めまい
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル
武藤良明:エレクトリック・ギター
グレッグ・アダムス:トランペット、フリューゲルホルン チャック・ファインドリー:トランペット、フリューゲルホルン
トム・スコット:テナー&バリトンサックス スティーヴ・ホルトマン:テナー&バストロンボーン
濱田尚哉:ドラムス パウリーニョ・ダ・コスタ:パーカッション
他に、プログラミングされたシンセ音、ロードピアノ、ストリングス、ハープ、一部ドラムス
ライヴ履歴 2006年「THE LOVE ROCKS」 2007年、DWL「POWER PLANT SPECIAL LIVE」で登場 2009年「WINTER FANTASIA 2009」
アルバム「THE LOVE ROCKS」に収録された、美和さんとまささんの共作によるバラード。「以前はバラード・タイプを歌うのに抵抗があって、でもそれが、前作の『はじまりのla』でもうやってもいいんだと思って。正にそういう思いがあったからこそ、こういうクラシックな、ポップスにおいてのバラードをやってみたかった、というか、挑戦してみたかった」と美和さんが語るように、『はじまりのla』を意識した形跡も見えますが、そのメロディには『悲しいKiss』『す き』など初期〜中期におけるバラードの名曲にも通じるものがあります。デビューの頃から脈々と歌われ続けていった正統派ドリカムバラードです。
曲は、徐々に音が増えてゆくアレンジになっています。ほぼすべて生楽器なのに注目。流れるようなストリングスとエレピが美しいイントロ、静かに過ぎてゆく第1節〜第2節を経て、後半の転調に突き抜けるまでの展開が効果的です。楽器的には先述のストリングスとエレピが曲の雰囲気を決めています。ドラムスは生演奏で、なんと!エピック中後期ドリカムのセッションを支えた濱田尚哉さんによる演奏です!このカムバックはファンにとって非常にうれしい話です。生楽器ということやバラードということから、全体的にアコースティックでやさしい感じです。
バックの演奏以上に圧巻なのが美和さんのヴォーカルです。サビのどこまでも伸びる部分や、後半の感情を込めた部分は、美和さんでなければ表現できない歌声を堪能することができます。その声量は『悲しいKiss』から寸分も衰えていません。さすが美和さん!サビの最後ではまささんも歌っています。歌詞は、恋人と別れる日の主人公の気持ちを歌った、胸がキュンとなる悲しいラヴソングです。季節は春で、散りゆく桜の花びらや、恋人が車で去ってゆく様子がうまく描写されています。
この曲は、2006年3月18日・19日の2夜連続で放送されたTVドラマ「愛と死をみつめて」のテーマ曲に起用されました。このドラマの予告はこの曲の発表前に既に流れていたため、ドリカムの「新曲」にファンの間で大きな話題となりました。なお、ドリカムはこのドラマ用のもう1つの主題歌として、1964年に青山和子さんが歌って大ブームとなった『愛と死をみつめて』も美和さんのヴォーカルでカヴァーして提供しましたが、ドラマで公開されただけでCD化はされていません。
ライヴでは、2006年のアルバムツアーが初登場で、2007年のDWLではファンクラブ会員限定ライヴ(POWER PLANT SPECIAL LIVE)でのみ演奏されました。「春」の歌だから、という理由だそうです。ただ、2009年には「WINTER FANTASIA」で演奏されてもいますが・・・。
また、2010年のリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」にはリミックス・ヴァージョンが収録されました。オリジナルの音源をかなりいじっていて、正統派ドリカムバラードがメカニカルで刺激的なアレンジに変貌しています。
TVドラマの主題歌となったことで、この曲は早くもファンの間で人気です。アルバムソングとしては異例です。しかし、なんといっても正統派ドリカムバラードということ、美和さんのソウルフルなヴォーカルが堪能できることが、この曲の魅力ですね。私は、この曲を聴いたとき『悲しいKiss』を思い起こしてしまいました。美和さんの歌う悲しいラヴソングは、どの時代の曲も胸を打ちますよね。これからもたくさんバラードを作って、あの美和さんのヴォーカルで聴かせてほしいですね。ちなみに、私はTVドラマは見なかったです・・・。ですので、『愛と死をみつめて』のドリカムヴァージョンは聴きそびれました(汗)。