”発売から1ヶ月後に、「プレイアウト編」をアーサー・ベイカーのリミックスに差し替えた7インチ・12インチをそれぞれ再発売したのです。熱心なファンは同じタイトルを2度買わされる羽目に・・・(苦笑)。“2度目の”7インチは、A面の「バラード編」はそのままに、B面をアーサー・ベイカー版「プレイアウト編」(「Special Dance Mix」)に差し替えています。後述する12インチ・ヴァージョンとは違い、所々が編集でカットされたショート・ヴァージョンです(現在は『Give My Regards To Broad Street』のボーナス・トラック[1993年]に収録)。


Paul McCartney

No More Lonely Nights(Extended Playout Version)/Silly Love Songs/

No More Lonely Nights(Ballad Single Version)

Parlophone 12RA6080(12") 1984年10月29日発売(英国)  英国2位・米国6位

一方、“2度目の”12インチは、B面の「Silly Love Songs」と「バラード編」はそのままに、A面をアーサー・ベイカー版「プレイアウト編」に差し替えています。こちらは7インチとは違い、7分近くに渡る完全版で収録(裏ジャケットには「Extended Playout Version」と表記されている)。「Extended Playout Version」は現在も未CD化のままです・・・。

Paul McCartney & The Frog Chorus

We All Stand TogetherWe All Stand Together(humming version)

Parlophone R6086(7") 1984年11月12日発売(英国)  英国3位・米国未発売

ポールが版権を持つアニメ映画「ルパートとカエルの歌」の主題歌として発売されたシングル。発売されたのは英国のみで、子供向けの童謡ソングというのに、なんと3位まで上昇するという快挙を成し遂げています・・・!英国ならではの国民性が表れた結果とも言えそうですね(苦笑)。A面・B面共にアルバム未収録曲で、「ポール・マッカートニー&フロッグ・コーラス」名義のA面は『All The Best!』英国版や『Pipes Of Peace』のボーナス・トラック[1993年]に収録されたものの、B面に収録された「Paul McCartney & The Finchley Frogettes」名義のインスト「humming version」は未CD化のままです。なお今回も、前作に続きピクチャー・ディスクが出ています(12月3日・RP6086)。

R6118(7")


12R6118(12")

Paul McCartney

Spies Like UsMy Carnival

Parlophone R6118(7") 1985年11月18日発売(英国)  英国13位・米国7位

1985年唯一のシングル。ジョン・ランディス監督の同名映画の主題歌として発売されました。ジャケットには主演のチェビー・チェイスとダン・エイクロイドがポールと共に登場しています。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在はA面は『Press To Play』のボーナス・トラック[1993年]に、B面は『Venus And Mars』のボーナス・トラック[1993年・2014年]に収録されています。「My Carnival」はウイングス時代の1975年『Venus And Mars』セッションのアウトテイクで、裏ジャケットにも「Paul McCartney & Wings」と表記されています。全米7位まで上昇しましたが、これが現時点では米国での最後のTOP 10ヒットです・・・。またもやピクチャー・ディスクが制作され、変形型で12月9日に発売されました(RP6118)。


Paul McCartney

Spies Like Us(party mix)Spies Like Us(alternative mix)

Spies Like Us(DJ Version)My Carnival(party mix)

Parlophone 12R6118(12") 1985年11月18日発売(英国)  英国13位・米国7位

7インチと同じ日に発売された12インチは、7インチとは内容が全く異なっています。A面には「Spies Like Us」の2種類のリミックスを収録。「party mix」はJohn Potokerによるリミックスで、映画の台詞がふんだんに盛り込まれたロング・ヴァージョンです。ジャケットに「PARTY MIX」と銘打たれているゆえんですね。Art Of Noiseが手がけた「alternative mix」は前衛的な仕上がりで、こちらは逆にオリジナルより短くなっています(元々は5分半ほどの長さで、2012年にその完全版がArt Of Noiseサイドのオムニバス盤で陽の目を浴びた)。B面には、「Spies Like Us」のショート・ヴァージョンである「DJ Version」と、Gary Langanによる「My Carnival」のリミックス(「party mix」)が収録されています。残念ながら、4種類のリミックスすべてが未CD化です(「alternative mix」はこのサイズとして未CD化)。この12インチも円形のピクチャー・ディスクが制作され、12月2日に発売されました(12RP6118)。

R6133(7")


12R6133(12")


10R6133(10")

Paul McCartney

Press(Hugh Padgham Edit)It's Not True(Hugh Padgham Mix)

Parlophone R6133(7") 1986年7月14日発売(英国)  英国25位・米国21位

『Press To Play』からの先行シングル。A面・B面共に『Press To Play』収録曲ですが(B面はCDのみ)、2曲ともアルバムとはミックスが大幅に異なります。いずれもリミックスが施される前の段階の、ヒュー・パジャムによるミックスが収録されています。その違いは聴けばすぐ分かるほど。ファンの間ではアルバム・ヴァージョンより高い評価を受けているものの、未CD化なのが惜しまれます(汗)。ちなみに、「Press」は後述の10インチよりもアウトロのギター・ソロが短く編集されています。『Press To Play』同様、ポールが起死回生を図って自信を持って世に送り出したのですが、予想外の不振に終わってしまいました。ポールがチャートで苦戦する時代が幕を開けます・・・。


Paul McCartney

Press(Video Soundtrack)/It's Not True(remix)/HanglidePress(dub mix)

Parlophone 12R6133(12") 1986年7月14日発売(英国)  英国25位・米国21位

7インチと同じ日には、内容を一新した12インチも発売されています。A面には「Press」と「It's Not True」のリミックスが収録されていますが、これは『Press To Play』に収録されているものと同じです。「Press」はBett BevansとSteve Forwardが、「It's Not True」はジュリアン・メンデルソンが手がけています。一方、B面には『Press To Play』セッションで録音されたアルバム未収録のインスト・ナンバー「Hanglide」(ポールとエリック・スチュワートの共作)と、「Press」の新たなリミックス(「dub mix」)が収録されています。B面の2曲は未CD化です。


Paul McCartney

Press(video edit)It's Not True(Hugh Padgham Mix)

Parlophone R6133(7") 1986年7月20日発売(英国)  英国25位・米国21位

シングル発売から1週間後、早々に新たな7インチが登場します。B面の「It's Not True」はそのままに、A面を「Press」の別ヴァージョンに差し替えての再発売でした。ここでの「Press」はアルバム・ヴァージョンと同じBevans/Forwardによるミックスなのですが、中盤以降が大胆に編集されたショート・ヴァージョン(「video edit」)が収録されています。これまた未CD化の憂き目に遭っています・・・。


Paul McCartney

Press(Hugh Padgham Mix)/It's Not True(remix)/Press(video edit)

Parlophone 10R6133(10") 1986年8月18日発売(英国)  英国25位・米国未発売

そして、英国では10インチシングルまで発売されました。円形のジャケットにポールが描いた「Press」のステレオ配置図を印刷したオシャレなデザインです。A面には、ヒュー・パジャムのミックスによる「Press」が収録されています。これは7インチ収録のものよりアウトロのギター・ソロが長い完全版で、『Press To Play』の一部初回プレスに誤って収録されてしまっているという伝説があるようです・・・(未CD化)。B面には、「It's Not True」のリミックスと、「Press(video edit)」が収録されています。

R6145(7")


12R6145(12")

Paul McCartney

Pretty Little Head(Single Version)/Write Away

Parlophone R6145(7") 1986年10月27日発売(英国)  英国76位・米国未発売

ポールの暴挙か!?『Press To Play』からのシングルカット。英国のみの発売でした。A面・B面共に『Press To Play』収録曲ですが(B面はCDのみ)、「Pretty Little Head」はアルバムとはミックスが大幅に異なります(未CD化)。実験的な『Press To Play』でも輪をかけて実験的で難解な「Pretty Little Head」をこともあろうかシングルカットするとは・・・結果は火を見るより明らか。ものの見事に玉砕してしまいました。確かに、ラリー・アレキサンダーによるリミックスが施されたシングル・ヴァージョンなら若干キャッチーさは増しているかもしれませんが・・・ポールの'80年代どん底の時代を象徴するシングルと言っても過言ではないでしょう(汗)。なお面白いことに、裏ジャケットでは「Pretty Little Head」が“From the album”と記載されているのに対し、「Write Away」は“From the compact disc”と記載されています。


Paul McCartney

Pretty Little Head(12" Remix)Angry(remix)/Write Away

Parlophone 12R6145(12") 1986年10月27日発売(英国)  英国76位・米国未発売

ポールの暴挙は止まりません(苦笑)。7インチと同じ日に12インチまで発売しているのです!こちらも英国のみの発売。A面は「Pretty Little Head」の新たなリミックスに差し替えられています。7インチ・ヴァージョンを元にした、John Potokerによる7分近くものロング・ヴァージョンです(未CD化)。B面には「Write Away」に加えて『Press To Play』収録曲「Angry」のリミックスを収録しています。ラリー・アレキサンダーが手がけて、よりパワフルに生まれ変わっています・・・が、これまた未CD化です。

Paul McCartney

Stranglehold/Angry(remix)

Capitol B-5636(7") 1986年10月29日発売(米国)  英国未発売・米国81位

英国で「Pretty Little Head」が大コケしている頃、米国や日本では代わりにこちらがシングルカットされました。英国での発売はなし。ジャケットは「Pretty Little Head」と同じ写真・デザインを使用。A面・B面共に『Press To Play』収録曲ですが、「Angry」は12インチ「Pretty Little Head」収録のものと同じリミックス・ヴァージョンです。しかし、こちらも全く結果を残せませんでした・・・。

R6148(7")


12R6148(12")

Paul McCartney

Only Love Remains(Single Version)/Tough On A Tightrope

Parlophone R6148(7") 1986年12月1日発売(英国)  英国34位・米国-位

『Press To Play』からのシングルカット第2弾。日本では発売されませんでした。A面・B面共に『Press To Play』収録曲ですが(B面はCDのみ)、「Only Love Remains」はサックスやパーカッションを加えるなど、アルバムとはミックスがかなり異なります(未CD化)。正統派マッカートニー・バラードだけあって「Pretty Little Head」よりは持ち直したものの、相変わらず低迷。米国ではチャート・インすらしませんでした。これを先行シングルにしていればその後の状況もだいぶ変わっただろうに・・・もったいない話です。なお、英国では売り上げを促進するため、ウイングス時代の大ヒットシングル「Mull Of Kintyre」を無料のボーナス・ディスクとして付けていました。「Only Love Remains」「Tough On A Tightrope」「Mull Of Kintyre」と、個人的に大好きな曲ばかりなのが何だかうれしいです(苦笑)。


Paul McCartney

Only Love Remains(Single Version)Tough On A Tightrope(12" Remix)

Talk More Talk(remix)

Parlophone 12R6148(12") 1986年12月1日発売(英国)  英国34位・米国-位

7インチと同日発売の12インチは、ジャケットが色違いで赤。A面の「Only Love Remains」はそのままに、B面に「Tough On A Tightrope」のリミックスと、『Press To Play』収録曲「Talk More Talk」のリミックスを収録しています。それぞれジュリアン・メンデルソン、ポール本人が手がけてロング・ヴァージョンに生まれ変わっているのですが、2曲ともまたもや未CD化です。

 

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