SUNSHINE
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、手拍子
中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル、手拍子
武藤良明:エレクトリック・ギター
佐々木史郎:トランペット、トランペット・ソロ 佐久間勲:トランペット
吉田治:テナー・サックス 河合わかば:トロンボーン
大儀見元:パーカッション、手拍子、MC ダンテ・ラミネス:MC(album versionのみ) D THE 369:バッキング・ヴォーカル
他に、プログラミングされたシンセ音、ピアノ、ストリングス、パーカッション、ドラムス
ライヴ履歴 2006年「THE LOVE ROCKS」 2007年、DWLで登場 2009年「WINTER FANTASIA 2009」
2005年11月に『JET!!!』との両A面シングルで発売されたナンバー。朝の情報番組「めざましテレビ」のテーマソングとして使用されました。両A面の非メインサイドとはいえ、ドリカムのシングル曲としてはもっとも異色です。それもそのはず、この曲はレゲトンのリズムを取り入れているからです。レゲトンとは、サルサとヒップホップを混ぜた感じのラテン系のリズムのことで、最近のNYで流行しているそうです。美和さんもまささんもNY滞在中にレゲトンのとりこになったらしく、「レゲトンで1曲!」と思い立ったそうです。こうした系列のドリカムナンバーといえば『どうやって忘れよう?』が思い浮かびますが、そのリズムを強調した感じがこの曲、といえるでしょう。
シングルに収録されたヴァージョンと、アルバム「THE LOVE ROCKS」に収録されたヴァージョンは若干違いがあります。アルバムヴァージョンには、ヴォーカルが入る前にシンセ音が入り、アウトロがフェイドアウトせず長いインストが加えられ、さらにイントロなどでMCが多くなっています。
ドラムスはプログラミングによるものですが、レゲトンのダンサブルで複雑なリズムを作っています。また、パーカッションにサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」で活躍中の大儀見元さんが参加していて、多彩で派手なラテン・サウンドを印象付けています。サルサとくればブラス・セクションも印象的ですが、おなじみの佐々木史郎さんが間奏でトランペット・ソロを披露しています。アルバムで聴けるアウトロでは、ピアノソロも登場します(『KUWABARA KUWABARA』を思わせる)。いかにもラテン!といった感じで、短時間で自分なりにレゲトンを吸収してしまった2人に驚きです。
メロディは、メロがラップのようになっています。サビもかなり早口で、ダンサブルなリズムに乗ってどんどん過ぎてゆきます。そんな早口風のメロディにのせて歌う美和さんのヴォーカルはどこか面白みがあふれています。コーラスも多彩で、まささんの他に大儀見さんまでも歌っています。また、D THE 369もバッキング・ヴォーカルで参加。「Ho!Hey!」の部分がそうだと思います。ちなみに次曲『ていうか』にも参加しています。さらにアルバムヴァージョンにはダンテ・ラミネスのMCが加えられよりソウルフルに仕上がっています(低い方)。シングルでも聴けるMC(高い方)は、大儀見さんです。ダンテ・ラミネスと大儀見さんのMCは共にスペイン語だと思われます。
歌詞は、ダンサブルなリズムに合ったかのような楽しいものです。美和さんがNYで散歩中に10ドル札を見つけたエピソードから発展させて、下ばかり見ていたら起きた出来事を描きながら、くよくよするのをやめて元気を出していこう!ということを歌っています。サビの部分は「〜る」で統一されていて語呂がよくなっています。
この曲にはミュージック・ヴィデオもあり、「THE LOVE ROCKS」の初回限定盤付属のDVDにメイキングと一緒に収録されています。日本中でヒップホップが大流行している様子を、伊藤淳史さん(ドラマ「電車男」で有名)演じる「桃井田ハチ」を中心に描いたユニークなストーリーです。ちなみに、「桃井田ハチ」は伊藤さんがドリカムの映画「アマレット」に出演した時の役名と同じです。ストーリーパートには最近のドリカムのライヴでおなじみのマーセラス・D・ニーリーやSHIGE&KEITAも登場しています。所々美和さんとまささん、大儀見さんの演奏シーンが入りますが、これは東京湾沿いの某所で撮影されたもの。後半はエキストラの若者たちが多数集まり一緒に踊ります。
この曲がライヴで初めて演奏されたのは、上原ひろみさんとのコンサート「SWITCH 20th Presents SWITCH ON LIVE Vol.4」(2006年1月)でのこと。その後、アルバムツアーや2007年のDWLでも演奏され盛り上がりました。また、2010年のリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」にはリミックス・ヴァージョンが収録されました。オリジナルの音源をかなりいじっていて、実験的であると共にめちゃくちゃダンサブルに変貌していてファンなら必聴です。
こういう系のドリカムナンバーは好き嫌いが分かれそうで、その点をまささんも気にしているようですが、私は好きですね。昔よりラテン系の曲を多彩にこなしてきたドリカムですが、最先端の流行のレゲトンを持ってきて消化しているのがすごいです(レゲトンよく知らないんですけどね)。こういうドリカムの尽きせぬ音楽への関心はこれからも続けていっていただきたいですね。まだライヴで演奏されたのは少しですが、盛り上がること間違いなしでしょう!