ポール・マッカートニー シングル一覧

PART 1(1970〜1979)

 (赤字はアルバム未収録曲、青字はアルバム未収録ヴァージョン)

[アルバム未収録曲については「ポール・マッカートニー アルバム未収録曲・ヴァージョン一覧」もご参照ください。]

 

Paul McCartney

Another DayOh Woman,Oh Why

Apple R5889(7") 1971年2月19日発売(英国)  英国2位・米国5位

ポールの記念すべきソロ・デビューシングルにしてビートルズ解散後初のヒット・シングル。A面・B面共に『Ram』セッションで録音されたアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『Ram』のボーナス・トラック[1993年・2012年]に収録されています。ちなみに、日本ではポールのシングルで最も売れたのがこれでした。ジャケットに何だか時代を感じさせますね(苦笑)。

Paul & Linda McCartney

Uncle Albert/Admiral Halsey(Not Crossfaded)/Too Many People

Apple 1837(7") 1971年8月2日発売(米国)  英国未発売・米国1位

『Ram』からのシングルカットには、各国の売れ線を考慮して英国・米国・日本それぞれ別の曲が選ばれていますが、うち米国で発売されたこのシングルは見事1位を獲得、ポールのソロ史上初のNo.1ヒットとなりました。A面・B面共に『Ram』収録曲ですが、「Uncle Albert/Admiral Halsey」はエンディングが次曲とクロスフェードしないヴァージョンです(『Wings Greatest』などのベスト盤にも収録)。

Paul & Linda McCartney

The Back Seat Of My Car/Heart Of The Country

Apple R5914(7") 1971年8月13日発売(英国)  英国39位・米国未発売

一方、ポールの本国である英国では、このシングルが発売されました。A面・B面共に『Ram』収録曲です。「The Back Seat Of My Car」がポールの力作だったにもかかわらず、残念ながらヒットはしませんでした・・・。

Paul & Linda McCartney

Eat At Home/Smile Away(Not Crossfaded)

東芝音楽工業 AR-2879(7") 1971年9月5日発売(日本)  英国未発売・米国未発売

そして、ドイツをはじめとした一部ヨーロッパと日本では、オールド・ロックンロールの「Eat At Home」をシングルカット。A面・B面共に『Ram』収録曲ですが、「Smile Away」はイントロが前曲から切り離されているヴァージョン(未CD化)。ちなみに、「Eat At Home」の当時の邦題は「出ておいでよ、お嬢さん」でした(笑)。

Wings

Give Ireland Back To The IrishGive Ireland Back To The Irish(version)

Apple R5936(7") 1972年2月25日発売(英国)  英国16位・米国21位

記念すべきウイングスのデビュー・シングル。ヘンリー・マッカロクを迎えての第2期ラインアップでの録音です。「Give Ireland Back To The Irish」が政治的な歌詞が原因で放送禁止になったものの、健闘しました(ちなみにアイルランドではもちろん1位)。A面・B面共にアルバム未収録曲で、A面は『Wings Wild Life』のボーナス・トラック[1993年]に収録されたものの、B面のインスト「version」は未CD化のままです。日本盤ジャケットのポールがとぼけた表情していますね(苦笑)。

Wings

Mary Had A Little LambLittle Woman Love

Apple R5949(7") 1972年5月12日発売(英国)  英国9位・米国28位

ウイングスのセカンド・シングル。前作とは打って変わってほのぼのした作風には「軟弱」という論調も飛び交いました(汗)。それでも英国ではTOP 10入りを果たしました。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『Wings Wild Life』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています(後者は2012年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『Ram』にも収録)。なお、「Mary Had A Little Lamb」ではシングル曲として初めてプロモ・ヴィデオが制作されました。

Wings

Hi Hi HiC Moon

Apple R5973(7") 1972年12月1日発売(英国)  英国5位・米国10位

ウイングス怒涛のサード・シングル。「Hi Hi Hi」が卑猥な歌詞が原因で放送禁止になることを予想したポールは、「C Moon」との両A面扱いで発売。案の定「Hi Hi Hi」が放送禁止になるとラジオ局は「C Moon」を盛んに流し、結果的にウイングス初のTOP 5を獲得しました。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『Red Rose Speedway』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています。ちなみに、日本盤は当初、ポールが「右利き」になってしまっている逆刷りジャケットが出回っていました。

Paul McCartney & Wings

My Love/The Mess

Apple R5985(7") 1973年3月23日発売(英国)  英国9位・米国1位

レコード会社の要請で「ポール・マッカートニー&ウイングス」名義に変更して初のシングル。『Red Rose Speedway』からの先行シングルで、A面は『Red Rose Speedway』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です(現在は『Red Rose〜』のボーナス・トラック[1993年]に収録)。英国ではなぜか9位止まりでしたが、米国ではウイングス初のNo.1ヒットに。1973年ビルボード年間チャートでも5位を記録しています。

Wings

Live And Let DieI Lie Around

Apple R5987(7") 1973年6月1日発売(英国)  英国9位・米国2位

ご存知、同名の007映画主題歌。この時期としては珍しく「ウイングス」表記としている辺りにポールの意地がうかがえます。英国ではまたしても9位止まりでしたが(汗)米国では最高2位に。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在はA面は『All The Best!』『Wingspan』などのベスト盤に、B面は『Red Rose Speedway』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています。なお、B面の「I Lie Around」では初めてポール以外のウイングスのメンバー(この曲ではデニー・レイン)がヴォーカルを取っていることにも注目。

Paul McCartney & Wings

Helen WheelsCountry Dreamer

Apple R5993(7") 1973年10月26日発売(英国)  英国12位・米国10位

ヘンリー・マッカロクとデニー・シーウェルの脱退で3人編成の危機的状況に陥った中発売された第3期ラインアップ初のシングル。リンダの勧めでシングルカットが決まりました。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『Band On The Run』のボーナス・トラック[1993年・2010年]に収録されています(ただし「Helen Wheels」は米国盤のみ『Band On The Run』にも収録された)。「Helen Wheels」は『Band On The Run』セッションで、「Country Dreamer」は『Red Rose Speedway』セッションで5人編成で録音されました。

Paul McCartney & Wings

Jet/Let Me Roll It

Apple R5996(7") 1974年2月15日発売(英国)  英国7位・米国7位

空前の大ヒットを記録した名盤『Band On The Run』からのシングルカット。A面・B面共に『Band On The Run』収録曲です。当初ポールはシングルカットするつもりはなかったのですが、米国キャピトル・レコードの担当者だったアル・コーリーの助言で方針転換。英米共に7位止まりとは言え、いまやウイングスの代表曲と呼ばれるまでに成長しました。


Paul McCartney & Wings

Jet/Mamunia

Apple 1871(7") 1974年1月28日発売(米国)  英国未発売・米国-位

なお、米国ではファースト・プレスのみB面が『Band On The Run』収録曲「Mamunia」でした。翌月発売のセカンド・プレス以降は「Let Me Roll It」に差し替えた上述の形態で発売されています。

Paul McCartney & Wings

Band On The Run/Zoo Gang

Apple R5997(7") 1974年6月28日発売(英国)  英国3位・米国未発売

『Band On The Run』からのシングルカット第2弾にしてタイトル・ソングの登場。これまた当初ポールはシングルカットするつもりはなかったようです・・・(汗)。A面は『Band On The Run』収録曲で、B面はアルバム未収録曲です(現在は『Venus And Mars』のボーナス・トラック[1993年]や、2010年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『Band On The Run』に収録)。なお、「Zoo Gang」がB面だったのは英国盤のみで、米国や日本では後述の形態で発売されました。


Paul McCartney & Wings

Band On The Run/Nineteen Hundred And Eighty Five

Apple 1873(7") 1974年4月8日発売(米国)  英国未発売・米国1位

英国でのシングルカットに先立つこと2ヶ月、米国と日本ではB面を『Band On The Run』収録曲の「Nineteen Hundred And Eighty Five」に差し替えたシングルが発売されました。米国では見事No.1ヒットとなり、ウイングスの名声をさらに確固たるものとしました。

The Country Hams

Walking In The Park With EloiseBridge On The River Suite

EMI Records EMI2220(7") 1974年10月18日発売(英国)  英国-位・米国-位

ウイングスが「ザ・カントリー・ハムズ」の変名名義で発売したシングル。演奏はジミー・マッカロクとジェフ・ブリトンが新規加入しての第4期ラインアップによるもの。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『Wings At The Speed Of Sound』のボーナス・トラック[1993年]や、2014年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『Venus And Mars』に収録されています。A面の「Walking In The Park With Eloise」はポールの父・ジムが書いた曲で、ポールにとっては「親孝行」の意味もあったシングルでしたが、変名ゆえに注目されることなくチャート・インせず(当時ポールの新譜と気づいた人はきっと少ないでしょう)。

Paul McCartney & Wings

Junior's FarmSally G

Apple R5999(7") 1974年10月25日発売(英国)  英国16位・米国3位

別名義を除けば、第4期新生ウイングス最初にして最後のシングル。相変わらず英国で伸び悩む中、米国3位のヒットで幸先よい滑り出しに(それゆえに、ジェフの脱退が少し惜しまれるのですが・・・)。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在は2曲とも2014年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『Venus And Mars』に収録されています。また、A面は『All The Best!』(米国版のみ)や『Wingspan』(DJエディットを収録)などのベスト盤に、B面は『Wings At The Speed Of Sound』のボーナス・トラック[1993年]にも収録されています。ポールにとって、このシングルが自身が設立したアップル・レコードからの最後の新譜となりました。


Paul McCartney & Wings

Sally GJunior's Farm

Apple R5999(7") 1975年2月7日発売(英国)  英国-位・米国39位

カントリーのご当地である米国・ナッシュビルでレコーディングした、もろカントリーの「Sally G」のヒット性を見込んだポールは、「Junior's Farm」とA・B面を逆にしてシングルを再発売しています。しかし、米国では最高39位(両A面名義ではかろうじて17位)、カントリー・チャートでも最高51位と期待通りには振るいませんでした・・・(汗)。

Wings

Listen To What The Man Said(Single Version)Love In Song(Not Crossfaded)

Capitol R6006(7") 1975年5月16日発売(英国)  英国6位・米国1位

ジョー・イングリッシュを迎えた第5期ラインアップでのウイングス最初のシングルにして、キャピトル・レコード移籍後最初のシングルにして、再び「ウイングス」名義に戻して最初のシングルという、記念すべき1枚。『Venus And Mars』からの先行シングルで、A面・B面共に『Venus And Mars』収録曲ですが、2曲ともアルバムとは微妙にヴァージョンが異なります。「Listen To What The Man Said」はイントロのポールの語りがカットされエンディングがフェードアウト処理されています(『All The Best!』などのベスト盤にも収録)。「Love In Song」は前曲と切り離されてクロスフェードしません(未CD化)。ポールらしさ満点の曲調が受けてシングルは全米No.1を獲得!

Wings

Letting Go(Single Edit)/You Gave Me The Answer

Capitol R6008(7") 1975年9月5日発売(英国)  英国41位・米国39位

『Venus And Mars』からのシングルカット。アルバムのさらなるヒットをもくろんでの発売でしたが、残念ながらチャートでは伸び悩みました(汗)。A面・B面共に『Venus And Mars』収録曲ですが、「Letting Go」はアルバムとは大幅にミックスが異なり、エンディングが圧倒的に短いシングル・ヴァージョンです。長い間未CD化でしたが、現在は2014年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『Venus And Mars』に収録されています。

Wings

Venus And Mars/Rockshow(Single Edit)/Magneto And Titanium Man

Capitol R6010(7") 1975年11月28日発売(英国)  英国-位・米国12位

同じく『Venus And Mars』からのシングルカット。A面・B面共に『Venus And Mars』収録曲ですが、「Venus And Mars/Rockshow」のメドレーは随所に大胆かつ無謀な編集を施して4分ほどに縮めたエディット・ヴァージョンです(現在はベスト盤『Wingspan』に収録)。ウイングスのロック史を語る上で欠かせない1曲というのに、英国ではなぜか(本当になぜか!)チャート・インすらせず。ビートルズ解散後のポールのシングルで初めて母国でのチャート・インを逃してしまいました・・・。

Wings

Silly Love Songs/Cook Of The House

Parlophone/Capitol R6014(7") 1976年4月30日発売(英国)  英国2位・米国1位

ウイングス絶頂期の1976年最初のシングル。『Wings At The Speed Of Sound』からの先行シングルで、A面・B面共に『Speed Of Sound』収録曲です。B面のヴォーカルは愛妻リンダ。ポールらしさが大爆発した屈指の傑作だけに、全英2位・全米1位の大ヒット!特に米国では、合計で5週連続1位を獲得した上に、ビルボード年間シングルチャートで堂々の1位に輝いています(ポールにとってはビートルズ時代の「I Want To Hold Your Hand」「Hey Jude」に続く3度目の全米年間No.1)。米国で最もヒットしたウイングスナンバーと言えるでしょう。逆に、こんな名曲からどこぞのフォーク・バンドのパロディ・ソングに1位を譲り渡してしまった英国のリスナーは・・・(汗)。

Wings

Let 'Em In/Beware My Love(Not Crossfaded)

Parlophone/Capitol R6015(7") 1976年7月23日発売(英国)  英国2位・米国3位

『Wings At The Speed Of Sound』からのシングルカット。A面・B面共に『Speed Of Sound』収録曲ですが、「Beware My Love」はイントロが前曲とクロスフェードしないヴァージョン(未CD化)。春に始まった有名な全米ツアーの追い風を受けて、全英2位・全米3位(さらにキャッシュボックス誌では1位!)と「Silly Love Songs」に負けじとヒットしました。なお、フランスではなぜか12インチシングル(「Special Disco Mix」と記載されているが、収録内容は同じ)で発売されました。世界規模で見れば、一応これがポール初の12インチということになるのか・・・?


Wings

Let 'Em In(Single Version)Beware My Love(Not Crossfaded)

東芝EMI EPR-20070(7") 1976年8月20日発売(日本)  英国未発売・米国未発売

日本では、A面の「Let 'Em In」はアルバム・ヴァージョンを編集した独自のシングル・ヴァージョンを収録しています(未CD化)。ポールのシングルが日本だけ違う仕様で発売されるのは極めて異例のこと。まぁフランスも12インチで出しているから別段異例じゃないのかもしれませんが(苦笑)。蛇足ですが、この日本盤ジャケットの雰囲気が個人的にお気に入りです。ウイングスはビートルズ級です!(笑)

Wings

Maybe I'm Amazed(live)/Soily(live)

Parlophone/Capitol R6017(7") 1977年2月4日発売(英国)  英国28位・米国10位

ウイングスの歴史的ライヴ盤『Wings Over America』からのシングルカット。ポールにとって、ライヴ・レコーディングのみで構成された初めてのシングルとなりました(B面としては「The Mess」があるものの)。A面・B面共に『Wings Over America』収録曲で、A面「Maybe I'm Amazed」のオリジナルは『McCartney』(1970年)収録、B面の「Soily」は他では発表されていません。完全な新曲ではないものの米国10位まで上昇する大健闘ぶりを見せました。なお、1970年には「恋することのもどかしさ」だった「Maybe I'm Amazed」の邦題は、この当時は「ハートのささやき」と名づけられていました。

Wings

Mull Of KintyreGirls' School

Capitol R6018(7") 1977年11月11日発売(英国)  英国1位・米国未発売

これまでチャートで苦戦してきた母国・英国におけるウイングス最大のヒット・シングル。A面・B面共に『London Town』セッションで録音されたアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『London Town』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています。A面の「Mull Of Kintyre」は当時ポールの欠かせない相棒だったデニー・レインとの共作で、デニーの曲がウイングスのシングルに収録されるのは初めて。これがスコットランドの岬をテーマにしたトラッド・ワルツだったことから、英国では発売されるや否や爆発的な売れ行きを展開。たった2ヶ月で約167万枚を売り上げ、ビートルズの「She Loves You」が保持していた英国でのシングル最大売上枚数をあっさり更新してしまいました(翌年には200万枚を突破)。ある意味ポールだから、ウイングスだから成しえた快挙でしょう!日本でもこの形態で発売されました。


Wings

Girls' SchoolMull Of Kintyre

Capitol 4504(7") 1977年11月14日発売(米国)  英国未発売・米国33位

一方、米国ではスコットランド色があまりにも濃すぎる「Mull Of Kintyre」はさすがに売れ線ではないと判断したのか、英国ではB面だった軽快なロック・チューン「Girls' School」をA面に差し替えて発売されました。まぁキャピトル・レコードの決定は理解できるのですが・・・、残念ながら期待されていた「Girls' School」は最高33位止まりとヒットしませんでした(汗)。無論「Mull Of Kintyre」も全くヒットせず。そのためか、米国ではポールがコンサートで「Mull Of Kintyre」を取り上げたことは一度もありません・・・。

Wings

With A Little Luck/Backwards Traveller/Cuff Link

Parlophone R6019(7") 1978年3月23日発売(英国)  英国5位・米国1位

再びメンバーの脱退で3人編成になる過程で発売された『London Town』からの先行シングルで、A面・B面共に『London Town』収録曲です。A面の「With A Little Luck」が5人編成で、B面の「Backwards Traveller/Cuff Link」がそれぞれ3人編成・ポール単独録音で演奏されている点がウイングスのゴタゴタを滲ませています(ちなみに、B面はCD化するまでは1つのトラックと見なされていた)。チャートでは「With A Little Luck」の爽やかなキャッチーさが功を奏して英国5位、そして米国ではウイングス5度目となる1位を獲得!個人的に一番好きなマッカートニー・ナンバーだけに、うれしい結果ですね。これがスーパーヒットだ!!(笑)

Wings

I've Had Enough/Deliver Your Children

Parlophone R6020(7") 1978年6月16日発売(英国)  英国42位・米国25位

『London Town』からのシングルカット。A面・B面共に『London Town』収録曲です。B面はポールとデニーの共作で、デニーがリード・ヴォーカルを取っています。これまたA面が5人編成、B面が3人編成で録音されています。曲単位で見ると素晴らしい仕上がりなのですが、シングルとしてはイマイチ印象が弱く、残念ながらヒットはしませんでした。

Wings

London Town/I'm Carrying

Parlophone R6021(7") 1978年8月26日発売(英国)  英国60位・米国39位

同じく『London Town』からのシングルカット。A面・B面共に『London Town』収録曲です。A面はポールとデニーの共作で、リード・ヴォーカルはポール。これも曲単位では名曲に値する高い完成度を誇っているものの、シングルとしては不発に終わりました(しかもご当地である英国で大苦戦しているという・・・)。この時期、アルバム未収録の強力な新曲をA面に置いた方がもっと売れていたのでは?

R6023(7")


12YR6023(12")

Wings

Goodnight TonightDaytime Nighttime Suffering

Parlophone R6023(7") 1979年3月23日発売(英国)  英国5位・米国5位

新メンバーにローレンス・ジュバーとスティーブ・ホリーを迎えた最終ラインアップのウイングス最初のシングル。A面・B面共に『Back To The Egg』セッションで録音されたアルバム未収録曲で、現在はA面は『McCartneyII』のボーナス・トラック[1993年]に、B面は『Back To The Egg』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています。ディスコ・サウンドを取り入れた「Goodnight Tonight」が多くのリスナーに受け、全英・全米共に最高5位と新生ウイングスは確かな手ごたえをつかみました。ポールは当初、大のお気に入りだった「Daytime Nighttime Suffering」をA面にしたかったそうですが・・・。なお、このシングルより米国ではキャピトルからコロンビアに移籍しています。


Wings

Goodnight Tonight(12" Long Version)Daytime Nighttime Suffering

Parlophone 12YR6023(12") 1979年3月23日発売(英国)  英国5位・米国5位

そして、ポール史上初の12インチシングルが合わせて発売されました。ウイングスでは最初で最後の12インチです。A面の「Goodnight Tonight」がロング・ヴァージョンに差し替えられています(B面は7インチと同じ)。7分を超えるこのロング・ヴァージョンは、よりディスコを意識した実験的な仕上がりで、幻の第2節の歌詞が登場するなど聴き所がたっぷりなのですが、惜しくも未CD化です。12インチのジャケットは、「Goodnight Tonight」のプロモ・ヴィデオでのオールド・ファッションをまとったウイングスを写したもの。

Wings

Old Siam,Sir/Spin It On

Parlophone R6026(7") 1979年6月1日発売(英国)  英国35位・米国未発売

結果的にウイングスのラスト・アルバムとなってしまった『Back To The Egg』からの先行シングル。A面・B面共に『Back To The Egg』収録曲です。共同プロデューサーにクリス・トーマスを迎えたり大量のプロモ・ヴィデオを制作したりと、この時期のウイングスは非常に意欲的な活動をしていましたが、なぜかチャートでは苦戦。この第1弾シングルもヒットしませんでした。その後肝心の『Back To The Egg』の売れ行きが鈍り、ポールは多大なショックを受けます・・・。なお、このシングルは英国のみでの発売です。

Wings

Getting Closer/Baby's Request

Parlophone R6027(7") 1979年8月16日発売(英国)  英国60位・米国未発売

『Back To The Egg』からのシングルカット。A面・B面共に『Back To The Egg』収録曲です。既に「Old Siam,Sir」が低迷している中、アルバムで最もキャッチーな「Getting Closer」を英国では第2弾に持ってきたわけですが・・・ものの見事に玉砕してしまいました(汗)。しかも「Old Siam,Sir」よりも上昇できませんでした。(一体なぜ!?)B面に「Baby's Request」を収録しているのは英国のみです。英国盤ジャケットは、表に「Getting Closer」のイメージ写真、裏に「Baby's Request」のプロモ・ヴィデオからの一こまが印刷されています。そして、結果的に英国ではこれがウイングスのラスト・シングルに・・・。


Wings

Getting Closer/Spin It On

Columbia 3-11020(7") 1979年6月5日発売(米国)  英国未発売・米国20位

米国・日本では「Old Siam,Sir」の代わりに「Getting Closer」が『Back To The Egg』からの先行シングルに選ばれました。B面は英国では「Old Siam,Sir」のB面だった「Spin It On」。60位止まりだった英国に比べると米国では最高20位とそこそこ健闘していますが、それでも以前の勢いに比べると不発感が否めません・・・(汗)。

Wings

Arrow Through Me/Old Siam,Sir

Columbia 3-11070(7") 1979年8月14日発売(米国)  英国未発売・米国29位

米国・日本では『Back To The Egg』からのシングル第2弾で、英国では未発売。A面・B面共に『Back To The Egg』収録曲です。これもかろうじて最高29位を記録するに至りました。面白いのが日本盤で、悲願のウイングス来日公演に合わせて「来日記念盤」と大々的に銘打って1980年1月20日に発売されたのですが、その4日前に起きたポールの成田空港での逮捕事件によって当の来日公演がなくなってしまう・・・という皮肉的な出来事が起きてしまったのです(汗)。それどころか、日本ではポールの曲の放送を自粛する動きが出たため、このシングルが当時オンエアされることはありませんでした・・・。そして、ウイングスのラスト・シングルになってしまいました。

Paul McCartney

Wonderful ChristmastimeRudolph The Red-Nosed Reggae

Parlophone R6029(7") 1979年11月16日発売(英国)  英国6位・米国-位

ソロ・デビューシングル「Another Day」以来ひさしぶりのポール単独名義のシングル。A面・B面共にアルバム未収録曲で、現在は2曲とも『Back To The Egg』のボーナス・トラック[1993年]に収録されています(前者は2011年にヒア・ミュージックより再発売されたリマスター盤『McCartneyII』にも収録)。A面は『McCartneyII』セッションと同じ1979年夏に、B面は1976年に、それぞれポール1人で自宅録音されました。そして、現時点でポール唯一のクリスマス・シングルです。ポールらしい陽気なクリスマス・ソングは全英6位の大ヒットに。米国でチャート・インしていないのは、ビルボード誌の集計方法の関係上、らしいです(つまり実際には米国でもヒットしている)。日本では、リースを飾ったドアを写した別ジャケットが存在します。

 

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