ディスコグラフィ 〜オフコース・5人時代〜

(このページのアルバムはすべて紙ジャケット仕様で再発されています。)

 

Three and Two

Three and Two

(1979年10月20日発売)

1.思いのままに  2.恋を抱きしめよう  3.その時はじめて  4.歴史は夜つくられる

5.愛を止めないで  6.SAVE THE LOVE  7.汐風のなかで  8.愛あるところへ

9.生まれ来る子供たちのために〜「いつもいつも」(1979.8.5田園コロシアムライブ)

 『SONG IS LOVE』からオフコースのバックを担当してきた松尾一彦・清水仁・大間ジローが、正式加入して初めてのアルバム。タイトルは「Three and Two」つまり「3と2」。さらに表ジャケットにはオリジナル・メンバーの小田和正・鈴木康博はいなく、新加入した3人のみが登場。小田と鈴木は裏ジャケットに。これは、オフコースが5人になったことの「宣言」であり、同時にこの5人は平等であるという意思表示でもあったのです。ただし、このアルバムでは新メンバーの曲は収録されず、小田さんとYassさん(鈴木康博)で分け合う形になっています。(1)で小田さんが歌うように、もはや2人でやっていた頃には振り返らず、新たな道へとオフコースは突き進んでいったのです。

 5人になって、オフコースはそれまでと打って変わってロック色が強くなりました。それは、新加入した3人がロック畑出身だったことが影響しています。小田さんが後年「あの3人によりロックを知ったことはよい勉強になった」と語っていますが、それまでフォークとアメリカン・ポップを調和させたような穏やかな印象だったオフコースが、ここで音楽的な転換点を迎えたのです。具体的にはドラムスやベース、ギターがうねるようなハードな音を出していることと、ヴォーカルが力強くダイナミックなものが増えたのが大きな違いです。小田さんも清水さんからシャウトの練習をかなり受けたそうです。

 オフコースがロックになったことは、小田さんの(1)(8)やYassさんの(4)(6)などでよく分かります。特に(6)は8分を越える大作ですが、その演奏時間中に多くのロック要素を見つけることができます。そして(5)は、それまでのオフコースの要素を残しつつもエレキギターとよりシャウトを聴かせたヴォーカルスタイルを取り入れたオフコースの代表曲。この曲のヒットにより、オフコースは徐々に一般的に認知されてゆくようになります。また、それまでのスタイルをほうふつされる曲も収録されています。Yassさんの(2)はキャッチーこの上ない軽快なポップ。(7)はYassさん作のバラードでもっとも愛されている曲の1つ。(9)「生まれ来る子供たちのために」は後にシングルカットされる名バラード。メッセージソングであることにも注目。

 オフコースのロック的アプローチが一番鮮明に出たのがこのアルバム。キャッチーさが強い次作『We are』と対比されることが多いですが、コアなファンはロック的なこのアルバムを推す人が多いようです。それもそのはず、このアルバムに対するオフコースの気合いの入れようは半端ではありませんから。

 最後に、(9)のボーナス・トラック的な存在の「いつもいつも」は、前作『FAIRWAY』にも隠しトラックとして入っていた曲。ここでは1979年の田園コロシアムでのライヴ音源が使用されています。短いながら、オフコースのコーラスの美しさとファンの熱狂ぶりが感じられます。

 

LIVE

LIVE

(1980年5月5日発売)

[DISC 1]

1.愛を止めないで  2.Run Away  3.恋を抱きしめよう  4.雨の降る日に  5.思いのままに  6.風に吹かれて

7.汐風のなかで  8.失恋のすすめ  9.老人のつぶやき  10.さわやかな朝を迎えるために  11.Chili's Song

[DISC 2]

1.歴史は夜つくられる  2.君を待つ渚  3.SAVE THE LOVE  4.生まれ来る子供たちのために  5.さよなら

6.のがすなチャンスを  7.愛を止めないで  8.僕の贈りもの(Instrumental)

 5人時代のオフコース唯一の公式ライヴ盤。2枚組です。このアルバムはひとつのコンサートからの音源ではなく、様々なコンサートの音源からチョイスした選曲になっています。1979年の「Three and Two」ツアーからの音源('80年2月の新宿厚生年金会館での模様が12曲と最多)が主ですが、(1−11)(2−8)は'77年の「オフコースの部屋」より。それぞれの音源の詳細はアルバムブックレットに記載されていますので参照を。

 アルバム『Three and Two』で5人編成になって以来、ロック色の強いバンドサウンドが定着していったことは周知の通りですが、ライヴのスタイルも初期とは異なってゆきます。会場や演出の規模が大きくなり、演奏もしっかりした確かなものに成長しましたし、それにより観客動員数も増加してゆきました。このアルバムでは、その変化の初期段階のライヴ音源をたっぷり堪能できます。

 音源はばらばらとはいえ、観客の拍手などでうまく編集されており自然に流れてゆきます。目立つのはバンド・サウンド。ロック色が色濃く反映された、骨太の演奏が印象的です。特に(1−5)(2−1)(2−3)などはオフコースのステロタイプ的イメージでは到底思いつかないような迫力ある演奏です。スタジオ録音版より演奏時間が長いのも特徴で、(1−5)(2−3)(2−7)などでは各メンバーの演奏が光ります。改めてオフコースが演奏面でも優れたバンドであったことを思い知らされます。特に(2−6)における大間さんによる長いドラムソロは圧巻!当時の生の緊張感がそのまま伝わってくるかのようです。(2−5)は大ヒットした直後の演奏。観客の反応も一回り大きいです。(2−8)はリコーダーによる演奏でほほえましいです。編集のためMCが少なめですが、小田さんがYassさんの(1−7)を紹介している部分が印象的です。

 このアルバムはYassさん(鈴木康博)の曲が多い[7曲]のが印象的で、Yassさんがいかにオフコースにとって欠かせない人だったかがわかります。松尾さんの曲も(1−11)(2−2)の2曲が収録されています。双方ともスタジオ録音されなかった曲で、前者はインスト。後者は間奏で加山雄三の台詞の物まねをしているのが面白いです。

 脂の乗っていた頃のオフコースのライヴ音源のベスト・セレクション、これを聴かずしてオフコースは語れません。

 

We are

We are

(1980年11月21日発売)

1.時に愛は  2.僕等の時代  3.おまえもひとり  4.あなたより大切なこと  5.いくつもの星の下で

6.一億の夜を越えて  7.せつなくて  8.Yes-No  9.私の願い  10.きかせて

 「さよなら」が大ヒットし、いよいよ世間の注目が集まりだしたオフコースが発表したアルバムのタイトルは「We are」。ジャケットはシンプルにメンバー5人の名前を書いただけ。オフコースは小田と鈴木の2人だけではない、5人が対等なバンドなんだ、という意思表示でした。収録曲も小田さんの曲だけではなく、Yassさん(鈴木康博)の曲が(3)(5)(6)の3曲収録されているほか、松尾さんの曲(7)が初めてアルバムに収録されました。もちろんこの曲のヴォーカルは松尾さん。

 そんなこのアルバムのレコーディングは、初の武道館公演の直後に始まりました。そして今作で初めて、日本でレコーディングした曲をアメリカに持っていってミキシングするという手法がとられました。これもオフコースの音に対するこだわりの結果でしょう。エンジニアに抜擢されたのは、TOTOなどを手がけるビル・シュネー。この後のオフコース・サウンド(と、小田サウンド)に欠かせない人物となります。シュネーの手腕により、音が鮮明になり奥行きを持つようになりました。収録曲は、前作『Three and Two』に引き続きロック・テイストあふれる曲が多いですが、より濃密なバンド・サウンドに仕上がっています。それは(1)(4)(6)などに顕著です。ここでオフコースのバンドとしての作風が昇華したといってもいいでしょう。

 そして何しろこのアルバムは、オフコースや各メンバーを語る上で外せない名曲のオンパレードであることが特徴的です。ミドル・テンポながらロック的な(1)はシングル発売されて人気に。そのB面だった(2)はファンの間で根強い人気を誇る曲。Yassさんの(6)は当時のオフコースがいかにロックしていたかを物語る、Yassさんの代名詞的名曲。松尾さんの秀作(7)はAORの空気感たっぷりの1曲。バラード系でも、ムードたっぷりの(10)、Yassさんが熱く歌い上げる(5)、後に小田さんのプロデュースで鈴木雅之がカヴァーする(9)と名曲が目白押し。そして、先行シングルの(8)は言わずと知れた大ヒットナンバー。「さよなら」で上がったオフコース人気をさらに加熱させた曲です。ただしここに収録されているのはシングルヴァージョンより短いもの。

 このように、バンドとしてのまとまりと楽曲のバラエティを持ったこのアルバムは、実際商業的にはオフコース最大のヒットアルバムとなりました。それは「さよなら」のヒットだけが原因ではなく、オフコースが音楽の幅を広げ成長したことの証拠でしょう。有名曲・人気曲がたっぷり入っているので、ベスト盤を買った後の1枚として最適です。

 そしてこのアルバムは新たなリスナーの層を広げることに成功しました。オフコースはまさに人気急上昇だったのです。

 

over

over

(1981年12月1日発売)

1.心はなれて  2.愛の中へ  3.君におくる歌  4.ひととして  5.メインストリートをつっ走れ

6.僕のいいたいこと  7.哀しいくらい  8.言葉にできない  9.心はなれて

 「さよなら」「Yes-No」の大ヒットで一躍「時の人」となったオフコース。しかし、その絶頂は陰で崩れ始めていたのです。言うまでもなく、Yassさん(鈴木康博)のオフコース脱退宣言です。内輪での会議中に「オフコースとは違った音楽をやりたい」と発言したのですが、その奥にはオフコースが小田さんにだけ注目が集まるようになっていたことに対する不満もあったのかもしれません。Yassさんの意志は固く、オフコースはここから「解散」へと向かってゆきます(結局「解散」はしませんでしたが)。しかし、人気が加熱してゆくオフコースをいきなり解散させるわけにはいきませんでした。そこでファンにそれとなく「解散」をちらつかせる方法を取ったのです。前作「We are」に対し今作は「over」。2つを連結させると「We are over」つまり「僕たちは終わった」という意味。

 さてその『over』は、ミキシングを前作に続きビル・シュネーが担当しています。レコーディング風景は、当時オフコースが出演したNHKのドキュメンタリー番組「若い広場」(DVD化済み)で垣間見ることができます。収録曲中、(3)(5)はYassさんの、(6)は松尾さんの曲。残りは小田さんの曲で、(1)(9)のストリングス・インスト。全体的に目に付くのが、悲しい感じの曲調です。ゆったりとした静かなものが多いです。そしてさらに要注目なのが詞作。Yassさんと小田さんの、「脱退」「解散」に関する心の葛藤・お互いへのメッセージが込められているのです。(3)はYassさんの小田さんへのメッセージ、(5)はYassさんの心の葛藤を歌ったかのようです。一方(4)(7)(8)(9)は小田さんからYassさんへ向けたメッセージのようです。そこには「諦め」のムードが漂っていて、小田さんの心境が痛々しいほど伝わってきます。

 中でも特筆すべきなのが、(8)です。印象的な「ラララ・・・」で始まるこの曲は、失恋ソングにも取れますが、小田さんのYassさんに対する諦めの気持ちが簡潔に素直に歌われています。そこでの感情は「悲しくて」「悔しくて」なのですが、最後は「うれしくて」なのに注目。小田さんのYassさんに対する限りない友情がこの言葉に詰まっているのです。そんな率直な気持ちが作用したのか、この曲はシングルカットされると大ヒット、今なお「名曲中の名曲」として親しまれています。後年小田さんがセルフ・カヴァーしていますが、これがCMソングとなり再び人気に。この曲をきっかけに小田さんやオフコースを知った人も多いはずです(私もです)。ちなみに、この曲の最後に小さく「We are over,thank you」という声が入っているのは今では有名な話。ここでも「解散」を意識しています。

 (8)の入っているアルバム、というのが売り文句となってしまうのですが、他の曲も絶品の数々です。シングル発売された(2)はハイトーンのコーラスが印象的な完璧なポップ・ロック。(5)は当時のオフコースがロックしていたことの何よりの証拠(武道館公演ではさらに迫力たっぷり)。松尾さんの(6)は当時としては斬新な構成を持った異色作。ミドル・テンポの(7)は、後年4人時代に「CITY NIGHTS」「MELODY」という2曲の英語詞ナンバーになった隠れた名曲。そしてクロージングの(9)は感動的です。どの曲も美しいメロディを持った力作ぞろいで、実質的な「ラスト・アルバム」である次作『I LOVE YOU』よりも圧倒的な人気を誇っているのもよく分かります。『Three and Two』『We are』もそれぞれ魅力がありますが、オフコースというバンドの限界すれすれの状況で生み出された本作は、中期オフコースの「名盤」と呼べるでしょう。歌詞にも耳を傾けると、より感動できますよ。

 

I LOVE YOU

I LOVE YOU

(1982年7月1日発売)

1.YES-YES-YES  2.素敵なあなた  3.愛のゆくえ  4.哀しき街  5.揺れる心

6.きっと同じ  7.かかえきれないほどの愛  8.決して彼等のようではなく  9.I LOVE YOU

 世間が「オフコース解散?」のニュースで持ちきりとなる中発表されたアルバム。TV番組のサントラ『NEXT』を除けば、Yassさん(鈴木康博)のいた5人時代のオフコースのラスト・アルバムとなりました。発売日は、あの伝説の武道館10日間公演(「over」ツアー)の最終日の翌日。まさにオフコースの去就に日本中の注目が集まっていた瞬間でした。

 収録曲のうち、(1)(9)は既にシングルで発表済み。そして残るアルバムナンバーは、『over』に比べると小振りな感を否めません。Yassさんの曲が(2)(3)(5)の3曲、松尾さんの曲が(4)(7)の2曲収録されています。また、このアルバムでは当時仲が険悪となっていた小田さん・Yassさんがお互いの楽曲に参加しないということがあったため、オフコースというよりは作曲者のカラーがにじみ出た曲が多くなっています。それまでのトレードマークだった小田さんとYassさんのコーラスワークが聴かれないのも大きな要因となりました。元々契約の関係上もう1枚アルバムを作る必要があったため急遽作られたらしく、以上の要因から、ラストアルバムにしてはあまり評価が芳しくないアルバムです。

 とはいえ、そこはかとなく「オフコースの終焉」を思わせる感じには仕上がっており「ラスト・アルバム」的ではあります(『over』よりは薄味ですが・・・)。曲調がどこか物悲しいものが多いのですが、それよりも注目すべきなのが詞作。前作で見せた小田さんとYassさんの「別離を前にした対話」があるのです。Yassさんの(3)は「もうやり直せない」「静かにひとつの時代が終わってゆく」と歌い、小田さんは(6)で「変わってゆくのは心も同じ」と歌います。これらの曲には「諦め」のムードが強く漂っていてアルバムのカラーを決めています。また、(8)のタイトルは同じように解散していったビートルズを自分たちに重ね合わせたものだと言われています。一方、松尾さんの楽曲はそれらとはまったく関係ない作風ですが、いずれも佳曲。特にムーディーな(4)はファンの間で人気の高い曲です(小田さんの「きかせて」を意識している?)。

 このアルバムには先述のように人気シングル(1)(9)が収録されています。(1)はこの時期には珍しい明るいポップ・ソングで、小田さんいわく「悲しさの反動」だそうです。小田さんがシャウト風ヴォーカルを聴かせます。(9)は美しいメロディが心打つバラードで、シングルとは違うヴァージョン。間奏にジョン・レノンの死を報じるニュースを読む声が入っています。これも、「オフコースの終焉」を暗示させているのでしょう。(1)(9)はシングルと違い、ビル・シュネーのミックスです。

 本人たちは『over』ですべて終わったと思っていたのか、このアルバムは残念ながら力作とは呼べません。収録曲もそれまでのアルバムに比べると弱いですし、オフコースの諸作を聴いてきた人にとってはオフコースらしさのあまり感じられないアレンジにがっくり来るかもしれません(ここら辺はコアなファンにしか分からなそうですが)。しかし、誰が何と言おうとこれが5人時代のオフコースのラスト・アルバム。そんな所に留意して聴くと素直に感動できます。音だけでなく、Yassさんと小田さんがそれぞれに捧げた歌詞にも耳を傾けてみましょう。ちなみに(9)をアルバムタイトルにしたのは、小田さんが今までのオフコースのすべてに「大好きだよ」と言いたかったからだそうです。

 

NEXT

NEXT

(1982年9月21日発売)

1.メドレー  2.流れゆく時の中で  3.眠れぬ夜  4.さよなら  5.一億の夜を越えて  6.さよなら

7.NEXTのテーマ −僕等がいた−  8.流れゆく時の中で  9.I LOVE YOU  10.YES-YES-YES  11.NEXTのテーマ

 Yassさん(鈴木康博)が脱退しオフコースは一時代を終えるわけですが、最後に5人揃って制作したアルバムがこの『NEXT』です。このアルバムは、1982年9月29日にTBS系列で放映された同名の特別TV番組(もちろんオフコースの自主制作!)のサントラにあたるため、実質的な5人時代のラスト・アルバムは前作『I LOVE YOU』となります。

 TV番組の内容はビートルズが制作した映画の影響を受けたようなコメディ・タッチのフィクション。「オフコースを解散してから5年後」のメンバーが、謎の男に誘拐されて強制的に1982年の武道館公演の再現、つまり「再結成」をさせられる話で、実際の武道館公演の模様を織り交ぜるなどオフコースの音楽にあふれたものでした。脚本・監督・音楽・主演はすべてオフコースで、後の小田さんの映画制作につながるものがあります。

 さてそのサントラですが、映像版では登場しない音源も収録して全11曲。サントラだけあってインストがけっこうありオリジナルアルバムとは純粋に呼べないのは仕方のないことです。しかしながら、そうしたインストもなかなか楽しめるのですから不思議。(3)〜(5)はオリジナルと同じ音源ですが、(6)はピアノとハーモニカのみの演奏で味わい深いです。そしてファンファーレに続いて始まる冒頭の(1)は、オフコースの初期〜中期の名曲の数々を「これでもか、これでもか!」という風に並べ立てた豪華なメドレー。息もつかせぬ編集で走馬灯を見ているかのようです。

 さらに、小田さんのピアノソロで始まる(9)はあの武道館ライヴからの音源!武道館ライヴはCD化されていないので貴重です!!ファンの「小田さ〜ん!!」コールが微笑ましいです(爆)。(10)も、スタジオ・ヴァージョンですが後半武道館ライヴの終演後にファンが大合唱した時の音源に切り替わります。ここらへんは映像版と合わせて楽しむとよいでしょう。

 そして2曲の新曲が収録されています。小田さんの(7)とYassさんの(8)。そこには一時代の「終わり」を噛み締めた2人がそれぞれ歌詞にメッセージを込めている姿があります。当然ながら美しいメロディと歌声、そして詞作。5人時代の覇気は感じられず、どこか寂しい雰囲気がします。当時の小田さん・Yassさんの心境をうかがい知ることのできる曲です。当然ながら美しいメロディと歌声、そして詞作。この2曲のためだけにもこのアルバムは持っておくべきです!!(2)(11)はそのストリングス・アレンジですが、オフコースの書くスコアの美しさに改めて脱帽してしまいます。

 結局、このアルバムはサントラうんぬんを抜きとしても十二分に楽しめてしまうのです。新曲が少ないのでオリジナルアルバムとは言いがたいですが、持っていて損はありません。映像版と一緒にお楽しみください。特に(7)はベスト盤にも未収録の名曲なのでぜひチェックのほどを。

 アルバムタイトルの示したオフコースの「NEXT」(次)、それは2年後に風貌を変えて復活した新たな時代の幕開けだったのです。

 

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