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アルバム『NEW - 2014ジャパン・ツアー・エディション』発売記念!収録曲を管理人が全曲対訳!!
1.セイヴ・アス・・・オープニングを飾るのは、アルバム『プレス・トゥ・プレイ』に収録されていても違和感ないほど'80年代の雰囲気バリバリの硬派なロック・ナンバー。ポール・エプワースとの共作で、近年のポールの作風と比較すると意表を突きすぎたアレンジですが、これが何ともかっこいい。個人的にはアルバム中一番のお気に入りです。2013年の来日公演では2曲目に演奏された。
2.アリゲイター・・・前曲に続きシンセ・サウンドを前面に出したアレンジが印象的なミドルテンポの曲。ころころと変わるリズムと歌い方がポイントとなっている。中盤でバックがシンセのみとなる箇所でのファルセット・ヴォーカルが面白くて仕方ありません(苦笑)。ずばり「ワニ」という意味のタイトルもユニーク。
3.オン・マイ・ウェイ・トゥ・ワーク・・・アコースティック・ギターを基調としたゆったりした曲だが、力強い手拍子と強烈なエレキ・ギターのリフがフィーチャーされている。叶わぬ夢を抱えた主人公の心情が日常生活と共に淡々と描かれる歌詞が胸を打つ。
4.クイーニー・アイ・・・ポール・エプワースとの共作。ポールのポップセンスが炸裂したキャッチーな曲で、早口に畳み掛けるようなメロディラインやコーラスとの掛け合いが楽しい。タイトルは英国に古くから伝わる遊び歌からの引用。アルバムからのセカンド・シングルとなり、プロモ・ヴィデオにはジョニー・デップやケイト・モスが出演し話題を呼んだ。2013年の来日公演でもセットリスト入りした。
5.アーリー・デイズ・・・『裏庭の混沌と創造』『追憶の彼方に』でも見られた、過去を振り返る内容の歌詞が印象的なアコースティック・ナンバー。ポールはビル・ブラック(エルビス・プレスリーのバックバンドだった人物)が所有していたダブル・ベースを演奏している。ちなみに、ドリカム(DREAMS COME TRUE)の2人がアルバム中最もお気に入りなのがこの曲だそうです。
6.NEW・・・アルバムのタイトルソングにしてアルバムからの先行シングルとして話題となったポップナンバー。新たな伴侶となったナンシーへの想いが率直に歌われた、喜びいっぱいのラヴソング。アルバムでも特にビートルズぽさが感じられる1曲で、ポールの弾くハープシコードやコーラス、ブラス・セクションなどは「ペニー・レイン」「愛こそはすべて」などの中期ビートルズ・サウンドにも通じる。しかし、最初に聴いた時からビートルズよりもドリカムぽさ(特に「MERRY-LIFE-GOES-ROUND」「晴れたらいいね」辺り)を感じているのは私だけでしょうか・・・?(苦笑)2013年の来日公演で演奏された。
7.アプリシエイト・・・ポールにとっては極めて珍しいヒップホップ系のビートを持つ曲。多様なシンセ・サウンド、打ち込みドラム、逆回転ギター、逆回転シンバル、エフェクトをかけたヴォーカルなどすべてが斬新。ポールの音楽活動において時折発揮されるアバンギャルドな側面を存分に堪能できる。
8.エヴリバディ・アウト・ゼアー・・・2013年5月に始まり、南米・アメリカ・ヨーロッパそして日本を回ることとなる一連の「アウト・ゼア・ツアー」のテーマ・ソングとも言うべきロック・ナンバー。後半のコール&レスポンスは明らかにライヴを意識したものであろう。アコギが引っ張るアレンジやリズム、"Hey !"の掛け声がウイングスの「ミセス・ヴァンデビルト」を彷彿させるが、2013年の来日公演では同曲に代わってセットリスト入りした。
9.ホザンナ・・・アコギ弾き語りによる美しいメロディのバラードだが、テープループによる逆回転サウンドが幻想的な雰囲気を醸し出している。「ユー・テル・ミー」(『追憶の彼方に』収録)を思い出した方もいるでしょう。ここでも突拍子ないタイトルが目につくが、これは神への賛美を表すヘブライ語の叫び。
10.アイ・キャン・ベット・・・冒頭の衝撃音10連続に耳を奪われるが、以降はポールらしいキャッチーなメロディのロックナンバー。こういうスタイルはウイングス時代特に得意な分野でしたよね。間奏のムーグ・シンセのソロもリンダが弾いているかのような錯覚を覚えさせたり・・・。
11.ルッキング・アット・ハー・・・再度ポールらしく無性にポップな曲だが、そこに無機質なシンセと打ち込みドラムが絡み合うことで何とも形容しがたい不思議な感じに仕上がっている。間奏はメロウだし、エンディングはハードだし、とにかく不思議。歌詞に登場する「彼女」の謎めいた存在がそこにさらなる追い打ちをかけてきます(苦笑)。
12.ロード・・・通常盤でのラスト・ナンバーで、エンディングを意識した壮大な仕上がりとなっている。重厚なロックナンバーでアルバムを締めくくるパターンはポールのアルバムではあまり見られない。どちらかと言えばザ・ファイアーマン名義のアルバム『エレクトリック・アーギュメンツ』のラストを飾った「ドント・ストップ・ランニング」からの流れかもしれない。これもポール・エプワースとの共作で、演奏も2人だけですべてを賄っている。
〜デラックス・エディション及び日本盤のみボーナス・トラック〜
13.ターンド・アウト・・・ポールとおなじみのツアー・メンバーを中心とした顔ぶれで演奏されたストレートなポップナンバー。どことなく『オフ・ザ・グラウンド』期のシングルB面にありそうな爽快なメロディとアレンジが耳に残る。「スウィート・スウィート・メモリーズ」と「アイ・キャント・イマジン」を足して2で割った感じと言えば分かりやすいでしょうか(笑)。ボーナス・トラック行きというのがもったいないくらいの佳曲だと思います。
14.ゲット・ミー・アウト・オブ・ヒア・・・ポールが敬愛するバディ・ホリーの影響が強く感じられるスキッフル調のオールディーズ・ナンバー。コーラスはバディ・ホリーのバンド、ザ・クリケッツを模倣している。そしてポールはスキッフルで常套の洗濯板も演奏するという徹底ぶり。
〜日本盤のみボーナス・トラック〜
15.ストラグル・・・日本のファンだけに特別に贈られたのは、収録曲中最も前衛的で難解な1曲。ポール・エプワースとの共作で、ここではすべての楽器をポールが演奏している。ザ・ファイアーマンでの経験が最大限生かされたアンビエント・サウンドに仕上がっており、ビブラホンを効果的に使ったアレンジはあの「プリティ・リトル・ヘッド」も思い起こさせる。しかし、これを特別収録されて喜ぶ日本のリスナーは相当なポール・マニアに限定されてしまうでしょうね・・・(汗)。
〜各盤共通のシークレット・トラック〜
16.スケアード・・・アルバムが終わってから15秒ほどの無音部分を挟んで始まる。アルバムの最後にシークレット・トラックを仕込んでおくのはポールお気に入りの手法だが、ここではそれがアルバム本編に収録されていても全然おかしくないような普通のマッカートニー・バラードという、いつもと正反対のパターン。ポールのピアノ弾き語りが切々と胸に響く。正直、こういうポールを求め、こういうポールに安心するファンは多いのではないでしょうか。ジョン・レノンが1974年に発表した曲とはもちろん同名異曲。