ケロケロ
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ケロケロヴォイスパッド
中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル、ケロケロベース、パーカッション・プログラミング(as キング)
西川隆宏:マニュピレート
他に、プログラミングされたシンセ音、キーボード、パーカッション
ライヴ履歴 1998年「SING OR DIE」「ドリカムの夕べ」 2004年「ウラワン」、『家へ帰ろ』とのメドレーで登場
ドリカムの曲としては珍しくアフリカンビートの曲。収録アルバム「SING OR DIE」には『よろこびのうた』というアフリカ音楽風の曲がありますが、それとは違いソフトレゲエ風ののんびりとしたリズムです。タイトルの「ケロケロ」は、美和さんによれば「疲れた、力が抜けた感じ」を表す言葉だそうです。それとカエルの鳴き声をひっかけたもので、カエルの声のようなものが後半聴こえてきますがこれは美和さんとまささんの声を機械で処理したもの。これと同じく、サウンドはプログラミングによる人工的なもの。ボンゴなどのパーカッションが印象的です。シンセを交えた終わり方が少し不気味です。
歌詞は失恋で「ケロケロ」状態になった主人公が、友達と会う気にならず「ほっといて」と言うものの、「やっぱり一緒にいて」と態度をひるがえす情けない姿を描いたコミカルなもの。一部日本語で韻を踏んでいて、後年「monkey girl odyssey」で取り入れるその手法を予期させます。コーラスは何パートにも分かれていて非常にユニークです。どのパートを歌うか思わず迷ってしまうほど。このように、とても楽しい感じの曲です。
実はこの曲、当初はシングル発売される予定でした。作曲者である美和さんが、「シングルに似合う新曲ができた」とまささんにシングルリリースを勧めたのがきっかけですが、当初まささんには「冗談かよ」と笑い飛ばされてしまいました。しかし曲を完成させていくうち、まささんもこの曲に隠された音楽的な魅力に興味を持ち出し、シングルリリースを本気で考えるようになりました。結局、ヴァージン・レコードに移籍したばかりのドリカムにとって、移籍後初のシングルにこんなおふざけソングはどうか・・・ということでその座は『PEACE!』にとってかわられ、この曲はアルバムソングに落ち着くことになりました。2004年の企画盤「DREAMANIA」に『PEACE!』が収録された反面この曲は未収録となっていることからもその後の境遇の差は歴然としていますが、ファンにとっていまいち人気のない『PEACE!』でなく、『ケロケロ』がシングルになっていたら「SING OR DIE」に対するイメージも少し変わっていたかもしれません。
この曲はライヴで演奏されたことは少ないですが、ファン参加型で非常に盛り上がる曲です。1998年のアルバムツアーでは観客から「ケロケロダンサーズ」を選抜するという企画もあり、会場中がカエルのようにぴょんぴょん跳ねながら歌いました。2004年の「ウラワン」では、観客が事前に販売されていたうちわ(片面に美和さん、もう片面にまささんがカエルに扮しているイラストが描かれている)をコーラスの部分で歌いながら縦に動かすという企画が行われましたが、好きな方を表面にするよう美和さんがMCで観客に頼んだため、美和さん・まささんのどちらのイラストがより多く表になっているかが興味深いものでした。私はうちわは買っていなかったので判定はできませんでしたが(苦笑)、私の行った3月21日のライヴでは美和さんの方が多かったらしく、まささんがひがんでいました。すると急にみんながまささんを表にしていたのが面白い光景でした(笑)。
この曲の英語版が「SING OR DIE -WORLDWIDE VERSION-」に収録されています。こちらもコミカルな感じが生きています。
個人的には結構好きな曲で、盆踊りの音頭なんかで流れてたら面白いなぁなんて思ったりしています(リズムがそれっぽいので)。ドリカムがコメントしていたように「ヒの字音頭」がリリースされた時には「ケロケロ音頭」をc/wに収録してほしいです(笑)。