わすれものばんちょう
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演奏者 吉田美和:ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
中村正人:プログラミング
西川隆宏:マニュピレート
他に、プログラミングされたシンセ音、ベース、オルガン、ドラムス、グロッケン、ストリングス
ライヴ履歴 なし
2000年7月7日にシングル発売された曲。ドリカム名義で発表されたのですが、オリジナルシングルとは違う、「企画盤」的扱いでの発売となりました。というのも、この曲はNHK教育の子供向けTV番組「それゆけこどもたい」に提供された、子供向けの曲だからです。普段のドリカムナンバーとは、根本的にターゲット層が違うのです。シングルも、子供を意識したようなつくりになっていました。とはいえ、ファンからしてみればこの曲もれっきとした「ドリカムナンバー」、シングルも結構な売り上げを記録したのでした。
この曲は主に美和さんが書いて、まささんが手伝った共作曲です。曲の制作時期は、『24/7 -TWENTY FOUR/SEVEN-』や『好きだけじゃだめなんだ』とだいたい同じですが、それらとは音作りの雰囲気は全く異なっています。子供向けだからなのか、それともあまり時間を割けなかったからのか分かりませんが、演奏はすべてプログラミングによるもの。レゲエ風の変てこなリズムと共に、いかにも機械的な匂いがする中にコミカルさを感じるアレンジです。メロディは美和さんのコミカル路線そのもので、『ケロケロ』とか『ヒの字』と同じ系統に当たります。
歌詞は、忘れ物ばかりする小学生・ずばり「わすれものばんちょう」が主人公の一日を歌ったもので、当然ながらドリカムで主流のラヴソングではありません。わすれものばんちょうの忘れっぷりを美和さんならではのコミカルさで描いています。歌詞にはさらに、ドリカムのメンバー3人も登場しています。それぞれ「みいちゃん(=美和さん)」「まぁちゃん(=まささん)」「たかちゃん(=西川さん)」で、ブックレットではわすれものばんちょう含めた各キャラクターの人形を見ることができますが、これで各メンバーがモデルだということが一目瞭然です。ちなみに、わすれものばんちょう本人も美和さんをモデルにしている気がするんですが・・・。
シングルには、オリジナル・ヴァージョンの他に『おどれ!わすれものばんちょう』と題されたディスコ・ヴァージョンと、『うたえ!わすれものばんちょう』と題されたカラオケ・ヴァージョンが収録されていて、1曲を3つの味で味わえるという仕掛けです。シングルのカップリングにリミックスを多く収録していた当時のドリカムらしいです。
普通のドリカムナンバーとは差別化されているせいか、ライヴでは一度も演奏されたことがありません。まぁ、「たかちゃん」がいない今、あの歌詞のまま歌うのに抵抗があるのかもしれませんが・・・。それでもファンの間では「ライヴで演奏して!」という声が多いようです。
個人的にはあまり好きじゃない曲ですが(汗)、美和さんらしい変てこな曲ですね。子供向けにはぴったりでしょう!実際どんな感じで番組で使用されたのか、よく分からないんですけど・・・。それにしてもシングルがこんなに売れたのは、子供たちの力だけでなく、日本中のドリカムファンの力あってこそでしょうね(苦笑)。