| 演奏時間：1'52" |
| 収録アルバム：「AND I LOVE YOU」１３曲目 |
| 作曲・作詩：吉田美和 編曲：中村正人 |
| プロデューサー：DREAMS COME TRUE |
| レコーディング：岡村弦 ミキシング：エド・テュートン |
| 有名度 ★★☆☆☆ |
| 人気度 ★★★★☆ |
| 管理人お気に入り度 ★★★☆☆ |
| このサイトでの略称・・・ＡＩ−１３ |
AND I LOVE YOU
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演奏者 吉田美和：ヴォーカル
中村正人：プログラミング
武藤良明：アコースティック・ギター
大谷幸：ピアノ
他に、プログラミングされたストリングス
ライヴ履歴 なし
美和さんが、夫の末田健さんに捧げたラヴ・バラード。末田さんは、映像ディレクターとして多くのアーティストの映像作品を手がけてきた方で、ドリカム作品でも『いつのまに』『カノン』『もしも雪なら』といったミュージック・ヴィデオなどの映像作品を監督しました。そうしたきっかけで2004年5月に美和さんと結婚し、幸せな生活を共に送っていた末田さんでしたが、ドリカムが5度目のDWLに出向いた2007年に肺細胞腫瘍という病に襲われ、同年9月26日に闘病生活の末に惜しくも亡くなりました。最愛の人を突然失ってしまった美和さんの悲しみは大きく、しばらくは仕事もできないほどのショックを受けましたが、そんな中、末田さんへの想いを伝えるべく制作途中だったアルバム「AND I LOVE YOU」に急遽収録されたのが、この曲でした。おそらく既に大半が完成していたと思われる収録曲の中からアルバムのタイトルに選ばれていることや、アルバムが末田さんに捧げられていることからも、この曲がアルバムの中核となったことが分かります。それほど、私たちに計り知れないほどに、末田さんの死は美和さんにとって大変大きくつらい出来事であり、そんな中で美和さんが選んだ行動は、末田さんにラヴソングを捧げることだったのです。
この曲は、アルバムの最後に収録されています。2分にも満たない小曲で、1つのメロディの繰り返しで出来上がっている曲ですが、シンプルな分美和さんの深い悲しみがひしひしと伝わってきます。短期間で作られたものの、非常に美しいメロディを持っています。演奏もシンプルで、アコースティック・ギターとピアノ、そして後半から入るシンセ・ストリングスのみで構成されています。かつての『dragonfly』をほうふつさせる、こちらも美しく物悲しい響きです。
歌詞は、美和さんが末田さんへの想いをストレートに打ち明けたもの。普遍的なラヴソングが主流のドリカムナンバーの中では極めてパーソナルな内容ですが、それは当然のことでしょう。イントロなしに歌い始める美和さんのヴォーカルは落ち着いたように聞こえますが、レコーディング・セッション中では何度も感極まって歌えなくなり泣き出してしまったそうです・・・。末田さんを失った美和さんの心情が率直に歌に込められていますが、末田さんは長い旅に出たと考えることに決めたこと、これからは1人でいろいろな苦難を乗り越えていかねばならない、そのつらい気持ちも、赤裸々につづっています。また、美和さんを気遣う多くのファンへのメッセージも入っており、「私情をみんなに聞かせて申し訳ない」と歌われています・・・。そして最後は、末田さんにずっと見守ってほしい、という気持ちを歌い上げます。最初から最後まで、間奏なしにこれらの歌詞が穏やかに歌われるので、とてもせつなく感じられます。美和さんは、コメントを発表する代わりに、この曲を通して私たちに胸の内を明かしてくれたのです。
歌詞中で、「この歌を人前で歌うことはないだろうけど」という一節が出てきますが、その通りに、現在この曲がライヴで演奏されたことはありません。私は、美和さんの意向で、この曲が今後一度もライヴで歌われることがなくても、構わないと思っています。これまでみんなのためのラヴソングを発信し続けてきた美和さんにとっての、夫に捧げたプライベートなラヴソングなのですから・・・。
この曲に関しては、もう自分の嗜好性関係なしに、非常に心を打たれる作品として純粋に好きです。いや、好き嫌いの判断が意味を成さないほど、重い作品だと思います。末田さんを失った美和さんの気持ちは、我々ファンが思う以上に計り知れない、大きなものがあります。私も、このページでどう解説・コメントすればいいのか非常に苦慮しました・・・。それだけプライベートな内容であり、いつものドリカムナンバーとは全く性質の異なる曲です。そんな曲を、本当に苦しい中私たちに歌って、現況を報告してくれた美和さんに、ありがとうの気持ちを伝えたいです。それにしても美しい曲です。コメントできないほどに・・・。