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アルバム「フラワーズ・イン・ザ・ダート」の製作過程などの解説はこちらをごらんください。
ポールの「復活」を告げた1989年のアルバム「フラワーズ・イン・ザ・ダート」の限定版で2枚組。ポールはこのアルバムの発売後ワールド・ツアーに出ますが、その時ソロとしては初めて日本公演(1990年3月)を行います。ポールはウイングス時代に2度日本公演を予定していましたが、断念せざるをえませんでした。この限定版は、ポールが2度も待ちぼうけを食らわされた日本のファンたちのためにリリースしたもので、日本のみで発売されました。
DISC ONEには「フラワーズ・イン・ザ・ダート」のオリジナルCD版と同じ13曲が収録されています。現行の「ポール・マッカートニー・コレクション」(廉価版含む)のボーナス・トラックに収録された3曲はありません。DISC TWOには、当時のシングルのみでリリースされた曲7曲と、ビートルズ時代の2曲を連結した『P.S.ラヴ・ミー・ドゥ』、そしてポールから日本のファンへのメッセージの全9トラックが収録されています。うち現在このアルバムでしか聴けない曲・ヴァージョンは7曲。レア音源が多いCDです。
限定版のため、このアルバムは現在入手困難です。しかし、名盤である「フラワーズ・イン・ザ・ダート」とレア音源をいっぺんに聴くことができる貴重な限定版です。そのためこのアルバムはお勧めできます。ただし、現行盤「フラワーズ・イン・ザ・ダート」に収録されているボーナス・トラックのうち『バック・オン・マイ・フィート』『フライング・トゥ・マイ・ホーム』の2曲は収録されていません。なので現行盤も買わないといけなくなります(苦笑)。初心者の方は限定版か現行盤のどちらか1つを買うといいでしょう。それにしても、2枚目は30分ちょっとしか収録されていないのは少しもったいないです。『The First Stone』や『Good Sign』のようなシングルのみで発売された曲や、『フィギュア・オブ・エイト』や『ディス・ワン』『太陽はどこへ?』のリミックスヴァージョンなど現在聴けない同時期の曲はまだまだ多いのに・・・。
DISC ONE
曲目解説はこちらをごらんください。
DISC TWO
1.メッセージ・・・ポールから日本のファンたちへのメッセージ。すべて英語です。常に環境問題に関心を持っているポールが「地球の環境についてもっと考えて」と訴えている。
2.ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(ヴィデオ・ヴァージョン)・・・ビートルズ末期の1970年にリリースされたポールのバラードの名曲の再演。「ディス・ワン」「フィギュア・オブ・エイト」の2つのシングルの一部のヴァージョンにも収録されていた。ビートルズ・ヴァージョンでプロデューサーが勝手に分厚いストリングス・アレンジをしたことにポールが激怒したのは有名な話だが、このヴァージョンでは比較的あっさりしたピアノバラードになっている。ポールは1984年の映画「ヤァ!ブロード・ストリート」でもこの曲を再演している。
3.ラヴリエスト・シング・・・シングル「フィギュア・オブ・エイト」の一部のヴァージョンに収録されていたほろ苦いバラード。プロデューサーはフィル・ラモーン。現行盤「フラワーズ・イン・ザ・ダート」にもボーナス・トラックとして収録されている。
4.ラフ・ライド(ヴィデオ・ヴァージョン)・・・シングル「フィギュア・オブ・エイト」の一部のヴァージョンに収録されていた別ヴァージョン。ツアー・リハーサルからの音源で、こちらはどこかもやがかかったような雰囲気。またフェイドアウトせずに終わる。個人的にはオリジナル・ヴァージョンの方が好きです。
5.太陽はどこへ?(7インチ・ミックス)・・・シングル「フィギュア・オブ・エイト」の一部のヴァージョンに収録されていた別ヴァージョン。オリジナルよりドラムビートが軽いように聴こえる。また所々アレンジが違う。個人的にはオリジナル・ヴァージョンの方が好きです。この曲には他にも多数のリミックスが存在する。
6.ママズ・リトル・ガール・・・ウイングスのアルバム「レッド・ローズ・スピードウェイ」(1973年)のアウトテイクで長年未発表だった曲。ポールが構想していた未発表曲集「Cold Cuts」に収録予定だった曲で、シングル「プット・イット・ゼア」でようやく日の目を見た。現在アルバム「ウイングス・ワイルド・ライフ」にもボーナス・トラックとして収録されている。やさしくて家庭的なアコースティックナンバー。
7.セイム・タイム・ネクスト・イヤー・・・ウイングスのアルバム「バック・トゥ・ジ・エッグ」(1979年)のアウトテイクで長年未発表だった曲。ポールが構想していた未発表曲集「Cold Cuts」に収録予定だった曲で、シングル「プット・イット・ゼア」でようやく日の目を見た。ストリングスが美しいバラード。個人的にはマンガ「ネギま!」の柿崎美砂の雰囲気がしたりしなかったり。
8.パーティ・パーティ・・・「フラワーズ・イン・ザ・ダート」のリリース後行われたワールド・ツアーのリハーサルのジャム・セッションで作られた曲。そのため作曲者はメンバー全員になっている。「フラワーズ・イン・ザ・ダート」のワールド・ツアー・パックの付属CDに収録されていた。このワールド・ツアー・パックはオリジナル・アルバムにポスターやステッカーなどを付属させたもので、当然ながら現在売られていない。曲は特に目立った特徴はない(汗)。
9.P.S.ラヴ・ミー・ドゥ・・・ビートルズのデビュー曲『ラヴ・ミー・ドゥ』とそのB面『P.S.アイ・ラヴ・ユー』を合体させた曲。この音源はこのアルバムにしか収録されていないため、超レアである。元となった2曲はどちらもポールの曲で、ビートルズの楽曲の版権会社、ノーザン・ソングス(マイケル・ジャクソンが版権を買ってしまったことが問題化した)の管理下にない唯一の曲(ポールの経営する版権会社、MPLの管理下)なのでそれがこの曲を作る理由になったのかもしれない。1987年の録音。