冷えたくちびる
|
演奏者 吉田美和:ヴォーカル
デイヴィッド・T・ウォーカー:ギター チャック・レイニー:ベース
ハーヴィー・メイソン:ドラムス ジェイ・ワインディング:キーボード
ラルフ・マクドナルド:パーカッション
ライヴ履歴 1996年「beauty and harmony」
美和さんがソロで発表したジャズ・テイストの曲。曲調はスローで、暗く夜の雰囲気が漂います。セッションに集まったジャズの巨匠たちによる演奏が、元々ジャズ風のこの曲によりジャジーな味わいを与えています。デイヴィッド・T・ウォーカーの繊細なギターや、重々しいドラムスが聴き所。曲は途中でテンポアップ、少し明るい雰囲気になります(同じく美和さんのソロ『お願いします』にも登場する構成)。ここではジェイ・ワインディングはキーボードではなくピアノを演奏。後半はまたスローで暗くなり、長いアウトロを経て静かに終わります。アドリブやジャムを多用するジャズらしい構成になっています。
歌詞は、冷たい雨の中懐かしい恋人とのキスを思い出しながら泣いている様子を描いたもの。言葉少ない中にせつない気持ちを凝縮しています。そしてこの曲最大の聴き所は美和さんのヴォーカル。初めから終わりまで大人っぽいハスキーな歌声を聴かせます。一般的に美和さんといえば、明るいドリカムナンバーを思い浮かべると思いますが、こんな低いジャズ風のヴォーカルも大変上手にこなします。また、ジャズらしくスキャットも多めで、テンポアップした間奏での明るいものや、アウトロでのギターとのユニゾン・ヴォーカルなどを披露しています。ジャズ・スタイルの曲が多い美和さんのソロ・ナンバーの中でも、美和さんのジャジーな雰囲気が格別に楽しめる1曲です。
キャッチーなドリカムナンバーを聴き慣れている方にとって、美和さんのソロのジャズっぽさは最初のうちは慣れないかもしれませんが、ジャズ風ヴォーカルは美和さんのもう1つの大きな魅力ですのでぜひ聴きましょう。この曲でのハスキーさは鳥肌ものですね!次作の『the lessons』なんかもそうですけど。個人的にもこういう雰囲気好きですね。間奏のテンポアップ面白いです。あと、歌詞がなかなか技巧的だと思います。出だしの「空が泣いて 街を冷やす」、個人的には気に入っているフレーズです。