Jooju Boobu 番外編(3)

(2005.10.09更新)

Spirits Of Ancient Egypt(1975年)

 おひさしぶりです。「Jooju Boobu」番外編、3度目の登場です。番外編では、ポール以外のウイングスのメンバーがヴォーカルを取る曲や、カヴァー曲を紹介してゆくのですが、3度目となる今回もデニー・レイン関連の曲です。リンダさんやジミー、ジョーはまだまだ先になる、かもしれません・・・(汗)。そちら方面のファンの方には申し訳ないです。さて、3度目となるデニー・ナンバーとなる今回紹介する曲は、『Spirits Of Ancient Egypt』です。邦題は「遥か昔のエジプト精神」。これはストレートな直訳ですね。当時の突拍子ない命名の邦題に比べたら恐ろしく順当です(苦笑)。そんなこの曲ですが、これまで紹介してきた『Again And Again And Again』や『Deliver Your Children』とは決定的に違う点があります。それは、ヴォーカルを取るデニー本人が作曲にかかわっていない点です。つまり、この曲はデニー以外の人が書いたいわゆる「プレゼント曲」で、それを書いたのはポールでした。つまり、この曲はポールがデニーのために書き上げたのです。デニー本人が作曲に関与していないこの曲、デニーの素質に果たしてマッチしているのでしょうか・・・?そんな点も見ながら、今回はこの曲の魅力を語ってゆきたいと思います。

 この『Spirits Of Ancient Egypt』が発表されたのは1975年、ウイングス4枚目のアルバム「ヴィーナス・アンド・マース」でのこと。同時紹介となる第62回の『You Gave Me The Answer』と同じアルバムに収録されています。『Spirits Of Ancient Egypt』は、先述の通りデニーがヴォーカルを取っているのですが、ウイングスでポール以外のメンバーがメイン・ヴォーカルを取る曲が収録されたのは、1973年にシングル「007/死ぬのは奴らだ」のB面で発表された『I Lie Around』(ヴォーカルはデニー)以来2度目のことでした。

 ここで知っておきたいことが1つ。ポールがウイングスにかけていた想いです。ウイングスといえば何かと、元ビートルズのポールが結成した、ポールが中心で他メンバーはバックバンド・・・というグループだと勘違いされがちですが、ポールはそうした見方を嫌っていました。なぜなら、ポールが以前所属していたビートルズは、決して誰か1人が主役ではなく、4人全員が主役でした。ウイングスを結成するに当たり、ポールはビートルズと同じく、メンバー全員が主人公のバンドにしようと構想していたのです。決してポールのワンマンバンドではない、みんなが平等のグループなんだ、と。それは、ポールと共にステージに立つこととなった愛妻リンダへの配慮もあったと思いますし、何と言ってもビートルズが全メンバー均等のバンドだったゆえに人間関係的に成功したことが大きいでしょう(それゆえ解散も早まってしまった点もあるのですが・・・)。そうした信念の元、ポールはウイングス結成当初から他メンバーにスポットを浴びせる機会を作っていました。アルバムやシングルといったスタジオワークでは、レコード会社の反対もありなかなか実現しませんでしたが、ステージでは他メンバーのコーナーを設けて、観客にメンバー全員を知ってもらおうと努めていました。こうしたポールの想いは、メンバーを2人も失ってしまった「バンド・オン・ザ・ラン」期を境にますます強くなってゆきます。そして、その信念が色濃く表れたのが、「ヴィーナス・アンド・マース」だったのでした。

 「ヴィーナス・アンド・マース」は、新たにメンバーを2人増強し再び5人編成となった上で、ライヴ再開・・・しかも初のワールド・ツアー開催を目指して制作された自信作だったわけですが、ここにデニーの歌う『Spirits Of Ancient Egypt』が収録されたのです。アルバムにとうとうポール以外のメンバーがメインをつとめる曲が採用されたのです。一時期バンドの危機を味わったウイングスを、なんとかして団結力を強くしようとポールが考えた結果でした。他メンバーのヴォーカル曲も入れることでウイングスがメンバー全員が主人公のバンドであることを内外に示し、メンバー全員にスポットを浴びさせ周知を図る共に、各自にメンバーとしての自覚を強く持たせる狙いがあったと思います。このアルバムには、この曲の次に『Medicine Jar』という曲がありますが、これはジミー・マッカロクが作曲・ヴォーカルを担当した、ポールがノータッチの曲であり、ここでもポール以外のメンバーに活躍の場を与えています。アルバム全体もバンドサウンドがより強調されたタッチに仕上がりましたが、それはメンバー全員を主役にするこの作戦と無関係ではないでしょう。さらに、このアルバムからバンド名を再び結成当初の「ウイングス」に戻しています。「ポール・マッカートニー&ウイングス」表記を嫌っていたポールの信念が貫かれた結果です。こうしたいわば「ウイングス民主主義」とも言える政策は、次作「スピード・オブ・サウンド」ではさらに磨きがかかることとなります。

 こうしたポールの信念ゆえに登場したデニーのヴォーカル曲・『Spirits Of Ancient Egypt』。デニーがメイン・ヴォーカルを取った曲は先ほど述べたように『I Lie Around』以来2度目のことでしたが(厳密にはポールとデニーの初共作にしてデュエット形式の『No Words』、冒頭部分をデニーが歌う『Picasso's Last Words(Drink To Me)』もあるんですが・・・)、『I Lie Around』に続き今回もポールがデニーのために書き下ろしプレゼントした新曲でした。この後翌年の『The Note You Never Wrote』もデニーのために書いたポールですが、一方でデニーが作曲しメイン・ヴォーカルもつとめた曲は『Time To Hide』を待つこととなります。これについてポールは「デニーがなかなかいい曲を書けないのでプレゼントした」と語っていますが、作曲家デニーにとってこの時期はスランプだったのでしょうか・・・?デニーはウイングス活動中に「アー・レイン!」(1973年)というソロ・アルバムを出すほどですから、この時期も実力は確かだと思うのですが・・・。それとも「アー・レイン!」でストックを大量放出してしまい新曲制作に奔走していたのでしょうか?いずれにせよ、今回紹介する『Spirits Of Ancient Egypt』はポールのペンによる曲です。

  

 それでは、そんなこの曲についていよいよその中身を語ってゆきましょう。まず曲調ですが、大雑把に言えばロックナンバーに当たります。ムーディ・ブルース時代の名曲『Go Now』や、この後登場する「ロンドン・タウン」期の影響あってか元々の素質である穏やかなバラードやトラッド・ナンバー(伝統音楽)のイメージが強いデニーですが、なかなかどうして、こういうロック・テイストもお似合いです(事実ソロ期にはかなりロック色の強いファンキーな曲に手を染めている)。この曲では、単なるロックではなくシャッフルのリズムを取り入れてブギー風になっているのが特徴です。実はこれは作曲者ポールの当時の嗜好性が微妙に反映されています。ポールが書くこの手の軽快なブギーナンバーは'70年代前半に流行したいわゆるグラムロック(T・レックスなどで有名なスタイル)に影響を受けたと言われていて、ちょっと前の『Helen Wheels』や『Hi Hi Hi』などでそうした影響を垣間見ることができます。また、その後も『I've Had Enough』にも登場します。この曲は、そうした流れでポールのグラムロック好きが出たと言っていいでしょう。半ばポールに自分の嗜好を押し付けられた格好のデニーですが(笑)、これが意外なことにぴったりはまっているのです。それは、デニーがこうしたロックナンバーも自作していたからか、渋めな雰囲気が存在が地味な(汗)デニーにぴったりだったからなのか・・・?『I Lie Around』『The Note You Never Wrote』ではデニーの特色を的確に押さえた曲作りをしたポールですが、この曲でもデニーの特色を押さえた・・・のでしょうか?

 しかし、この曲の面白い点は、他のグラムロック・スタイルのポールナンバーと違い単なるシャッフル・ブギーに終わっていない所でしょう。ここに全く趣の異なる別のテイストを含ませているのです。それは・・・タイトル『Spirits Of Ancient Egypt』(邦題:「遥か昔のエジプト精神」)から容易に連想できる、中東風とも言えるエスニックな味付けです。後述する歌詞の世界を配慮したのだと思いますが、普通のグラムロックにエスニック風味が入っているので斬新な組み合わせにも感じられます。普通は結びつかない2つのテイストを混ぜ込んでしまう大胆さが魅力的です。ただ、ちょっと無理やり感もあるのと、エスニックさにインチキさがぷんぷん匂っていて、そこがまた面白いのですが・・・(苦笑)。後に2人して日本を曲解した似非東洋サウンドの曲を送り出したポールとデニーならではか?そんなエスニック風味は、冒頭でよく味わうことができます。アルバム「ヴィーナス・アンド・マース」は、『Venus And Mars/Rockshow』の項で語った通り半コンセプト・アルバムで、A面の冒頭にタイトル曲を、B面の冒頭に同曲のリプライズを配する格好となっていましたが、各曲間の流れをスムーズにするためにメドレーのように2曲以上の曲が連結している例も多い構成でした。そんな中、この曲もB面冒頭のリプライズに連結する格好で始まります。前曲(つまりリプライズ)はタイトル通りのコズミックで幻想的な雰囲気なのですが、それがエコーのかかったコーラスと共に終わると、クロスフェードする形でこの曲が一転してエスニック風味を携えて始まる仕組みです。アフリカン・ドラムのようなタムのリズムにのせて、シンセによる乾いた風のようなエフェクトやストリングス風のサウンドが、「似非中東テイスト」をかもし出します。前曲で暗黒の宇宙に投げ出され、宇宙船の旅をしていたら、この曲になだれると同時にいつの間にかエジプトに来ていた・・・といった感じでしょうか(笑)。ライヴを意識した構成のアルバム「ヴィーナス・アンド・マース」でも、もう1つの魅力・SF的側面を楽しめるリンクですね。

 第1節は上記の「似非中東テイスト」ですが、以降は本来の土台であるグラムロックのストレートな演奏になっています。ここはあまりエジプトうんぬんは感じさせません。典型的なバンドサウンドです。この曲では『Rockshow』や『Medicine Jar』ほどハードさは感じさせず、むしろシャッフルの軽快さが出ているのですが、それでもバンドとしてのまとまりは十分伝わってきます。さすが、黄金期を築き上げた5人だけあります。アルバム発売後に始まり一大ロック・ショーとして大成功を収めるワールド・ツアーの勢いを予感させてくれます。演奏面では、特にポールのベースに注目したい所。ポールは、ビートルズ時代から他人が歌う曲でのベース・プレイが冴えていると絶賛されることが多いのですが、この曲でも印象的なリフが登場します。特にフェードアウトしてゆくエンディングは何気に耳に残るプレイ。翌年のデニーの『Time To Hide』ではさらにうねるベースラインを披露するポールですが、ここではそれを予期させるキラっと光る演奏となっています。ナイス・サポートですね。この他、ギターサウンドがよく効かせてありますが、左右に移動しつつ入るエフェクトをかけてもやっとしたプレイは先のエスニックさを出したいがゆえでしょうか?確かに、「ぶわ〜〜ん」という銅鑼のようなシンバルや、アウトロの信号音みたいな音、そして随所で(おそらく)リンダが演奏しているムーグ・シンセなど、エスニック風味をつけたいという努力は見え隠れしていますが・・・。

 サウンドで無理やり感の強いインチキな(苦笑)エスニック風味を押し出したこの曲ですが、それは歌詞により顕著に表れています。この中東なのかそうじゃないのか分からないアレンジの源泉はタイトル『Spirits Of Ancient Egypt』(邦題:「遥か昔のエジプト精神」)にあるのですが、これはポールが読んだピラミッドについての本にインスパイアされたということです。「ピラミッド→エジプト→似非中東テイスト」という連想ゲームがポールの頭の中でひらめいたのでしょうが、この本をあげたのはチェット・アトキンスだったそうです。アトキンスといえば「チェット・アトキンス奏法」と言われるギターの演奏スタイルがビートルズにも影響を与えたことで有名ですが、1974年にウイングスが米国はナッシュビルで行ったセッションに参加していました(ポールの親父さんの曲『Walking In The Park With Eloise』に参加)。おそらくこの時に本をもらったものと思います。ポールって、本とかマンガとか新聞記事とか、本当にいろんなものにインスパイアされて曲を作りますよね。その幅広さが、ポールのストーリー・テラー的詞作の活力になっているのかもしれません。さて、エジプトがテーマになった歌詞ですが、なぜか中心となるのは普通のラヴ・ソング・・・というのがまた不思議な所です。「君は僕のベイビー、愛してるよ」なんて実にストレートな内容。しかし、かといって純粋なラヴ・ソングでもなく、エジプトや古代ローマ、沈みゆくスペインなど過去の帝国の名が列挙されるというのがポイント。さらには、古代文明一辺倒かと思いきや、なぜか「キャデラック」(アイルランド海をドライヴするらしい・・・)や「エレベーター」(しかも原住民ジェロニモに売り渡すという・・・)も登場し、ラヴ・ソングに古代と現代が混ざった訳の分からないことになっています。『Venus And Mars』で繰り広げたSF的妄想と同様、こっちはポールの中東的妄想が広がったというわけですね(笑)。そんな歌詞を歌うことになったデニーは何と思ったろうか・・・。

 しかし、そんなめちゃくちゃな歌詞をデニーが歌うことで、どこか納得させられるような気持ちになるのがまた不思議。この曲でのデニーのヴォーカルは相変わらず枯れた感じの味わい深い歌声なのですが、乾いた声がエジプトの砂漠をイメージさせるからでしょうか?特に冒頭のエスニック調の部分はぴったり似合っています。そして、歌詞とアレンジのインチキ加減と、さらにはそれとなく匂ってくる気障っぽさが、デニーのヴォーカルにはお似合いなんですよね(苦笑)。さすが地味なウイングス「第三の男」だけある。これがポールだったらちょっとイメージが違う気がするのですが、デニーならではのちょっと情けない役回りがこの曲の歌詞の主人公のキャラに合っています。[別にデニーをけなしているわけじゃないですよ?(苦笑)]そう考えると、ポールもデニーにぴったりの曲を与えたのかな・・・と思えてきます。デニーの地味ながら味わい深い魅力が伝わってきます。作者ポールは、グラムロック・アレンジになる第2節・第3節では1つキーの高いバッキング・ヴォーカルを入れています。元々デニーは声が細いですから、いいアクセントとなっています。ベースと並んで好サポートと言えるでしょう。デニーとポールの相性のよさも確認できます。そして、タイトルコールが登場するパートでは、なんと!メイン・ヴォーカルが一時ポールになります。タイトルを歌うのは、実はポールなのです。この部分ではデニーは脇に回りコーラスを担当します。全く声質の違う2人が部分的に立ち位置を交替することで、曲にほどよいメリハリと新鮮味をつけています。ドラムパターンもこの箇所では違うものになり、ブギー風のデニーのパートとがらっと雰囲気を変えています。このように、デニーが主役でスポットライトのメインに立ちながらも、相棒ポールの程よいサポートとヴォーカル交替が功を奏し、バンドでやっている!という感じを強く打ち出しています。同時に、10年続くことになるデニーとポールの強い信頼関係を裏付けています。

 アルバムのほぼ全曲分のアウトテイクが発見されている「ヴィーナス・アンド・マース」ですが、この曲のスタジオ・アウトテイクも発見されていて、「Venus And Mars Sessions」など「ヴィーナス〜」関連のブートで聴くことができます。これは1975年3月頃に曲順を暫定的に決めた際のラフ・ミックスで、この時点では前曲『Venus And Mars(reprise)』とは切り離されています。イントロが前曲のコーラスにかぶさらず、ギターフレーズやタムがクリアに聞こえるのはちょっと感動的であります。現在、前曲と切り離された音源は公式発表されていないので、オリジナルCDを作る際にも役立つかもしれません(苦笑)。演奏は基本的には公式テイクと同じですが、若干ミックス違いがある上、フェードアウトが若干遅く公式テイクでは聴けない部分がちらっと聴けます。構成やアレンジは既に決まっていて大差はありません。しかし、公式テイクとの一番の違いは何と言ってもヴォーカルでしょう!ここで聴けるのは、公式テイクとは全く違う別テイクのヴォーカルなのです。そして、これがなんとも滑稽で思わず吹き出してしまいそうです(笑)。というのも、ポールのヴォーカルはそれほど違いがないのですが、肝心のデニーのメイン・ヴォーカルが実にやる気のない仕上がりなのです!明らかに気を抜いた、とても公式テイクを録っているとは思えないぼそぼそっとしたラフな歌い方。特に単独で歌う第1節にそれが顕著。公式テイクのようなしっかりした歌い方を想像していると期待を裏切られます(笑)。ミックスがここではエコーなどが全くなくクリアなので、余計生々しく聞こえます。投げやりに歌っているそのスタイルは、ボツになったのもまぁ理解できます(汗)。しかし、これがデニーの魅力なんだよなぁ。思い切り力が抜けていて面白いです。こういうお茶目さも、私がデニーの好きな理由の1つです。デニーが好きな方はぜひともチェックしていただきたいですね(苦笑)。テキトーぶりが素敵です。

  

 「ヴィーナス・アンド・マース」収録曲の大半は、アルバム発売後にいよいよ開始されたワールド・ツアーでセットリストに取り入れられ、翌1976年に大成功を収めた全米ツアー含め各地で絶賛を受けることとなったのですが、デニーが歌うこの曲も演奏されました。このことも、先述の「メンバー全員が主役のバンド」であることをポールが目指していたことを示しています。デニーはこの曲と『Go Now』『Richard Cory』(1976年には『Time To Hide』も)でメイン・ヴォーカルを取り、その存在感を見せ付けました。ライヴではセットリストの前半で演奏され、デニーの自己紹介を兼ねていました。元々ダンサブルなシャッフルのリズムなので、会場の空気を熱くするのにはもってこいだったのでしょう。ライヴ演奏のため、スタジオ・ヴァージョンよりはエスニック風味が薄れていてタイトなバンドサウンドが聴き所となっています。一応リンダがムーグ・シンセであのインチキなイントロを再現してはいますが・・・(苦笑)。デニーのヴォーカルもさらに生き生きしていて、崩し歌いも含めたシャウト張りのヴォーカルも聴かせます。先のアウトテイクとは大違いだ(笑)。デニー自身ライヴでかなりノリノリの模様です。ポールのバッキング・ヴォーカル&ヴォーカル交替も再現。そしてさらに、公式テイクはフェードアウトだったのに対してライヴ・ヴァージョンはアウトロをかなり長めにした上で、タイトルコールでしっかり締めくくっています。これが躍動感あふれる演奏で、さらに曲想を膨らませた格好となっていてかっこいいです。この辺はライヴならではといった所ですね。ジミーによるギター・ソロも長めにフィーチャー。このワールド・ツアーの演奏は、全米ツアーの模様がライヴ盤「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」と映画「ロック・ショー」で楽しむことができます。映画「ロック・ショー」では、ポールに紹介され、12弦と6弦のダブルネックのギターを弾きながら歌うデニーが意外と(笑)かっこいいです。同時にこの人の渋さが味わえて、デニー・ファンである私にとってはなんともうれしい瞬間なのです。

 この曲も、今日一緒に紹介した本編の『You Gave Me The Answer』と同様、私がポールのソロを聴き始めた頃に大好きだった曲です。今では他にいろいろお気に入りが増えて相対的にはランクは下がっていますが、デニー好きであることもあり大好きな曲の1つです。アルバム「ヴィーナス・アンド・マース」では2番目に好きな曲です(1位は『Rockshow』)。ウイングス時代のデニー関連の曲でもかなり上位です。エスニック色の強いスタジオ・ヴァージョンも、バンドサウンドが強調されたライヴ・ヴァージョンも好きですね。そして、デニーがだらしないアウトテイクも(笑)。あれは笑えます。この曲は、作者であるポールが歌うより、デニーが歌った方が曲の雰囲気に似合っていていいと思います。ポールの判断は正解だったと言えるでしょう。あのデニーの立ち位置をそのまま曲にしたかのようで素敵です。歌詞も変てこだけど惹かれます。韻の踏み方が何気にお気に入りです。残念なことに、ウイングス解散後はデニーはこの曲を取り上げていないようですが、ライヴでもいつかは再演してほしいですね。「ロック・ショー」のデニーはかっこよかったですから。今の老眼鏡デニーでも十分かっこいいはずですよ!

 今回のイラストは、見てお分かりですが、アルバム「ロンドン・タウン」のジャケットのパロディ的作品です。ただ背景を砂漠とピラミッドにしただけの手抜きといえばいえなくもないですが・・・(汗)。「ロンドン・タウン」ではみんな厚着をしていますが、その格好でそのまま描いた後に「エジプトで厚着とは!」と自己ツッコミした結果、リンダさんとポールは暑くて汗をかいている、という感じに仕上げました(笑)。この2人の色を塗っていないのもわざとで、たぶんしらけているんでしょう(笑)。「Jooju Boobu」のイラストでは珍しく滑稽で風刺的なイラストになりました・・・。何気に「金星と火星」が空を浮いているのにも注目。これがあることでこの曲を「ロンドン・タウン」から「ヴィーナス・アンド・マース」へ引き戻しています(苦笑)。ちなみに、当サイトの掲示板で管理人用アイコンはなぜかデニー・レインとなっていますが、これは実はこのイラストからの抜粋でございます。管理人がちょっとデニーを気取ってみた・・・ということで。

 さて、次回の番外編はいつになるのか・・・?次はリンダさんかジミーか、それともジョーか?はたまたカヴァー曲か?それとも再びデニーがやって来るのか・・・?いつになるか分かりませんが、その時をお楽しみに!

 同時紹介の「Jooju Boobu」第62回『You Gave Me The Answer(幸せのアンサー)』もご覧くださいませ。

 (2009.7.18 加筆修正)

  

(左)アルバム「ヴィーナス・アンド・マース」。ウイングス・ロックの名盤。デニーとジミー・マッカロクの曲を入れて、「みんなのバンド」を意識しています。

(右)ライヴ盤「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」。ここでもポール以外のメンバーにもスポットを浴びせています。黄金期ウイングスの真骨頂!

Jooju Boobu TOPページへ