ディスコグラフィ 〜オフコース・シングル一覧〜

 (赤字はアルバム未収録曲、緑字はアルバム未収録ヴァージョン、青字はミックス違い)

 

群衆の中で陽はまた昇る

1970年4月5日発売

オフコース(当時はジ・オフ・コース)のデビューシングル(ジャケットがすごい)。幻のメンバー・地主道夫が参加した唯一のレコードです。2曲ともアマチュア作曲家の曲のカヴァーで、オフコースらしくないです。デビューしたてなので仕方ないですが・・・。A面はYassさんの歌う暗〜いナンバー(爆)。B面は逆に小田さんが歌う希望感あふれるフォークソングです。こちらは現在入手困難です。

夜明けを告げに美しい世界

1971年10月5日発売

地主さんが脱退し、小林和行さん(小田さんとYassさんの後輩)がサポートメンバーに入ったシングル。A面はこれまたレコード会社が提供したカヴァー曲(加藤和彦作曲)ですが、B面に注目。これは小田さんの自作曲で、初めて陽の目を見た小田ナンバーです!曲自体は磨かれていないダイアモンドの原石、といった感じです。これも入手困難な曲です。

おさらば悲しきあこがれ

1972年4月25日発売

小田さん・鈴木さんと一緒に映っているのは小林さんと臨時ドラマー吉田浩二さん。一時的に4人編成に。ここから「オフ・コース」名義となりますが一般的にはここまでをアマチュア時代と区切ります。2曲とも当時の売れっ子ライター・東海林修の曲でこれまたカヴァーです。A面は転調とコーラスが印象的な曲で、アマチュア時代中もっとも明るい曲です。B面はYassさんの歌う曲でこれも入手困難です。

僕の贈りもの/めぐり逢う今

1973年2月20日発売

オフコースの実質的なデビューシングル。ジャケットは2種類あったそうです(左写真はA面がマヨネーズのCMに使用された時のもの)。「僕の贈りもの」は初めてA面に収録された自作曲で、小田さんが初めて作った曲とされています。エヴァーグリーンな名曲です!一方、B面はアルバム未収録曲。なんと、A面と同じイントロで始まります。こちらの方が軽快です。

もう歌は作れない/はたちの頃

1974年4月5日発売

2曲ともアルバム『この道をゆけば』に収録されています。A面は小田さん自身がアレンジを担当したバラード。アルバムでは「別れの情景(2)」という副題がついています。B面は、Yassさんの作詞・ヴォーカル曲で昔を振り返る内容の歌です。

忘れ雪水いらずの午後

1974年10月20日発売

なぜかカヴァーが復活したシングル。2曲とも筒美京平が作曲。恐らくレコード会社の戦略でしょう。A面はさだまさし風のバラード。発売当時のライヴで小田さんが「グレープはやりたくない」という理由でレコード会社に無断で演奏しなかったことは有名な話です(「忘れ雪事件」)。B面はYassさんの歌う軽快なナンバー。オリジナルでないのがもったいないかな。以降、オフコースは自前主義になります。

眠れぬ夜/昨日への手紙

1975年12月20日発売

アルバム『ワインの匂い』と同時発売のシングル。2曲ともアルバム収録曲です。A面はオフコース初のヒット曲となった今でも人気のナンバーで、ポップ感を初めて打ち出した曲。西条秀樹がカヴァーして有名になりました。一方B面はYassさんが歌う心温まるアコースティック・バラード。

ひとりで生きてゆければ/あいつの残したものは

1976年5月5日発売

後にオフコースに加入することになる大間ジローさんが初めてレコーディングに参加したシングル。A面は青春への決別を歌ったバラードで、小田さんの声が訴えかけます。アルバム『SONG IS LOVE』にも収録。一方B面はアルバム未収録曲でYassさんが歌うカントリー・フレーバーあふれる曲。でも歌詞はシリアスです。

めぐる季節/ランナウェイ

1976年10月5日発売

2曲ともアルバム『SONG IS LOVE』に収録されています。A面はミディアムテンポのナンバー。珍しく女性の視点から見た恋を歌っています。ハーモニカはオフコースのバックになったばかりの松尾一彦さん。マックスファクターのCMソングにもなりました。B面はYassさんのロック・ナンバー。散りばめられたキーボード・サウンドとドラムスが印象的です。Yassさんのソロ・ライヴでは十八番の曲です。

こころは気紛れあなたがいれば

1977年2月5日発売

A面・B面ともにアルバム収録曲ですが、シングルとアルバムでは全く違うテイクです。A面は『SONG IS LOVE』収録曲で、「眠れぬ夜」の続編といえるべきナンバー。初めて小田・鈴木・松尾・清水・大間の5人が揃ったレコーディングとなりました。B面は『JUNKTION』に収録されることになるYassさん作曲・小田さん作詞のバラード。アルバムでは間奏がジャズ・アレンジになっていますがこちらにはなし。

秋の気配/恋人よ そのままで

1977年8月5日発売

このシングルより「オフコース」表記に。2曲とも『JUNKTION』収録曲。A面は今でも根強い人気のある小田さん作の名バラード。横浜の「港の見える丘公園」を舞台にした失恋歌です。後年小田さんがリメイクを残しています。B面はYassさん作のゆったりとしたナンバーです。

ロンド/思い出を盗んで

1977年11月20日発売

オフコースで唯一Yassさんの曲がA面となったシングル。その記念すべき曲「ロンド」は、母に捧げたやさしいアコースティック・バラード。TVドラマ「ひまわりの家」の主題歌になりました。アルバム未収録です。B面は小田さんの曲で『JUNKTION』に収録された曲で、どんどん変わってゆくリズムが印象的です。歌詞はファンの間で人気が高いです。フルートは小田さんが演奏!

やさしさにさようなら通りすぎた夜

1978年4月5日発売

2曲ともアルバム未収録曲です(ただし直後にリリースされたベスト盤には収録されている)。A面は小田さんのヴォーカルが柔らかくやさしい悲しいラヴ・バラード。B面はYassさんの曲でファンに人気の隠れた名曲です。

あなたのすべて/海を見つめて

1978年7月20日発売

ソフト&メローのアルバム『FAIRWAY』の先行シングル。A面は初期の香りを残しつつもロックの重さを感じさせる曲。小田さんいわく「変てこ」な曲で、試行錯誤の程がうかがい知れます。一方のB面はアルバム未収録曲で、Yassさん作の佳曲。Yassさんって、本当にシングルB面に佳曲を残していますね!

愛を止めないで/美しい思い出に

1979年1月20日発売

オフコースが5人編成になって初めてのシングル。A面は、ロック色を打ち出したオフコースの代表曲。ライヴでも定番で、後年小田さんもセルフ・カヴァーしている名曲中の名曲。この曲のヒットからオフコースはロック・バンドに成長してゆきます。一方B面は『FAIRWAY』に収録されたYassさんの曲で、まだ初期の匂いを漂わせるAOR風バラードです。ブラス・セクションが渋いです。

風に吹かれて/恋を抱きしめよう

1979年6月5日発売

アルバム『Three and Two』の前にリリースされたシングル。ジャケットがなんか楽しそうです。A面はアルバム未収録曲で、ギター中心のサウンドと小田さんのハイトーンヴォーカルが印象的なミディアム・ロック。B面は『Three and Two』に収録されるYassさんの隠れた名曲。軽快なリズムにのせてキャッチーに恋を歌う楽しいポップ・チューンです。

さよなら/汐風のなかで

1979年12月1日発売

オフコースを全国的に一躍有名にしたシングル。A面は小田さんが「ヒットさせようと思って」作った別れのロックバラードで、案の定オフコースの最大ヒットに。オフコースといえばこれを思い浮かべる方も多いことでしょう。ダイナミックなアレンジと美しいハーモニーは何度聴いても感動もの!しかもアルバム未収録なのがすごい!!B面は『Three and Two』収録のYassさんの美しいバラード。名曲です。

生まれ来る子供たちのために/この海に誓って

1980年3月5日発売

アルバム『Three and Two』からのシングルカット。A面はこの国の未来を小田さんなりに熟考した詞作が心に溶け込むメッセージソング。オフコースの幅広さが分かる1曲で、屈指のバラードです。一方B面はアルバム未収録曲。4人時代にけっこう多くの作品を残す松尾さんのオフコースで最初に発表された曲です。松尾さん自らが吹くハーモニカが印象的なちょっとコミカルな曲です。

Yes-No愛の終る時

1980年6月21日発売

「さよなら」に続く大ヒットシングル。オフコース・ブームをさらに加熱させました。A面はディスコ風のビートと歌詞が印象的な問答無用の名曲!アルバム『We are』にも収録されていますが、シングルでは冒頭にフリューゲルホルン(演奏は富樫要さん)のソロがあります。B面はアルバム未収録のYassさんの曲。ハードなギターや手拍子が印象的です。

時に愛は/僕等の時代

1980年12月1日発売

アルバム『We are』からのシングルカット。2人時代・5人時代では唯一全曲が小田さんの曲というシングル。A面はミディアム・テンポの、ファンに人気なナンバー。B面はやさしいコーラスが印象的です。

I LOVE YOU夜はふたりで

1981年6月21日発売

A面は1年後に同名アルバムに収録されることになるセンチメンタルなナンバー。アルバムヴァージョンでは間奏にジョン・レノンの死のニュースが入りますがシングルの方にはありません。逆に、シングルにはエンディングに子供のコーラスが入り盛り上がっています。シングルはイントロもありません。B面はアルバム未収録のYassさんの軽快なロックナンバーで、扱いがかわいそうな佳曲です。

愛の中へ/Christmas Day

1981年12月1日発売

アルバム『over』と同時発売されたシングル。A面はその冒頭を飾ったオフコースらしいロック色の濃いチューン。一方B面は、なんとクリスマスソング!!アルバム未収録でB面だったこともあり全然知られていませんが。小田さんとYassさんの共作で、オフコース流カロルといった感じ。この曲を作ったのは時季的な戦略?

言葉にできない/君におくる歌

1982年2月1日発売

『over』からのシングルカット。A面は、オフコースおよび小田さんの代表曲であり、永遠に歌い継がれるべき傑作。シンプルなメロディ・アレンジ、Yassさんへの思いを込めた歌詞、ハーモニカやストリングスなど「感動」そのものです。小田さんのセルフ・カヴァーもすごくいいのですが、オリジナルはこっち!ぜひ聴いてください。B面は逆にYassさんから小田さんへのメッセージソング。

YES-YES-YES/メインストリートをつっ走れ

1982年6月10日発売

Yassさんが在籍していた5人時代最後のシングルで、この後オフコースはいったん活動を停止します。A面は『I LOVE YOU』、B面は『over』収録曲。A面は当時としてはやけにポジティブな曲で、武道館ライヴでは観客が大合唱した人気曲。B面はYassさんのロック・ナンバー。「ひとりつぶやく/これでいいのか」という一節でYassさんの脱退に際する迷い・苦悩が見て取れます。

君が、嘘を、ついた愛よりも

1984年4月21日発売

活動停止していたオフコースは4人で活動を再開。そして復活第1弾シングルがこれです。両面ともアルバム『The Best Year of My Life』収録曲ですが、ミックスが異なります。A面はシンセドラムとハードなギターをフィーチャーしたサウンドと、恋の「修羅場」を歌った詞作がそれまでとはがらりと変わったことを教えてくれるロック・ナンバー。B面は松尾さんのとってもファンキーなナンバーです。

夏の日君の倖せを祈れない

1984年7月18日発売

A面は夏を思わせる爽やかなラヴソング。小田さんのハイトーンヴォーカルと、間奏のサックスが印象的です。『The Best Year of My Life』にも収録されていますが、シングルではイントロのドラムソロがありません。B面はアルバム未収録曲で、松尾さんが書いた力強く物悲しいバラード。あまりフィーチャーされることはありませんが、松尾さんの曲の中でも隠れた名曲です。ベスト盤に収録済みです。

緑の日々/CITY NIGHTS

1984年9月21日発売

『The Best Year of My Life』からのシングルカット第2弾。A面は、後期オフコースの代表曲として知られる力強いナンバー。一方B面は「哀しいくらい」(『over』に収録)の英語版。同じ曲の英語版で歌詞の違う「MELODY」は英語アルバム『Back Streets of Tokyo』に収録されていますが、こちらはアルバム未収録の上、現在入手不可能です。しかし、こちらの方が定評が高いです。再発を強く希望!

call2度目の夏

1985年2月21日発売

2曲ともアルバム未収録曲です。A面は、すっかり小田さんの持ち味となった恋の「修羅場」を歌ったラヴソングで、この時期らしいロック・サウンドを聞かせます。こちらはベスト盤で聴けるのでいいのですが、B面の方は現在入手不可能です。松尾さんの歌う軽快なナンバーで、秋元康を作詞に招いた最初の曲です。かなりの佳曲なので、「CITY NIGHTS」と共に再発を強く希望します。

たそがれLAST NIGHT

1985年5月21日発売

英語アルバム『Back Streets of Tokyo』と同時進行で制作されたシングル。2曲ともアルバム未収録ですが、英語版は先述のアルバムに収録。A面はハーモニーが美しいバラードで、英語版はあの「ENDLESS NIGHTS」。英語版が有名な分隠れた名曲です。B面は松尾さん作曲のオフコースとしてはかなり斬新なロック。間奏でヴォコーダーを使っているなど、'80年代サウンド満開です。

夏から夏までぜんまいじかけの嘘

1985年9月21日発売

これまたアルバム未収録曲。A面は激しいビートが衝撃的なロック・チューン。小田さんのヴォーカルは相変わらずですが。それにしても「夏の日」「2度目の夏」と、4人時代にはことさら「夏」シリーズが多いです(下でもう1つ出てきますよ)。B面は松尾さんの歌うノリノリのロック。ライヴでは大いに盛り上がった1曲です。「call」「たそがれ」「LAST NIGHT」とこの2曲はベスト盤『IT'S ALL RIGHT』に収録。

ENDLESS NIGHTS/EYES IN THE BACK OF MY HEART

1985年11月30日発売

英語アルバム『Back Streets of Tokyo』からのシングルカット。どちらもアルバム収録曲です。A面は「たそがれ」の英語版で、こちらもコーラスが美しいです。オフコースがLIVE AIDに日本代表として参戦した際に演奏された曲でもあり、海外でも定評のある1曲です。B面は「君が、嘘を、ついた」の英語版。

IT'S ALL RIGHT(ANYTHING FOR YOU)IT'S QUITE ALL RIGHT -Instrumental-

1987年3月4日発売

1年半ぶりの活動再開を飾ったポップなナンバー。前向きな歌詞が印象的です。シングルに収録されたのはアルバム・ヴァージョンとは違うもの。シングルはイントロが短くなっていて、間奏のソロがギターになっています(アルバムはサックス)。B面はタイトルが違うもののA面の純粋なインスト・ヴァージョン。こちらは現在入手困難です。

もっと近くに -as close as possible-/Tiny Pretty Girl

1987年5月25日発売

アルバム『as close as possible』からのシングルカットで、2曲ともアルバム収録曲。A面はTV番組「なるほど!ザ・ワールド」のテーマ曲となり話題を呼んだキャッチーなナンバー。間奏のサックスと後半の英語詞が新鮮です。B面は松尾さんと清水さんの共作曲で、ヴォーカルもこの2人が担当。当時のライヴでは異常なほどに盛り上がったポップ・ナンバーです。

君住む街へ君住む街へ -INSTRUMENTAL VERSION-

1988年1月25日発売

オフコースのラストアルバム『Still a long way to go』の先行シングル。この曲は、小田さんがオフコースの最後の最後で生み出した指折りの傑作です。生きることに苦しむ人を励ます歌詞が力強いです。小田・松尾・清水3氏がヴォーカルを分け合っています。レコードではB面がインスト版(入手困難)ですが、CDではヴォーカルなどが異なる「君住む街へ(Another Version)」が収録されています。

she's so wonderful/陽射しの中で

1988年7月25日発売

2曲とも『Still a long way to go』収録曲です。A面はオフコースとしては異例なシャッフル・ナンバー。メカニカルなドラムスとクールなギターソロがきまっています。B面は松尾さん作曲のAOR風ナンバーです。

夏の別れ/逢いたい

1988年10月25日発売

オフコースのラスト・シングル。2曲とも『Still a long way to go』収録曲です。当初は「昨日 見た夢」がシングルカットされる予定でしたが、急遽悲しい別れのバラードである「夏の別れ」に差し替えられたのも、解散を意識したものでしょう。B面は清水さんが作曲、吉田拓郎が作詞を担当したオフコースらしくない(爆)フォーク・ロック。こうしてオフコースは約20年の歴史に幕を閉じたのでした。

 

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