泣きたい
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
デイヴィッド・T・ウォーカー:ギター チャック・レイニー:ベース
ハーヴィー・メイソン:ドラムス ジェイ・ワインディング:キーボード
マイケル・ブレッカー:サックス ラルフ・マクドナルド:パーカッション
ライヴ履歴 1996年「beauty and harmony」
美和さんのソロ・ナンバー。とても悲しいバラードです。その演奏時間は6分45秒。ドリカムとその関連の曲で3番目に長い演奏時間です。(1位は『未来予想図II』、2位は『銀河への船』。オリジナル・アルバム収録のヴァージョンで換算)その長い演奏時間の中に、ベテランによる各楽器の自由自在な演奏を堪能することができます。
イントロにはジャズの趣が感じられます。サックスとピアノの自由自在なこの部分のソロは必聴です。それ以外の部分は、どちらかといえば当時のドリカムの作風に似た感じがしますが、この曲より少し前に発表された美和さん作曲のドリカム・ナンバー『す き』に大変メロディが似ています。焼き直しと言ったらひどいですが、コードを再利用したという所でしょうか。間奏ではドラムスが、アウトロではギター、サックスとドラムスが自由自在なアドリブ演奏を聴かせます。
歌詞は、自分との恋に興味を失った恋人を知って一人悲しみに暮れる様子を描いたもので、これも『す き』の歌詞に共通するものがあります。サビでのヴォーカルとコーラスの追いかけスタイルが印象的です。美和さんは深くソウルフルなヴォーカルを展開しています。
この曲のミュージック・ヴィデオが、美和さんのライヴDVD「concert tour beauty and* harmony」に収録されています。基本的に室内でたたずむ美和さんを撮ったものです。悲しげな表情の赤いドレスを着た美和さんがきれいです。花瓶が割れる様子が時々入りますが、歌詞での恋の破綻を表すかのようです。
この曲、毎度聴くたびに『す き』に非常に似ていると感じます。ちょうど時期も同じ頃ですし。『す き』をバンド・サウンドにしたらこの曲のような感じになるのでしょうね。もしかしたら『す き』の続編なのかもしれません。この曲は美和さんの悲しげなヴォーカルと、各楽器のソロが聴き所ですね。演奏時間がやたらと長いのが気になりますが、その分演奏を堪能できるということで(苦笑)。