サヨナラ59ers!
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、手拍子
中村正人:ベース、プログラミング、バッキング・ヴォーカル、手拍子
武藤良明:エレクトリック・ギター アル・ディ・メオラ:アコースティック・ギター・ソロ
大儀見元:パーカッション(ティンベル、カウベル、スプラッシュ)、手拍子
他に、プログラミングされたピアノ、ストリングス、シンセブラス、ドラムス、パーカッション
ライヴ履歴 2007年、DWLで登場 2009年「WINTER FANTASIA 2009」
ラテン・ムード漂うパーカッシブなダンスナンバー。花王AUBEのCMソングに使用されました。2007年のシングル「きみにしか聞こえない」のカップリングとして発売された後、同年のアルバム「AND I LOVE YOU」に収録されました。シングルとアルバムに収録されたものは若干内容が異なり、アルバムヴァージョンにはイントロにフラメンコ風の手拍子とコーラスが入っています。
情熱的なラテンテイストの曲として、『どうやって忘れよう?』『SUNSHINE』がありますが、この曲はその系譜に入ります。大儀見さんが繰り広げるパーカッションやブラス・セクションがラテン・ムードを繰り広げていますが、何と言っても特筆すべきなのがスパニッシュ・ギターでしょう。これまでも『愛してる 愛してた』や『SNOW DANCE』で登場した楽器ですが、今回演奏しているのはアル・ディ・メオラ。ジャズ・フュージョン界でギタリストとして活躍しています。当初彼を紹介されたドリカムは大物のディ・メオラが呼ばれたことに驚いたそうですが、美和さんが思い描いていたギターの早弾きのイメージにぴったりということでそのまま起用されました。イントロからエンディングまで、随所で早弾きの名演を聞かせてくれます。アルバムヴァージョンに収録されているイントロの手拍子もラテン色を出しています。
タイトルにある「59ers(フィフティーナイナーズ)」の語源は、2006年の「THE LOVE ROCKS」ツアーに遡ります。5月6日に行われた広島公演がちょうど美和さんの誕生日に当たり、美和さんは観客からお祝いの言葉をたくさん貰いました。そのうれしさあまり美和さんは泣き出してしまうのですが、それを見たまささんが「吉田美和、59(フィフティーナイン)です!」とMCで返しました。「号泣」を「59」で表したことになります。このエピソードから発展させて、「泣き続ける人」=「59ers」という造語が生まれたのです。歌詞は、それを反映させて、失恋してしまった主人公が「59ers」状態を脱出したいと願う様子が歌われています。美和さんのせつなげなヴォーカルと、「ナナナーナナー」のコーラスが印象的です。
面白いことに、この曲は中盤で急にテンポが速くなります。そしてこの部分では、美和さんの早口ヴォーカルが炸裂します!次から次へと畳み掛けるように歌われるこの部分のメロディは、美和さんでないとなかなか歌いこなせないといえるでしょう。美和さんに脱帽です。歌詞もこの部分では美和さんらしくいろんな話題に飛んでゆくのが面白いです。
この曲がライヴで初めて演奏されたのは2007年のDWLでのこと。当時は発売されたばかりということで注目を浴びました。演奏するのは難しそうですが、ちゃんと早口ヴォーカルの部分も再現されていました。その後、2009年の「WINTER FANTASIA」でも演奏されています。また、2010年のリミックス・アルバム「DREAM CATCHER -DREAMS COME TRUE MIX CD-」にはリミックス・ヴァージョンが収録されました。オリジナルの音源をかなりいじっていて、かなり面白い仕上がりです(苦笑)。
この曲のようなラテン系ナンバーは、アルバムに1曲の割合で出てきますが、今回もまた奇抜で面白い曲が出てきた!と思いましたね。やはりアップテンポになる箇所が面白いですね。歌詞も美和さん節炸裂で失恋ソングなのに楽しいです。ライヴでも今後もやってくれたら盛り上がるだろうなぁと思います。